太平洋岸にはロッキー山脈ほどのスケールではないが、海岸山脈があり登るには骨が折れる。この山脈は太平洋から来る空気中の水蒸気の大部分を集める。中部カリフォルニアの比較的乾燥した気候においても、セコイアの成長を促すだけの水分を掻き集めている。海岸山脈の東には、カリフォルニアのサンホアキン・バレーやオレゴンのウィラメットバレーのような耕作に適した肥沃な渓谷がある。
これらの渓谷の先にはシエラネバダ山脈が南に、カスケード山脈が北にある。この山並みにはアメリカ合衆国でも高い山が幾つかある。シエラネバダ山脈のホイットニー山が本土の48州では最高峰で標高は4,421 mである。ワシントン州の火山レーニア山は標高4,392 mである。シエラネバダ山脈の活火山セント・ヘレンズ山は1980年に噴火した。マザマ山は西暦紀元前4860年頃に大きな噴火があり火口湖を形成した。これらの山脈にはかなりの降水量があり、海岸山脈を超えてきた水蒸気をほとんど捉まえてしまい、「雨陰」を作って東に伸びる広大な乾燥地帯を形成している。この乾燥地帯にはネバダ州、ユタ州およびアリゾナ州が含まれる。モハーヴェ砂漠やソノラ砂漠などの砂漠がここにある。
これら砂漠のむこうにロッキー山脈がある。北部はカスケード山脈のすぐ東を走っているので、砂漠地帯はカナダ国境までは伸びていない。ロッキー山脈は数百マイルの幅があり、中断無しでニューメキシコ州からアラスカまで続いている。ロッキー山脈の最高峰は4,250 mを越えておりコロラド州の中央にある。
西部には太平洋に注ぐ長い川が幾つかあり、またメキシコ湾に注ぐ東方の川もある。ミシシッピ川が今日の西部で東端の境界である。ミシシッピ川支流のミズーリ川はロッキー山脈に水源があり、東方にグレートプレーンズを横切り、広大な草原台地を過ぎて、ゆっくりとした傾斜で森林地帯を通ってミシシッピ川に注ぐ。コロラド川は山岳州を蛇行して流れ、1点でグランドキャニオンを形成している。