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APIは関数、プロシージャ、変数やデータ構造といったライブラリによって実装されることが多いが、狭義のAPIではライブラリとAPIは同一ではない。ライブラリ形式ではなくプロトコル形式で提供される場合もあるという理由もあるが、ライブラリ形式である場合も同一視せず区別する必要があるという理由がある。
例えばAPIが関数であればサービスにより提供される関数はAPI関数と呼ぶが、API関数を利用して構築された関数はAPIではないためライブラリ関数と呼ぶ。ライブラリ関数は直接サービスと関係ないか、APIを使って構築されておりサービスを利用する上で必須ではない。逆にAPI関数の存在はサービスを利用する上で必須である。例えばC言語の標準ライブラリ関数であるfwriteは、Windows上ではAPI関数である WriteFile
を使って実装されている。WriteFileはOSの機能に直接アクセスできることからfwriteよりも高機能であり、別OSへの移植性を考えなければfwriteの代わりにWriteFileを直接利用してアプリケーションを記述することもできる。同様に、Linuxでは writeシステムコールを利用して実装されている。APIはサービスを利用するうえで必須になるが、APIを直接使用することは外部サービスに対する依存性を高め移植性を妨げる。例えば前述のWriteFileを使うプログラムは基本的にWindows用にしかコンパイルできないが、fwriteを使うプログラムはフリースタンディング環境以外ならどの環境でもコンパイルできる。このため移植性を考えるのであればAPIの直接使用は避け、APIを抽象化したライブラリを使用することが望ましい。さらに、後述するように移植性を意識する言語ではライブラリとAPIを厳密に区別している場合が多い。特に後述のSmalltalkはクロスプラットフォームが一つの長所となっているためAPIの直接使用を避けることは重要となる。
C++の規格書では、API関数とライブラリ関数は一貫して区別されており、API関数は標準のライブラリ関数から呼び出されるもの、あるいは標準ライブラリの関数が同等の機能を模倣する対象として書かれている[15]。またCの規格書においてはAPIという言葉は無く、相当する関数がライブラリ関数以外の関数として書かれている[16]。1980年代から存在するSmalltalkでもAPIとライブラリは区別されており、例えばSmalltalk環境の一種であるPharoはAPIと対応しているパッケージをライブラリとは別にAPIとして区分している ⇒[1]。
なお、標準ライブラリはOSやファームウェアなどアプリケーション以外からも使われる。 APIはソフトウェアライブラリと対応しているのが一般的である。APIは「期待される挙動」を規定し説明するが、ライブラリはその規則群の「実際の実装」である。1つのAPIが複数の実装を持つこともあるし、実装のない抽象的APIもありうる。 広義のAPIはソフトウェアフレームワークと対応する場合もある。フレームワークはいくつかのライブラリを備え、いくつかのAPIを実装することもあるが、通常のAPIとは使い方が異なり、「フレームワークに組み込まれた」挙動への「アクセス」としてフレームワーク自身に新たなクラスをプラグインすることでその内容を拡張するという手段をとる。さらに言えば、呼び出し側はプログラムの動作を制御できず、制御の反転や他の類似の機構によってフレームワーク側が流れを制御する[17]。
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ライブラリとフレームワーク