アメリカ合衆国は先進国であり、世界最大規模の国民経済を有する経済大国である[21]。世界貿易機関、G7、G20、経済協力開発機構、北大西洋条約機構(NATO)、米州機構、米州相互援助条約などの加盟国でもある。米国経済は、豊富な天然資源および労働者の高度な生産性によって支えられている[22]。アメリカ合衆国は脱工業化社会であるとされている一方で、世界最大の製造国のひとつであり続けている[23]。
国号「合衆国」、「アメリカ合州国」、および「美国」も参照
1507年、ドイツ人地図製作者のマルティン・ヴァルトゼーミュラーは、イタリア人探検家および地図製作者のアメリゴ・ヴェスプッチの名をとって西半球の陸地をアメリカ州と名付けた世界地図を作成した[24]。
United States of America(ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ)という言葉の最初の文書証拠は、大陸軍ジョージ・ワシントンの副官および検閲官の大将であるスティーブン・モイランにより書かれた1776年1月2日付の手紙である。手紙はジョセフ・リード中佐宛で、革命戦争において「アメリカ合衆国の大量で十分な力」でスペインを支援する嘆願をモイランは記した[25]。
「United States of America」という言葉が最初に公開出版された証拠は、1776年4月6日にバージニア州・ウィリアムズバーグのザ・バージニア・ガゼット紙面に匿名で書かれたエッセイである[26][27]。1776年6月、トーマス・ジェファーソンは独立宣言の「原草稿」の見出しにすべて大文字で書かれた「UNITED STATES OF AMERICA」という言葉を加えた[28][29]。独立宣言の7月4日の最終版において、表題の該当する部分は「アメリカ合衆国13州一致の宣言」に変更された[30]。1777年に連合規約が発布され、「連合の名称を『United States of America』と定める」と規定した[31]。
短縮形は「United States」が標準的であり、ほかの一般的な形式は、「U.S.」「USA」および「America」である。ほかに口語での名称として「U.S. of A.」があり、国際的には「States」がある。18世紀後半の詩歌において人気な名称である「コロンビア」は、クリストファー・コロンブスが起源であり、コロンビア特別区の名に見られる[32]。
英語以外の言語において、アメリカの名称は「United States」または「United States of America」のいずれかの、口語では「America」の翻訳であることが多い。加えて、USAのような略称はときどき用いられる[注釈 2]。東アジアでも、「America」を「亞米利加」「亞美利加」「米利堅」「美利堅」などと音訳し、「United States」を「合衆国」と翻訳することで、日本語では「アメリカ合衆国」「米国」、中国語、朝鮮語、ベトナム語では「美利堅合衆國」「美國」と漢字表記する。この漢字表記は歴史上一定していたわけではなく、「亜墨利加」「亜国」などの表記が用いられたことがあった[35]。一方、英語名称の翻訳を由来としない名称としては、ベトナム語でのアメリカの名称である「Hoa K?」(花旗)があり、これは中国南部でのアメリカ合衆国の国旗の古称「花旗」およびアメリカの古称「花旗国」に由来する。
「United States」という言葉は、1865年批准のアメリカ合衆国憲法修正第13条にみられる、「the United States are」のように、本来は独立州の集合体を表現した複数形として扱われていた。南北戦争終結後には、「the United States is」のように単数形として扱うことが一般的になった。