アメリカ合衆国のファーストレディ
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手前よりローラ・ブッシュ(当時のファーストレディ)、ファーストレディ経験者のバーバラ・ブッシュヒラリー・クリントンロザリン・カーター
語源アビゲイル・アダムズの肖像画。第2代大統領ジョン・アダムズの妻であり、第6代大統領ジョン・クインシー・アダムズの母でもある「ファーストレディ#語源と歴史」も参照ドリー・マディソンの晩年の写真(1848年)。豪華なパーティーを頻繁に主催したが、政治的な発言は控えていた

アメリカ合衆国の建国初期は大統領夫人を指す一般的に受け入れられた呼称は存在しなかった。初代大統領夫人のマーサ・ワシントンは時折、「レディ・ワシントン(Lady Washington)」と呼ばれていた[8]。また、第2代大統領夫人のアビゲイル・アダムズは女性の権利向上を訴え、奴隷制度に反対するなど、当時としては進歩的な考えの持ち主であり、政治に強い関心を示していたため、「レディ・アダムズ(Lady Adams)」の他に反連邦主義派(英語版)から「夫人大統領(Mrs. President)」と呼ばれていた[9]

伝えられるところによると、1849年の第4代大統領夫人ドリー・マディソンの葬儀で当時のザカリー・テイラー大統領は「彼女は永遠に記憶に残ることでしょう。なぜならば、彼女は半世紀にわたり、まさに私達にとって第一級の女性(First Lady)であったからです」と最大級の賛辞を述べたとされている[10]。しかし、この賛辞の当時の書面による記録は現在残されていない[11]

タイムズ紙記者のウィリアム・ハワード・ラッセル(英語版)は1863年11月6日の日記で第16代大統領夫人のメアリー・リンカーンについて言及し、彼女を「我が国における第一級の女性(The First Lady in the Land)」と呼んでいた[12]。第19代大統領夫人のルーシー・ヘイズ(英語版)は行き届いた気配りが出来る女性で、初の大学出の大統領夫人でもあったことから「我が国の第一級の女性(the First Lady of the Land)」と呼ばれ、その活動内容が盛んに報道された[13]。この表現がその後の大統領夫人の通称として定着することになった。
代理

過去には大統領に妻がいない場合、または大統領夫人がその職務を果たすことが不可能であった場合に代理の女性がファーストレディを務めている。第3代大統領トマス・ジェファーソンの任期中に務めたマーサ・ジェファーソン・ランドルフ[14]、第7代大統領アンドリュー・ジャクソンの任期中に務めたエミリー・ドネルソンサラ・ジャクソン[15]、第8代大統領マーティン・ヴァン・ビューレンの任期中に務めたアンジェリカ・ヴァン・ビューレン[16]、第10代大統領ジョン・タイラーの任期中に務めたプリシラ・タイラー(英語版)[17]、第15代大統領ジェームズ・ブキャナンの任期中に務めたハリエット・レーン[18]、第21代大統領チェスター・A・アーサーの任期中に務めたメアリー・アーサー・マッケルロイ(英語版)[19]、第22代大統領グロバー・クリーブランドの任期中に務めたローズ・クリーブランド(英語版)[20]、第23代ベンジャミン・ハリソンの任期中に務めたメアリー・ハリソン・マッキー[21]、第28代大統領ウッドロウ・ウィルソンの任期中に務めたマーガレット・ウッドロウ・ウィルソン[22]である。


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