アメリカ合衆国
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この事実はアメリカ合衆国の大量消費文化にまったく無関係であるというわけではなく、よくも悪くもアメリカ合衆国は借金文化の定着した国である[143]

エルマー・ライス(1892年 - 1967年)は、『The Left Bank』(1931年)において、米国の物質主義から逃避するために国外移住をはかる物語を描いた。

アーネスト・カレンバックは1975年に『エコトピア』を出版したが、この本は「アメリカ人の生活にある諸相の中でも消費者主義と物質主義に対する抗議」だったと評されている[144]

アメリカ合衆国において1980年代以降、かつてないほどに低俗な商業主義(物質主義)が蔓延していることを、ジョン・カーペンターは1988年の映画『ゼイリブ』において戯画的に描いて批判した。

米国の物質主義、拝金主義、利己主義は、他国にもさまざまな悪影響を及ぼしている。たとえば近年においては、国内において禁煙運動が進みタバコの消費量が減ったことから、アメリカのタバコ製造会社が、タバコ規制が緩かった東欧の旧社会主義国や、中南米中華人民共和国などの発展途上国を中心とした市場開拓を積極的に行っていることや、ナイキなどの大手衣類メーカーが製造コスト低減のために、同じく発展途上国において未成年の労働者を安価に大量に酷使していたことなどが大きな批判を浴びている。

米国の大衆消費文化、拝金主義、物質主義は、世界中の多くの国でしばしば「低俗」あるいは「画一的」として嫌悪されている。ウルグアイ文学の作家、ロドー(英語版)は『アリエル(スペイン語版)』(1900)において、キャリバンによって象徴される物質主義的なアメリカ合衆国文明を批判し、アリエルによって象徴される精神主義的なラテンアメリカ文明を対置して描いてみせた。ロドーの「アリエル主義」は瞬く間にラテンアメリカの青年層の広い支持を集めた。

ただし、他国でもやはり拝金主義や物質主義的な考え方に染まった者も多く、そういった論者は「米国の大量消費文化は、よくも悪くも経済活動と密接につながっているため、各国において消費意欲を喚起し、その結果アメリカ経済ひいては各国の経済を牽引する存在となっている」などと[要出典]、もっぱら経済面・金銭面にだけ着目し、好意的な論調で語ることも多かった。ただし、2000年を過ぎ、サブプライムローン問題、リーマンショックなどによって米国流の資本主義、拝金主義がその内部に根本的な欺瞞や問題を抱えていたことが露見し、それが他国民にも深刻な被害をもたらすことが明らかになって以降は、米国流の拝金主義・物質主義を手放しに好意的に扱う論調はかなり減った。
グローバル化の指導役

アメリカ合衆国は、冷戦終結以降急速に進んだグローバリゼーションを牽引した国としても知られている。このことに対する批判として、他国の持っていた独自の文化や高いモラルをアメリカ型の資本主義システムが駆逐してしまった、それまで貧富の差が少なかった国に貧富の差が拡大した、文化面やテクノロジーの面などで画一化が進んだなどがある。

しかし、2017年アメリカ合衆国はTPPから離脱しアメリカ抜きのTPP11が発足した[145]。その後、パリ協定にもアメリカは脱退[146]し、日本などがアメリカの対応について猛烈に批判[147]した。
治安詳細は「アメリカ合衆国における犯罪(英語版)」および「アメリカ合衆国の銃規制」を参照

合衆国の犯罪発生率は、地域、州によって大きく異なる。たとえば、凶暴犯罪(殺人、強姦、強盗、加重暴行)の2002年時点の発生件数をみると、人口10万人あたりの合衆国平均は495人だが、州ごとの分布はノースダコタ州の78人から、コロンビア特別区の1,633人まで、20倍以上のばらつきがある。日本やイギリス、ドイツなどのほかの先進諸国と比べて、都市部、地方にかかわらず麻薬による犯罪が蔓延しているイメージがあるが、統計的にこれは誤りである。

アメリカ合衆国憲法修正第2条により民間人も自衛のために銃の使用が許可されている国(ただし、この条項は民兵の武装を認めているだけで、ごく普通の一般市民の武装について言及しているわけではないという学説もある)とはいえ、街中に銃砲店が普通にあり比較的簡単に銃を、そしてスーパーマーケットでも実弾が購入できるという現実は「銃社会」を助長させている。

歴史的な経緯から全米ライフル協会(NRA)は強力な政治的発言力を持つ事実上の圧力団体であり、銃規制につながる立法を再三阻止している。過去数度にわたり何人もの大統領が銃によって暗殺されているほか、銃犯罪による死者の数が、2000年以降に限っても毎年年間1万人を大きく超えるなど、世界でも例を見ない「銃犯罪大国」である。

成年者による銃犯罪だけでなく、中学校高等学校において生徒が銃を乱射し死傷者を出す事件が毎年のように発生する事態を招いている。このため銃を購入できる年齢を18歳から21歳に引き上げたり、一部の学校では校舎に入る際に金属探知機による保安検査を行ったりしている。しかし、それでもコロンバイン高校銃乱射事件バージニア工科大学銃乱射事件など学内における銃乱射事件は防ぎきれていない。幼い子供が家族の所有する、安全装置を解除された銃で遊んでいるうちに誤って自分や友人、家族を撃ち殺してしまう事故も後を絶たない。

ギャングの抗争による殺人事件や人種差別を元にした殺人事件も多く発生するほか、外国人観光客や駐在員、留学生などが犯罪に巻き込まれ死亡するケースが毎年のように起きているなど、銃による脅威を受けるのは一時滞在の外国人も例外ではないため、観光客の誘致にも悪影響を与えている。

近年では家庭内における暴力的・性的な過激シーンを含む映画・漫画・ゲームなどが未成年の子供に悪影響を与えているとして規制しようという動きもある。「アメリカ合衆国における人種と犯罪(英語版)」も参照
治安維持米国の法執行は、おもに地元警察により維持される。ニューヨーク市警察(NYPD)は国内最大である[148]詳細は「アメリカ合衆国の法執行機関(英語版)」を参照

アメリカ合衆国には 17,985の警察機関があり、市警察、郡保安官事務局、州警察、および連邦法執行機関が含まれる。これらの機関の法執行目的は、犯罪行為の容疑の調査、州(または連邦)検察官への調査結果の照会および司法措置が保留されている犯罪容疑者の一時拘留となっている。

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「アメリカ合衆国連邦法執行機関(英語版)」、「アメリカ合衆国の警察」、および「連邦捜査局」も参照
人権詳細は「アメリカ合衆国における人権(英語版)」および「アメリカの人権と人権政策」を参照

マルクス・ガブリエルはアメリカを「他ならぬ世界最大の人種差別大国」と表現したが、質の高いエビデンスとされる2019年のメタアナリシスによると、米国における有色人種に対する雇用差別は、フランス、オランダ、スウェーデン、ベルギー、英国よりも低い[79]。他人の権利の尊重、資源の公平な配分、汚職の少なさ、情報の自由な流通など基本的人権による2023年積極的平和報告書概要によると、アメリカ合衆国は、2023年積極的平和世界ランキングの前年度16位(2023年26位)と、先進的な国であるが[149]、周知の通り、2022年世界平和度指数では163カ国中129位と、実質的な平和に関しては世界の中でも遅れている[150]

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メディアニューヨークのアメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー本社詳細は「アメリカ合衆国のメディア(英語版)」を参照
マスコミ詳細は「アメリカ合衆国のニュース・メディア」および「アメリカ合衆国のテレビ(英語版)」を参照

新聞は約1,500紙が発行されている。一般的には地方紙が好まれるが、地方紙の地元記事以外の内容は大手新聞から購入したものが多い。全国紙としてはUSAトゥデイ(227万部)、ウォール・ストリート・ジャーナル(206万部)が部数競争を繰り広げている。影響力の大きい新聞としてはニューヨーク・タイムズ(112万部)、ワシントン・ポスト(69万部)、ウォール・ストリート・ジャーナルの3紙があげられる。1985年の総発行部数は約6,000万部、2006年が5,000万部である。人口1,000人あたりの普及率は約270部で、これは先進国では最低レベルである。

ABCNBCCBSの3大ネットワークはそれぞれニュース制作に特化した子会社を有し、プライムタイムに放送されるニュース番組に非常に力を入れている。現在は視聴率の高い順にNBCナイトリー・ニュースABCワールド・ニュースCBSイブニング・ニュースとなっている。60ミニッツなどの報道特集番組も人気がある。
インターネット詳細は「アメリカ合衆国のインターネット(英語版)」を参照

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文化アップルパイは一般にアメリカ料理を連想させる食品である詳細は「アメリカ合衆国の文化(英語版)」を参照


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