レフリーが審判団を代表するが、他の審判も判定の権限は平等に持っている。判定で違いなどがあれば、協議した上で決定する。
試合前コイントスの様子
試合前には、試合開始予定3分前にセレモニーを開催する。セレモニーでは、レフリーとアンパイアが立ち会いのもと、両チームのキャプテンと審判がフィールド中央に集合する。他の選手はチームエリアで待機する。
両チームのキャプテン(1名以上4名以内)がフィールド中央に集合し、審判から試合上の諸注意を受けた後に、コイントスを行う。ボウルゲームや交流戦などでは、両チームの記念品(ペナントなど)の交換が行われることもある。 コイントスは、試合開始時にボールと、陣地の所有権を決める。以下の手順で行う。 通常、コイントスの勝者は、先に攻撃権を得るため、前半のレシーブを選択する。ただし、守備に自信があったり、後半からの巻き返しを想定したりした場合、後半を選択する。 コイントスの手続きが完了すると、各チームのキャプテンが守るべきゴールライン側に並ぶように回転し、審判はどちらのチームが前半のレシーブであるかを試合会場に通告するのが通例である。前半のキックのチームによるフリーキック(キックオフ)により試合が開始する。 アメリカンフットボールでは、プレーをダウンと呼ばれる概念で区切る。 ダウンには、スナップで始まるスクリメージ・ダウン、フリーキックで始まるフリーキック・ダウン、フェアキャッチ・キックで始まるフェアキャッチ・キック・ダウン(NCAAルールではフェアキャッチ・キックはない)[28]に分けられる。 ダウンは、審判がプレーの開始(レディ・フォー・プレイ)を宣告してから終了(ボールデッド)を宣告するまでの単位であり、ダウンが終わったら、仕切り直して次のプレーを開始する。これがアメリカンフットボールを見慣れない人にとって、「アメリカンフットボールは良く止まる」としばしば違和感を覚えるところである。 フリーキック(キックオフ)とは、前後半・延長戦の開始時、及び得点後の試合再開のために行われる特殊なプレーである。キックオフは、フリーキックの1種で、前後半・延長戦開始、またはトライ、フィールドゴールの後のフリーキックを言う。セイフティという得点の後のフリーキックは、キックオフではない。ただし、セイフティというプレー結果自体がまれなため、多くの場合、キックオフとフリーキックが同じとみても良い。従来、キックオフでは両チームの選手が長い距離を助走して衝突し合うために負傷が多かった。そのために、2024年シーズン以降のNFLのように、両チームの選手の距離を狭めた数々のルール改正が行われている[29]。 キックオフでは、キック側のチーム(キッキングチーム)陣35ヤード(UFLでは20ヤード)、セイフティ後のフリーキックではキッキングチーム陣20ヤードで行う。 NFLでは、キックングチームのうちキッカー以外の全選手はレシービングチーム側の40ヤードラインに並ぶ。レシービングチームのうち、7人以上は自陣35ヤードラインから30ヤードラインの間のセットアップゾーンに並ばなくてはならない。ゴールラインから20ヤードの間のランディングゾーンには2人以下のリターナーがいることができる。
コイントス
ビジター側のキャプテンが、審判が持つコインの裏表を選択する。
審判がコインが回転しながら落下するように投げる(ボウルゲームなどでは、特別のゲストにコインを投げる役割を与えることもある)。
結果が当たった(コイントスの勝者)チームは、前半もしくは後半のいずれかのハーフを選択する。
コイントスの敗者は、勝者が選択しなかったハーフを選択する。
コイントス勝者が、後半を選択(前半を辞退)した場合、審判はその旨をコールする。
各ハーフを選択したチームは、そのハーフが始まる前に以下のいずれかを選択し、対戦チームは残りの選択をする。通常は、レシーブを選択し、対戦チームは、陣地を指定する。
レシーブまたはキック
陣地
ダウン
フリーキックキックオフの様子
キックするチーム
前後半・延長戦を開始するフリーキックは、コイントスの結果に基づく。
トライ後のフリーキックは、タッチダウンした側が行う。
フィールドゴール後のフリーキックは、フィールドゴールをした側が行う。
セイフティ後のフリーキックは、セイフティを献上したチーム(失点したチーム)が行う。
キックする位置
キック時のフォーメーション
NFLのキックオフ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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