米西戦争に勝利したアメリカ合衆国は、第一次世界大戦中にイギリスやフランス、日本とともに連合国として参加。本土が戦火に巻き込まれなかったアメリカ合衆国は経済的繁栄を謳歌した。戦後には共産主義国家を広げないためにロシア革命に内政干渉を行い、他の列強と共にシベリア出兵を開始したが、1920年代後半には大恐慌で大打撃をこうむった。
第二次世界大戦には1941年12月に日本軍の真珠湾攻撃により連合国側で参戦し、緒戦では本土空襲など痛手を受けたが、優れた技術力および圧倒的な物量によって連合国を勝利に導いた。戦勝国の中心として世界への影響力を強め、ソビエト連邦と世界を二分する超大国となった。西側諸国の事実上のリーダーとしてソ連を事実上のリーダーとする東側諸国と対立し、冷戦に突入したが、1989年に東欧革命によって社会主義諸国は次々と崩壊、1991年にソビエト連邦が崩壊したことでアメリカが世界唯一の超大国と見做されるようになった。この状態を超大国を上回る極超大国と称されることがあった。
第二次世界大戦の戦勝国である事から、国際連合安全保障理事会の常任理事国であり、国連から核兵器の保有を合法的に認められている他、NATOの加盟国でもある。アメリカ軍(米軍)は陸軍・海軍・空軍・宇宙軍・海兵隊・沿岸警備隊で構成されており、北米(アメリカ北方軍)・アジア(アメリカインド太平洋軍)・欧州(アメリカ欧州軍)・アフリカ(アメリカアフリカ軍)・中東(アメリカ中央軍)・南米(アメリカ南方軍)など世界中の国家(170か国ほど)に多数の駐留軍事拠点(米軍基地)を設置し、同盟国などの国家安全保障を担っている[14]。
2000年代に入り、経済面でヨーロッパ諸国の衰退と日本がバブル崩壊によって先進国が長期低迷しているという反面、自国の金融とIT企業が急成長し世界に影響力を高めた。
アメリカ合衆国は、2018年の世界の軍事支出(英語版)の36%を占める世界最大の軍事大国である[15]。世界で初めて核兵器を開発した国であり、日本への原子爆弾投下によって戦争において核兵器を使用したことがある唯一の国である。
2020年代まで、アメリカ合衆国が事実上唯一の世界の超大国として君臨していた[16]。
2023年現在、アメリカ合衆国は国際社会に最も多大な影響を及ぼす政治的・経済的・軍事的大国であり、世界で最も民族的に多様かつ多文化な国のひとつである他[17]、科学研究および技術革新における世界のリーダー的存在であるともされている[18]。アメリカ合衆国のピュー研究所の調査によると、2020年代には、中華人民共和国が経済面ではアメリカ合衆国に匹敵し始めたが、軍事力ではアメリカ合衆国が圧倒的に上回っていると[19][20]、経済・軍事的に台頭する中華人民共和国やロシアなどとの間で新冷戦と呼ばれる状況に突入している。
アメリカ合衆国は先進国であり、世界最大規模の国民経済を有する経済大国である[21]。世界貿易機関、G7、G20、経済協力開発機構、北大西洋条約機構(NATO)、米州機構、米州相互援助条約などの加盟国でもある。米国経済は、豊富な天然資源および労働者の高度な生産性によって支えられている[22]。アメリカ合衆国は脱工業化社会であるとされている一方で、世界最大の製造国のひとつであり続けている[23]。
国号「合衆国」、「アメリカ合州国」、および「美国」も参照
1507年、ドイツ人地図製作者のマルティン・ヴァルトゼーミュラーは、イタリア人探検家および地図製作者のアメリゴ・ヴェスプッチの名をとって西半球の陸地をアメリカ州と名付けた世界地図を作成した[24]。
United States of America(ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ)という言葉の最初の文書証拠は、大陸軍ジョージ・ワシントンの副官および検閲官の大将であるスティーブン・モイランにより書かれた1776年1月2日付の手紙である。手紙はジョセフ・リード中佐宛で、革命戦争において「アメリカ合衆国の大量で十分な力」でスペインを支援する嘆願をモイランは記した[25]。
「United States of America」という言葉が最初に公開出版された証拠は、1776年4月6日にバージニア州・ウィリアムズバーグのザ・バージニア・ガゼット紙面に匿名で書かれたエッセイである[26][27]。1776年6月、トーマス・ジェファーソンは独立宣言の「原草稿」の見出しにすべて大文字で書かれた「UNITED STATES OF AMERICA」という言葉を加えた[28][29]。