第6回アフリカ開発会議 (TICAD VI) は2016年8月27日から翌28日にかけてケニアのナイロビで開かれた。これは初のアフリカ開催であり[10]、開催間隔も5年毎から3年毎に短縮された[11]。会議にはアフリカの53か国のほか、関係する政府・地域機関、民間セクターなど約11,000名以上が参加した[10]。安倍首相は共同議長として参加した[10]。
会議の締めくくりに採択されたナイロビ宣言では、将来の世界経済におけるアフリカの重要性を確認したうえで、以下の3点が述べられた[12]。
経済の多角化。アフリカ諸国の多くは地下資源輸出に依存した経済体質になっているため、昨今の原油をはじめとする地下資源の価格下落が財政悪化を招いており、今後は農業、製造業、観光業など多角的な産業育成を進め、それにより経済の安定化を図る。
医療・保健体制の強化。エボラ出血熱の流行が経済活動を麻痺させたことを教訓とし、感染予防体制の構築を図る。また母子保健や予防接種などの医療サービスをひろく提供できるよう、世界保健機関や世界銀行と連携して資金調達する。
テロ対策。いかなる形であれテロは非難されるものであり、国境管理などテロ対策に向けた各国の連携を強化する。また教育・職業訓練・雇用創出などによって社会を安定化させ、テロを生み出す土壌を無くしてゆく。
また既に経済・外交の両面でアフリカと密接な関係を構築している中国を念頭に[11]、雇用創出につながる「質の高いインフラ」への投資(3年間で総額約3兆円)を推進するとし[13]、同じく中国の海洋進出を念頭に、「国際法の原則に基づくルールを基礎とした海洋秩序を維持することの重要性を強調する」とした[12]。また日本の常任理事国入りを見据え、国連の安保理改革についても言及した[12]。
安倍首相は記者会見で、「(日本は)今回の合意内容を確実に実行し、官民を挙げてアフリカの発展を支援していく」と強調した[12]。一方、中国外務省はこの会議について、「日本はアフリカ各国に自らの考えを強要し、私利を追求して、中国とアフリカの間にもめごとを起こさせようとした」と批判した[14]。
会議と並行して日本企業84社が展示会に出展し、22の企業・団体がエネルギー、人材育成、疾病対策などの分野でアフリカ側と73件の覚書 (MOU) を締結した[15] アフリカ開発会議閣僚会合は、2018年10月6日?10月7日、東京都港区で開催された。 外務大臣の河野太郎が開会式、閉会式などで議長を務め、議長声明を発表した。 河野外相は記者会見で、同年9月に日中両政府が一帯一路に基づいて第三国でのインフラ協力を行う官民合同委員会を設置したことを念頭に「アフリカで質の高い国際標準に合致するプロジェクトがあれば日本と中国が協力してやる可能性は大いにある」と述べた[16]。 この会合では、日本が独立を承認していない、サハラ・アラブ民主共和国(西サハラ、ポリサリオ戦線)が参加を要求したことが問題になった。日本は、加盟国として認めているアフリカ連合と、西サハラの領有権を主張するモロッコの双方に配慮するために、会場には個別の国旗・国名を用意せず、すべて「アフリカ連合代表団」として扱う便法を取った。
2018年TICAD閣僚会合