アフリカ
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

また、農村疲弊による人口の都市部集中に伴ったスラム化も進展し、モザンビークやタンザニアなどでは人口の90%に相当するまで膨れ上がり、治安悪化などの問題が生じている[47]。「アフリカ連合」および「アフリカの政党」を参照「アフリカの政治制度 (書籍)(英語版)」も参照
経済

アフリカの名目GDP順位 (2022年)
順位国単位:100万ドル
1
ナイジェリア510,588
エジプト435,621
3 南アフリカ共和国426,166
4 アルジェリア193,601
5 モロッコ133,062
ケニア123,827
7 エチオピア105,325
8 タンザニア77,506
9 アンゴラ74,495
10 ガーナ73,894
11 コートジボワール73,047
12 コンゴ民主共和国64,795
13 リビア48,773
14 ウガンダ46,377
15 カメルーン45,713
16 チュニジア45,642
17 ジンバブエ36,387
18 スーダン31,460
19 セネガル28,435
20 ザンビア26,665
21 ガボン22,456
22 ギニア20,952
出典:IMF[51]
南アフリカ最大の都市ヨハネスブルグ。アフリカ最大の金融センターである[52]ベナン、2008年。農業はアフリカの主要な産業だが、決して経済性は高くない。詳細は「アフリカの経済(英語版)」を参照

IMFによると、2009年のアフリカ52ヶ国の合計のGDPは1兆1848億ドル(約100兆円)であり、全世界の約2%のシェアとなっている。アフリカの1国平均のGDPは227億ドル(約2兆円)であり、鳥取県(平成18-19年度[53])とほぼ同じ経済規模である[51]。アフリカ最大の経済大国は南アフリカである。アフリカ唯一のG20参加国であり、2010年には史上初めてアフリカ大陸でサッカーのワールドカップを開催している。またアフリカ第2の経済大国はエジプトであり、北部アフリカにおいて影響力の強い国の一つになっている。

豊富な天然資源を持ちながら、アフリカは世界で最も貧しい発展途上の状態にある。これは、エイズマラリアなど深刻な感染症の蔓延、高い腐敗認識指数で指摘される政治によって引き起こされる人権の抑圧や経済政策の失策、また国民の低水準なリテラシーや不得手な外交、さらにゲリラから大量殺戮まで含まれる部族間や軍隊による戦闘など、さまざまな要因の結果である[54]。国際連合の2003年度人間開発報告書によると、開発の度合いを示す尺度において調査対象の最低ランク25か国(151位から175位まで)を全てアフリカの国々が占めた[55]

貧困、文盲、栄養失調、不充分な給水体制や衛生管理、病気の蔓延などの悪影響をアフリカに住む多くの人々が受けている。2008年、世界銀行は国際的な貧困率の定義を1日当たり所得1USドル未満から1.25USドル未満に引き上げた[56]。サブサハラ諸国では、人口の80.5%が1日当たり2.5USドル未満(PPP)で暮らしている[57]

この統計は、サブサハラが1日1.25USドルという貧困の基準を脱することが世界中で非常に難しい地域であることを示す。1981年のデータではこの地域に住む50%(2億人に相当)の人々が貧困層に相当していたが、1996年には58%まで上昇し、2005年には率は50%となったが人口の絶対数は3.8億人に増加している。貧困層平均所得は1日0.7USドルに過ぎず、2003年の数値は1973年よりも悪化している[58]

この原因を、外国企業と外国政府主導による経済自由化政策の失敗に求めることもあるが、このような外的要因よりも国内政治の失策が大きいという指摘もある[59][60]

1995年から10年間にアフリカは経済成長を続け、2005年の平均成長率は5%に達した。さらに、埋蔵石油を持ち輸出に振り分けるため掘削に着手したアンゴラ・スーダン・赤道ギニアなど数カ国はさらなる成長が見込まれる。さらにアフリカには世界中のコバルト90%、白金90%と金の50%、クロム98%、タンタライト(英語版)70%[61]マンガン64%、ウラン33%[62]が存在すると考えられている。コンゴ民主共和国には、携帯電話の製造に欠かせないコルタンが世界の70%に相当する量に上り、ダイヤモンドも世界の30%以上が同国に存在する[63]ギニアは世界最大のボーキサイト供給国である[64]。このようにアフリカの経済成長はほとんどが資源提供を背景としたもので、工業や農業の発展ではなく、雇用創出や貧困からの脱却に寄与していない。実際に、2008年にリーマンショックを原因として起こった食糧危機では、1億人が飢餓状態に陥った[65]

特に中華人民共和国はかねてからアフリカ諸国へのスタジアム外交(英語版)や大統領府[66]などの箱物タンザン鉄道の建設に象徴される強い結びつきを構築してアフリカ連合本部も建設しており、2009年に中国はアフリカ最大の貿易相手国になった[67]

鉱業を除けばアフリカの主要産業は農業であり、他国と産業構造が著しく異なる南アフリカを除くとその就業人口比は66.1%、輸出比は15.4%(2000年)である。しかしこれらはカカオなど特定地域の特定産物を除けば農業生産性が高いアメリカ合衆国等農業先進国との競争には弱く、大半の農産物はアフリカ内部で消費される。しかしながら、1961年から2000年にかけて人口が3倍になったのに対し、穀物は1.35倍程度しか伸長していない。土地の生産性もアジアや南アメリカが大きく伸ばしているのに対し4割以下まで落ち込んでいる。このような状況に陥った要因は、アフリカでは人口増加に対応する農業生産を高める手段をもっぱら耕地面積の拡大に依存した点がある。しかしこれは痩せた土地の利用や少ない水資源の制約等がからみ、充分な効果をあげることができなかったことを物語る[48]。2010年にハーバード大学は、政治さえ安定していればアフリカは食糧自給が可能との研究結果を発表した[68]。低い農業生産性は、従事者の貧困を招く原因のひとつであり、農業改革を行う技術や人材の育成が望まれる[48]

アフリカの農地は、その65%が土壌浸食の被害を受けている[69]。また、国際連合環境計画 (UNEP) によると、アフリカの森林破壊は世界平均の2倍の速度で進行している[70]。報告の中には、西アフリカの約9割が既に破壊されたというものもある[71]。これはマダガスカルでも同様で、人類が進出してからの2000年で90%以上の原生林が失われた[72]。干ばつや灌漑などによる環境への影響もあり、チャド湖は40年前と比較して面積が1/10まで減少した[47]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:197 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef