アフリカ開発会議
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「横浜宣言2013」では「アフリカ大陸を世界成長の原動力に変容させる」ことを目標として掲げ[7]、アフリカに対する支援の原則として、被支援国の意思を尊重する「オーナーシップ」と国際社会の「パートナーシップ」を強調し[6]、既にアフリカ支援で先行しているが現地の産業育成につながっていないとの批判もある中国との差別化を図った[6]。具体的には、現地の日本企業で働く人材3万人を育成するなど[6]、インフラ整備や農業開発などの支援による民間セクター主導の経済成長を促し、貧困の解消と幅広い中間層の創出を目指すとした[7]

「援助から投資へ」を目指すこの会議で[8]安倍晋三は、21世紀半ばにかけて世界の経済成長の中心になるであろうアフリカへの投資の重要性を訴え[6]、この後5年間で3兆2千億円の資金(うち ODA が1兆4千億円)を官民共同でアフリカに出資すると表明した[6]。またインフラ整備に6500億円の円借款を供与するとした[6]。また安倍は、アフリカの成長にはまずテロ対策などによる治安安定が必要だとした上で、同年1月に起きたアルジェリア人質事件を踏まえ[7]、日本としては南スーダンでの PKO 活動ソマリア沖での海賊対策に取り組むと述べた[9]
TICAD VI

第6回アフリカ開発会議 (TICAD VI) は2016年8月27日から翌28日にかけてケニアナイロビで開かれた。これは初のアフリカ開催であり[10]、開催間隔も5年毎から3年毎に短縮された[11]。会議にはアフリカの53か国のほか、関係する政府・地域機関、民間セクターなど約11,000名以上が参加した[10]安倍首相は共同議長として参加した[10]

会議の締めくくりに採択されたナイロビ宣言では、将来の世界経済におけるアフリカの重要性を確認したうえで、以下の3点が述べられた[12]
経済の多角化。アフリカ諸国の多くは地下資源輸出に依存した経済体質になっているため、昨今の原油をはじめとする地下資源の価格下落が財政悪化を招いており、今後は農業製造業観光業など多角的な産業育成を進め、それにより経済の安定化を図る。

医療・保健体制の強化。エボラ出血熱の流行が経済活動を麻痺させたことを教訓とし、感染予防体制の構築を図る。また母子保健や予防接種などの医療サービスをひろく提供できるよう、世界保健機関世界銀行と連携して資金調達する。

テロ対策。いかなる形であれテロは非難されるものであり、国境管理などテロ対策に向けた各国の連携を強化する。また教育職業訓練・雇用創出などによって社会を安定化させ、テロを生み出す土壌を無くしてゆく。

また既に経済・外交の両面でアフリカと密接な関係を構築している中国を念頭に[11]、雇用創出につながる「質の高いインフラ」への投資(3年間で総額約3兆円)を推進するとし[13]、同じく中国の海洋進出を念頭に、「国際法の原則に基づくルールを基礎とした海洋秩序を維持することの重要性を強調する」とした[12]。また日本の常任理事国入りを見据え、国連安保理改革についても言及した[12]

安倍首相は記者会見で、「(日本は)今回の合意内容を確実に実行し、官民を挙げてアフリカの発展を支援していく」と強調した[12]。一方、中国外務省はこの会議について、「日本はアフリカ各国に自らの考えを強要し、私利を追求して、中国とアフリカの間にもめごとを起こさせようとした」と批判した[14]

会議と並行して日本企業84社が展示会に出展し、22の企業・団体がエネルギー、人材育成、疾病対策などの分野でアフリカ側と73件の覚書 (MOU) を締結した[15]
2018年TICAD閣僚会合

アフリカ開発会議閣僚会合は、2018年10月6日?10月7日、東京都港区で開催された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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