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審判 (オフィシャル[注 16]) の人数は、最低で4人最大で8人で運営する。8人構成の場合、レフリー[注 17]、センタージャッジ、アンパイア[注 18]、ヘッド・ラインジャッジ[注 19]、ライン・ジャッジ[注 20]、バック・ジャッジ[注 21]、フィールド・ジャッジ[注 22] および、サイド・ジャッジ[注 23]で対応する。

レフリーが審判団を代表するが、他の審判も判定の権限は平等に持っている。判定で違いなどがあれば、協議した上で決定する。
試合前コイントスの様子

試合前には、試合開始予定3分前にセレモニーを開催する。セレモニーでは、レフリーとアンパイアが立ち会いのもと、両チームのキャプテンと審判がフィールド中央に集合する。他の選手はチームエリアで待機する。

両チームのキャプテン(1名以上4名以内)がフィールド中央に集合し、審判から試合上の諸注意を受けた後に、コイントスを行う。ボウルゲームや交流戦などでは、両チームの記念品(ペナントなど)の交換が行われることもある。
コイントス

コイントスは、試合開始時にボールと、陣地の所有権を決める。以下の手順で行う。

通常、コイントスの勝者は、先に攻撃権を得るため、前半のレシーブを選択する。ただし、守備に自信があったり、後半からの巻き返しを想定したりした場合、後半を選択する。
ビジター側のキャプテンが、審判が持つ
コインの裏表を選択する。

審判がコインが回転しながら落下するように投げる(ボウルゲームなどでは、特別のゲストにコインを投げる役割を与えることもある)。

結果が当たった(コイントスの勝者)チームは、前半もしくは後半のいずれかのハーフを選択する。
コイントスの敗者は、勝者が選択しなかったハーフを選択する。

コイントス勝者が、後半を選択(前半を辞退)した場合、審判はその旨をコールする。


各ハーフを選択したチームは、そのハーフが始まる前に以下のいずれかを選択し、対戦チームは残りの選択をする。通常は、レシーブを選択し、対戦チームは、陣地を指定する。
レシーブまたはキック

陣地

コイントスの手続きが完了すると、各チームのキャプテンが守るべきゴールライン側に並ぶように回転し、審判はどちらのチームが前半のレシーブであるかを試合会場に通告するのが通例である。前半のキックのチームによるフリーキック(キックオフ)により試合が開始する。
ダウン

アメリカンフットボールでは、プレーをダウンと呼ばれる概念で区切る。

ダウンには、スナップで始まるスクリメージ・ダウン、フリーキックで始まるフリーキック・ダウン、フェアキャッチ・キックで始まるフェアキャッチ・キック・ダウン(NCAAルールではフェアキャッチ・キックはない)[28]に分けられる。

ダウンは、審判がプレーの開始(レディ・フォー・プレイ)を宣告してから終了(ボールデッド)を宣告するまでの単位であり、ダウンが終わったら、仕切り直して次のプレーを開始する。これがアメリカンフットボールを見慣れない人にとって、「アメリカンフットボールは良く止まる」としばしば違和感を覚えるところである。
フリーキックキックオフの様子

フリーキック(キックオフ)とは、前後半・延長戦の開始時、及び得点後の試合再開のために行われる特殊なプレーである。キックオフは、フリーキックの1種で、前後半・延長戦開始、またはトライ、フィールドゴールの後のフリーキックを言う。セイフティという得点の後のフリーキックは、キックオフではない。ただし、セイフティというプレー結果自体がまれなため、多くの場合、キックオフとフリーキックが同じとみても良い。従来、キックオフでは両チームの選手が長い距離を助走して衝突し合うために負傷が多かった。そのために、2024年シーズン以降のNFLのように、両チームの選手の距離を狭めた数々のルール改正が行われている[29]
キックするチーム

前後半・延長戦を開始するフリーキックは、コイントスの結果に基づく。

トライ後のフリーキックは、タッチダウンした側が行う。

フィールドゴール後のフリーキックは、フィールドゴールをした側が行う。

セイフティ後のフリーキックは、セイフティを献上したチーム(失点したチーム)が行う。

キックする位置

キックオフでは、キック側のチーム(キッキングチーム)陣35ヤード(UFLでは20ヤード)、セイフティ後のフリーキックではキッキングチーム陣20ヤードで行う。
キック時のフォーメーション
NFLのキックオフ

NFLでは、キックングチームのうちキッカー以外の全選手はレシービングチーム側の40ヤードラインに並ぶ。レシービングチームのうち、7人以上は自陣35ヤードラインから30ヤードラインの間のセットアップゾーンに並ばなくてはならない。ゴールラインから20ヤードの間のランディングゾーンには2人以下のリターナーがいることができる。
UFLのキックオフ

UFLでは、8人以上9人以下のレシーブ側の選手がキッキングチーム側のサイドで30ヤードから40ヤードラインの間に並ばなくてはならない。キックされると両チームの選手がボール方向へと走り出す。
NFL、UFL以外のキックオフ、およびセイフティ後のフリーキック

ボールが蹴られるまで、キック側の選手はボールの後方にいなければならない。

また、キッカーおよびホルダーを除いて、キック側選手の全員がボールの位置から5ヤード後方のラインの間に片足がおかれなければならない(NFLでは1ヤード)。[注 24]NFLではさらに左右の選手数に制限がある。

レシーブ側の選手はボールの位置から10ヤード自陣側に離れたラインより、自軍側にいなくてはならない。
キックの方法

フリーキックは、通常、ボールを地面(またはキッキングティー)において蹴るプレースキックを行う。

ルール上、地面に落としてはずんだ直後に蹴るドロップキックで行うこともできる。ただし、安定して蹴れないドロップキックを用いることは稀なため、ボールを置いて蹴るプレースキックが一般的である。

セイフティ後のフリーキックの場合は、さらにパントも認められている。ただし、日本では練習量の問題からプレースキックで行うことが多い。NFLではキッキングティーの使用が認められないこともあり、パントを採用する[要出典]。

風が強い場合などはボールが倒れやすいため、キック側のチームの選手がホルダーとしてボールを支えても構わない。また、審判がキックチームに指示する場合がある。キッキングティーは、プレーの終了後、キック側のチームが回収(NFLでは専門の係員、スタジアムが用意した動物などが回収)する。
フリーキック・プレーの開始と終了

ボールを敵陣に向けて蹴ることにより、フリーキックのプレーが開始する。その後、レシーブ側の選手が捕球(レシーブ)し、キック陣に向けボールを持って走る(キックオフ・リターン)。キックチームのタックルで止まったり、サイドラインを割ったりすれば、フリーキックのプレーが終了する。

NFLのキックオフでは、キックされたボールが地面に落ちるまで、あるいはランディングゾーンにいる選手に触れるまで、あるいはエンドゾーンに入るまで、キッカーは50ヤードラインを越えられず、キッキングチームのキッカー以外の選手は動くことができない。キックされたボールが地面に落ちるまで、あるいはランディングゾーンおよびエンドゾーンにいる選手に触れるまで、レシービングチームのリターナー以外の選手は動くことができない。2人以下のリターナーはいつでも動くことができる。ランディングゾーンに落下したボールはリターンされなくてはならない。ランディングゾーンに落下した後エンドゾーンに入ったボールがダウンされた場合、20ヤードからのファーストダウンとなる。エンドゾーンに落下してダウンされた場合、ボールがエンドゾーンの後ろに出た場合は30ヤードからのファーストダウンとなる。ランディングゾーンに届かなかった場合、サイドラインを割った場合はともに40ヤードからのファーストダウンとなる。

UFLのキックオフでは、サイドラインを割った場合は50ヤードからの攻撃となる。

リターンにより相手のエンドゾーンに到達すれば、タッチダウンが成立する(キックオフ・リターン・タッチダウン、フリーキック・リターン・タッチダウン)。

タッチダウンに至らなかった場合、ボールを確保したチームに攻撃権が与えられ、スクリメージ・ダウンに移行する。
オンサイドキック

フリーキックのボールは、原則、キックしたチームの相手チーム(レシーブチーム)に確保する権利がある。
ただし、キックした位置から10ヤードを超えて転がるか、レシーブチームの選手が触れたりすると どちらのチームも確保することができ(フリーボール)、確保したチームが攻撃権を得ることができる。

蹴ってから地面につく前、または、1回だけついてバウンドしている間(いわゆるノーバウンドまたはワンバウンドの)ボールは、レシーブチームの選手に優先して確保する権利があり、キックチームが、その邪魔をすると反則である。

キックされたボールが、ゴールラインより手前で、他の選手に触れられることなくアウト・オブ・バウンズとなった場合は、キック側の反則となる。(反則の項で詳述)

キック側が攻撃権の確保を狙って、わざと短く蹴るプレーをオンサイドキックと言う。オンサイドキックを行う場合、キッカーはボールを弾ませるようにサイドライン方向に目掛けて蹴る場合が多い。これは、不規則なバウンドによりレシーブ側が取り難くなることと、キック側がボールに到達する時間を稼ぐねらいがある。

ただし、オンサイドキックの意図はレシーブ側も察知しやすいうえ、ボールがキック側の意図する動きをするとは限らないので、成功率はかなり低い。さらに、オンサイドキックのボールをレシーブ側が確保した場合は、キック側は通常のフリーキックよりも不利な地点から守備を行わなければならないことが多い。これらのことから、オンサイドキックは非常にリスクの高いプレーであるが、キック側が負けていて、残り時間が少ないが、逆転を狙う必要がある場合などに行われる。

NFLでは、4thクォーターで、負けているチームが宣言のもとでのみ行うことができる[29]

UFLでは、オンサイドキックに加えて、4thクォーターで負けているチームが自陣28ヤードからの4thダウン12ヤードからの攻撃を選択することもできる。
スクリメージ・ダウンスクリメージライン

スクリメージ・ダウンとは、フリーキック、フェアキャッチ・キック以外のすべてのダウンであり、アメリカンフットボールのほとんどのダウンはスクリメージ・ダウンである。

スクリメージ・ダウンでは、開始前に審判によってボールをサイドラインに平行に置かれ、審判により開始が宣告される。攻撃側のスナップ(地面に置かれたボールを後方の味方選手に渡すこと)により開始する。


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