アメリカンフットボール
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チャレンジの対象は、プレーの成否に関わるいくつかの事項(得点、ターンオーバー、パスの成功・不成功など)についてのみ認められており、反則の有無そのものについてチャレンジを行うことはできない[注 34]

NFLではチャレンジは1試合につき3回(大学の場合は2回、UFLの場合は1回)まで行うことができる。ただし、3回目の権利はそれ以前に1度でもチャレンジに成功しないと与えられない。判定が覆らなかった場合はチャレンジ失敗となり、タイムアウトの権利を1回分失う。つまり、チャレンジはタイムアウトの権利を賭けて行うものなので、タイムアウトを使い切った状態では行うことはできない。

なお、チャレンジはツー・ミニッツ・ウォーニング以降、およびオーバータイム中には行うことができない。ただし、このような時期に疑義のあるプレーが発生した場合、特設室にいるリプレイ・アシスタントと呼ばれる専門の審判がビデオ映像を検証し、インスタント・リプレイが必要かどうかレフリーに指示することがある。これをオフィシャル・レビューという。この場合でも、最終判断は、レフリーが行う。

NFLではタッチダウン等の得点プレーについては試合の時間帯を問わず必ずオフィシャル・レビューの対象となる。このため、得点プレーについてのチャレンジは行えない。

2012年より、スタジアムの観客にも審判団と同じリプレイ映像が提供されることとなった[34]
安全に対する配慮
コンタクト(タックルとブロック)

アメリカンフットボールにおけるコンタクトとは、身体の接触を行うことである。アメリカンフットボールのコンタクトは非常に激しく、直ちに負傷につながるおそれがある。このため、安全確保を目的として、コンタクトには厳しい規制がある。

コンタクトはタックルとブロックに大別される。しばしば混同されるが、アメリカンフットボールにおけるタックルとは、ボールを保持する選手(ボール・キャリア)の前進を止めるために体やジャージをつかむことであり、ブロックとは、相手選手の体やジャージをつかむことなく、自らの体を使って相手の進路を妨害する(前に立ち塞がる)ことである。状況により、手を開いて相手を押すことはブロックとして認められる。

原則として、ボールを持っていない選手に対するタックルは認められない。ボールを持っていない選手の体やジャージをつかむと反則(ホールディング)となる(例外的に、守備の選手が、タックルのために他の選手を払いのける目的でつかむことは許されている)。

NFLでは2024年シーズンよりヒップドロップタックルが禁止されている。これは両手でランナーを挟み込んだうえで自分からグラウンドに倒れ込み、相手の膝より下の上に乗りかかるタックルを指す。

なお、蹴る・殴るなどのラフプレイ、暴力行為は当然禁止されている。
装具装具とユニフォームを着用するロブ・グロンコウスキー

アメリカンフットボールの装具とは、防具とユニフォームに大別される。このうち防具は、選手の負傷軽減を目的として装着するものであり、様々な改良を積み重ねながら現在に至っている。「間違いやすいジャッジがひと目でわかる!アメリカンフットボールのルールとスコアのつけ方」(笹田英次 監修)によれば、全ての防具の重さを合計すると、スパイクを含んで5kgほどにもなる。

装着が義務付けられた装具に不備があると反則となるので、全ての選手は正しく装具を装着しなければならない。装着が義務付けられた装具は以下のとおりである。
ヘルメット
頭部を保護する。表面はプラスチックで、中にウレタン製のパッドと、ゴムチューブが内蔵されており、ゴムチューブ内の空気圧の調整により、フィット感を向上させる。また、顔面を保護するフェイスマスク(またはフェイスガード。格子の形はポジションにより数種類ある。上部の蝶番と両サイドのスナップ付ストラップで止められており、開閉出来る)と、顎に当ててヘルメットを固定するチンストラップ(頚部へのベルトではなく顎そのもので固定する「チンカップ」がある)が必須である。ヘルメットは1平方cm当たり1トンもの衝撃に耐えるとされている。
ショルダーパッド(プロテクター)
胸、背中および肩を保護する。各部位を保護するパッドを、プラスチックのカバーで覆ってつなぎ合せたもので、ポジションごとに形状が異なる(例えばクォーターバックやワイドレシーバーなど、パスに関与するポジションでは、肩の稼動域が広く、軽くて薄いが、ラインポジションではその逆など)。
ニーパッド・サイパッド・ヒップパッド
それぞれ、膝、太腿前面、尻を保護するパッド。ユニフォームのパンツの下に装着。
マウスピース
頭部への衝撃を緩和するために装着。スナップする直前に口に入れて噛み締める。プレーしていない時は会話に差し障りがあるのでフェイスマスクにストラップで吊ってある。過去、マウスピースを使用せずに頭部でコンタクトを行った結果、頸椎損傷などの重大事故が発生し、死亡したケースもあるため、着用を義務付ける規定が年々厳しくなっている。
ユニフォーム
上半身を覆うジャージと、下半身を覆うパンツに分かれる。ジャージは、各チームとも、チームカラーを基調とするカラージャージと、白を基調とするホワイトジャージの2種類用意し、ホームチームがカラージャージ、ビジターチームがホワイトジャージの着用を原則とする。両チーム、審判の事前の了解があれば、カラー/ホワイトを入れ替えて着用することもある。また、対照的な色であれば、カラージャージ同士の着用もありうる。ジャージもパンツも、防具の上から着込み、体にぴったりとフィットするよう、現在では非常に伸縮性に富んだ素材を使用する。

主にクォーターバックなどはこの他に、フォーメーションを一覧にした図を腕にリストバンドで着けることがある。
ポジション詳細は「アメリカンフットボールのポジション」を参照
戦術詳細は「アメリカンフットボールの戦術」を参照


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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