11便とは異なり、175便の突入時には、既に多くの人に事態が認識されていたことから、突入の瞬間の映像や写真が多数記録されている[30]。なお、105階に居たエーオン副社長のケビン・コスグローブ(南棟の崩壊時に死亡)が、南棟が崩壊する瞬間まで911番へ電話で状況を伝えていた音声が録音されており[31]、この録音はザカリアス・ムサウイの裁判において証拠として用いられた[32]。
アメリカン航空77便詳細は「アメリカン航空77便テロ事件」を参照
アメリカン航空のボーイング757-200アメリカン航空77便の飛行経路
ワシントンD.C.(ダレス国際空港)発、ロサンゼルス(ロサンゼルス国際空港)行きアメリカン航空77便(AA077; ボーイング757-200:機体記号N644AA)は、乗客58人・乗員6人を乗せて、午前8時20分に出発した。午前8時50分頃までにハイジャックされコックピットを乗っ取られた。直後に進路を北向きに変えた後、南へ転回、その後東へ進路を変えた。最初の進路離脱から3分間は管制塔と機長が交信していたが、その後通信不能となった。
そして午前9時38分、バージニア州アーリントンにあるアメリカ国防総省本庁舎(ペンタゴン)に激突し、爆発炎上した。激突の瞬間の映像がペンタゴンの駐車場の監視カメラによって記録されており、また付近を通行中の多くのドライバーや歩行者によって降下し激突する瞬間が目撃された。
防犯カメラなどの映像によると、機体は水平の状態で地面を滑走しながらペンタゴンに衝突していたが、高速で建築物に激突・炎上したため機体の残骸はほとんど原形を留めていなかった。
ユナイテッド航空93便詳細は「ユナイテッド航空93便テロ事件」を参照
ユナイテッド航空のボーイング757-200(N591UA)ユナイテッド航空93便の飛行経路
ユナイテッド航空93便の墜落跡地にできた穴
ニューアーク(ニューアーク空港)発サンフランシスコ(サンフランシスコ国際空港)行きユナイテッド航空93便(UA093; ボーイング757-200、機体記号N591UA)は、午前8時42分、乗客37人(日本人1人を含む)(乗客37人中4人はテロリスト)・乗員7人を乗せて、滑走路の混雑で30分遅延で出発した。
乗客の機内電話からの通報によると、午前9時27分にハイジャックされ、コックピットを乗っ取られた。オハイオ州クリーブランド付近で進路を南に変え、さらに南東へ向かった。ワシントンD.C.へ向かうことを管制官に通告、標的はアメリカ合衆国議会議事堂かホワイトハウスであったと推測されている。
午前9時57分、機内電話や携帯電話による外部との連絡で、ハイジャックの目的を自爆テロと認識した乗客が機の奪還に乗り出す。午前10時03分、93便は490ノット (563マイル毎時 (906 km/h)) の速度でペンシルベニア州ピッツバーグ郊外シャンクスヴィル(ワシントンD.C. 北西240キロの場所)に墜落した[33]。