アマルフィ_女神の報酬
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ANDREA GHERPELLI - イスマイル(ベルボーイ)

スタッフ

監督:
西谷弘

脚本:なし(「脚本」クレジット不表示公開を参照)

原作:真保裕一アマルフィ』(扶桑社刊)

主題歌:サラ・ブライトマンTime To Say Goodbye」(EMIミュージック・ジャパン

制作統括:豊田皓

製作:堀口壽一、島谷能成、高田佳夫、尾越浩文、杉田成道、永田芳男

エグゼクティブプロデューサー:亀山千広

企画・プロデュース:大多亮

プロデューサー:臼井裕詞、和田倉和利

ラインプロデューサー:森賢正、森徹

音楽:菅野祐悟

撮影:山本英夫

照明:小野晃

監督補:池上純哉

配給:東宝

製作委員会フジテレビジョン、東宝、電通ポニーキャニオン日本映画衛星放送、アイ・エヌ・ピー、FNS27社

制作プロダクション:シネバザール

協賛:NTTドコモ

「脚本」クレジット不表示公開

本作には脚本家のクレジットが存在しない。そのため、「脚本家軽視の疑いがあり、これは前代未聞の異常事態」として
日本シナリオ作家協会から制作者側は抗議を受けた[8][9][10]。シナリオは小説版作者の真保裕一と監督の西谷弘が担当したが、「一人で書き上げたわけではない」と真保が辞退し、最終的に仕上げたはずの西谷まで表示を辞退したため、クレジットがなくなったという。

製作報告会見で真保は、自分はアマルフィへ取材には行っておらず、スタッフがロケハンをしてきた資料をもとに話の整合性を整えていく役割だったと明かした。

『月刊シナリオ』2009年11月号の誌上でこの問題の事情について、フジテレビの臼井裕詞プロデューサーが真保の意見を説明している。それによると、真保は「小説家仲間にこれが自分の脚本だとは思われたくない」と話し、辞退したという。

小説版のあとがきで真保は「最初のアイデアが気に入っていたので小説ではそちらを採用した」と記している。犯人グループが映画と違い、小説版にはアマルフィの由来と、チェチェン紛争に絡むマスコミが報道しない実在の社会問題という犯行動機が盛り込まれたストーリーとなっている。

撮影エピソード

主題となるアマルフィの撮影は、
アマルフィ海岸に点在する複数の町で行なわれている。アマルフィでは街並みの風景や矢上紗江子が街中を歩くシーンが撮影され、織田と天海が演技をする海岸のシーンはポジターノ、紗江子がイタリア人に拉致されそうになる教会前のシーンはラベッロ、ホテルやその玄関及び駐車場のシーンは、アマルフィのHOTEL SANTA CATERINA Amalfiで撮影された。なお、予告編の中盤で「アマルフィに隠された秘密とは」とのテロップに重なる町並みはボジターノである。

黒田と紗江子がアマルフィへ向かう海岸のシーンの空撮で、実際に車を運転をしているのは織田本人である。

初期の告知では舞台としてナポリの名前が入っていたが、本編では登場していない。

冒頭のイタリア人が言う日本語の「おやすみなさい」という言葉は、監督がその言い方が気に入らなかったため11回撮りなおした。また、中盤の「おかえりなさい」も7回撮りなおした。ただNGの理由は説明されないため、主演の織田は「俺が悪いのかと思った」と『トリビアの泉 ?素晴らしきムダ知識?』の『アマルフィ』番宣番組で語った。

終盤で安達(戸田恵梨香)がイタリア語を一生懸命覚えて、1分間イタリア語で喋るというシーンが撮られたが、全てカットされた。戸田はなぜカットしたのか、公開前日に放送された『公開記念特番 キャストが語るアマルフィ』の中で監督に問いただしたが、監督は「より良い映画作りのため」とあいまいな答えにとどめた。

FTBのインタビューで織田裕二は、監督の演出について「何も言わずにすぐNG。芝居としてOKなんですけど」と現場での苦労を語った。

主人公の名前について、亀山プロデューサーは製作報告会見で、織田裕二のもう一つのキャラクターを作るために「青い織田から黒い織田へ」ということで『踊る大捜査線』の主人公・青島俊作に対して黒田康作という名前になったと語った。

劇中で頻繁にドコモの携帯電話での会話や写真付きメールなどが登場する。これはNTTドコモが協賛しているため。

宣伝用の第1弾ポスター及びチラシの主要キャストの4人が並ぶ写真は、ポスター作成段階では佐藤浩市はまだ撮影に入っておらず、本作での写真がないため映画『ザ・マジックアワー』の一場面の写真が用いられている。また宣伝に使用される映画の場面スチールでも、シーンの切り抜きではなく、出演者とローマの観光地の風景が合成された画像が使用されている。

備考

大多プロデューサー、亀山プロデューサー共に、記者会見や文化通信のインタビューで、長期の海外ロケや有名な観光地を借りての撮影、スタッフ、関係者のロケ観光地での滞在費などがかさみ予算オーバーしたことを打ち明けた。

メイキングのロケ現場の映像では、スタッフ以外の一部関係者がモザイクで加工され隠されている
[11]

企画とプロデュースを務め、実質映画の責任者だった大多亮は、映画公開直前の2009年6月26日になってドラマ制作センターから異動になった。

本編中に突然映像が真っ暗になる箇所があり、苦情に対応するため、一部劇場では「途中で映像が途切れる部分がありますが、演出によるものです」といった注意書きが掲示された。DVDでも修正はされていない。

約2時間の本編はローマを中心に物語が進行し、題名の観光地アマルフィが登場するのは20分程である。

アマルフィの全景を見られる空撮シーンはピンボケしているカットが使用されている。これは黒田が運転して走る車にピントを合わせていたためである。また、車が隠れた岬部分ではどこにもピントが合っていない。 また人を消すためにCG処理をしているが、人の影だけが残っている。

スペイン階段で、黒田が不注意にも落ちているジェラートを踏んづけて靴も拭かずに駆け上がるシーンがあるが、このジェラートは、ロケ時点ではまだスペイン広場での飲食禁止が施行されていなかったためである。作中の設定時間では既に飲食禁止となっている。

フジテレビと日本大使館などが主催の日本文化紹介イベント「ジャパンイタリー」の一部として、宣伝の一環でローマのティベリーナ映画祭で特別に上映された[12]。ただ一般公開はされていない。

フジテレビ系列局では、映画公開まで連日大量の番宣やCM、織田裕二作品の再放送を流し、局制作の映画としてはありがちな公共の電波ただ乗りの宣伝方法に批判が起きたが[13]、フジの番組がどこも宣伝色に染まった公開初日、『めちゃ×2イケてるッ!』だけはアマルフィの宣伝絡みの内容はせず、裏番組だったTBSのドラマ『MR.BRAIN』のパロディをやっていた。また公開中もフジテレビが放映するスポーツ中継『バレーボール・ワールドグランプリ』の番宣でも「外交官黒田も女子バレーを応援しています」などと無関係な映画を絡めた内容の告知を入れていた。

週刊朝日』『文藝春秋』『週刊文春』『週刊新潮』『ぴあ』『SCREEN』『キネマ旬報』などの雑誌で酷評され、多くの映画評論家から厳しい評価をつけられた。

TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』のシネマハスラー2009年全映画ランキングでは、対象53作品中ワースト5位[14]。宇多丸は「有名映画のシーンをつなぎ合わせて足しただけの広告代理店的発想で面白くなるわけがない」と一蹴した。

織田は自身のファンクラブイベントで、ファンに対し、携帯のプロモーション動画を見た人がいるか尋ねたが、実際に見たファンが少なかったため、がっかりしていた。

受賞

2009年の最低映画を決める第3回
HIHOはくさい映画賞では、『アマルフィ』が最多の3部門で選ばれた。

最低主演男優賞(織田裕二)

最低脚本賞(脚本クレジットがないため受賞者なし)

最低映画としての特別功労賞(亀山千広)


アマルフィ ビギンズ

NTTドコモが展開するドコモ動画で、フジテレビがプロモーションの一環として制作し、映画公開中に無料配信された動画。2009年6月5日より毎週金曜日に1話約9分の全5話が配信された。DVD、ブルーレイ版の「ビギンズ・セット」にも収録されている。
ストーリー

黒田外交官がローマに着任する24時間前のマカオで、黒田とカジノ王が、日中政治交渉をカジノ対決で決着をつけるというストーリー。
キャスト(ビギンズ)


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