アメリカで発行される多くの新聞の用語法ガイドであるAP通信のスタイルブックは、(例えば、"Santa Ana、Calif."などの)都市名に加えて、ほとんどの州名の略称の使用について助言している。AP通信は、アラスカ州、ハワイ州、そして5文字かそれ以下で表される全ての州について、略さずに表記することを勧めている。また、旧GPOの推奨とは違って、コロンビア特別区 (D.C.) を除く、すべての州ではない領土について、略さずに表記するよう勧めている。The Bluebook
やThe ALWD Citation Manualのような法律文書の引用形式マニュアルでは、典型的にこれらの“慣習的略語”が使用される。米国国家規格協会 (ANSI) は、各州及び離島のためにアルファベット及び数字によるコードをANSI標準 INCITS 38:2009
として定めた。ANSI標準 INCITS 38:2009は、連邦情報処理標準 (FIPS) のFIPS 5-2、FIPS 6-4、FIPS 10-4を置き換えるものである。ANSIのアルファベット州コードは、"UM"というANSIコードを持つが、USPSコードを持たない合衆国領有小離島、及び"UM"というUSPSコード ("AA", "AE", "AP") を持つが、ANSIコードを持たない軍事郵便の配達地域を除いて、USPSの州コードと一致する。アメリカ合衆国郵便公社 (USPS) は、アルファベットの大文字による略号一式を設けることで、光学文字認識や他の自動化装置を用いて郵便物を処理することに役立てた[14]。このほかにも、街路指定子(street, avenue, roadなど)のような住所の他の部分のために、USPSによる公式な略称が存在する。
これらの郵便略語は、Calif.、Fla.あるいはTex.のような慣習的な略語とは区別される。AP通信のスタイルブックには、状況に合わせて郵便の住所のほかに慣習的な州の略語が使われるべきであることが記述されている[15]。しかしながら、シカゴ・マニュアル・オブ・スタイルでは現在、大文字2文字の略号の使用が推奨され、慣習的な形式は選択肢の一つとされている[16]。
50ある各州の郵便略号は、ISO 3166-2の行政区画コードと同一である。
これらのコードは、13あるカナダ各州および領土の郵便略語
(英語版)とは重複しない。ネブラスカ州に充てられていたコードは、ニューブランズウィック州のものと混同するのを避けるため、1969年にNBからNEへと変更された[10]。カナダは同様に、マニトバ州にMBを充てて、米国の様々な州とコードが重複するのを防いでいる。アメリカ沿岸警備隊 (USCG) は、船舶番号に2文字から成る接頭辞の一式を使用している[17]。39の州とコロンビア特別区については、USPSとUSCGで同じ略称を使っている。USCGの接頭辞には、5つの離島のために設けられたものもあるが、これらは(マリアナ諸島を除いては)すべてUSPSの用いている略称と同一である。USPSとUSCGの使う略称が異なる12の事例について、以下の表で示すほか、上記の表では赤字で示してある。
USPSとUSCGとのコードの相違点カリフォルニア州コロラド州デラウェア州ハワイ州カンザス州ミシガン州ミシシッピ州マサチューセッツ州ネブラスカ州ワシントン州ウィスコンシン州マリアナ諸島
USPSCACODEHIKSMIMSMANEWAWIMP
USCGCFCLDLHAKAMCMIMSNBWNWSCM
脚注^ "Ioa."あるいは(より典型的に)"IOA"が1870年代以降、アイオワ州内の郵便局の消印にみられる。
^ ⇒search on WN
^ a b パルミラ環礁は、アメリカ合衆国の非自治的編入領域であるが、以前はハワイ準州の一部だった。
^ アメリカ軍 ? 米州の範囲は、カリブ海を含み、アメリカ合衆国、カナダ、グリーンランドを除く。
^ アメリカ軍 ? 欧州の範囲は、大西洋、地中海、カナダ、グリーンランド、アフリカ、西南アジアを含む。
^ アメリカ軍 ? 太平洋の範囲は、インド洋、オセアニア、西南アジアを除くアジアを含む。
^ 以前USPSで使われていたコード、"CM"は北マリアナ諸島に充てられていたが、現在は使われなくなった。