アフリカ系アメリカ人
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北米4大プロスポーツリーグNBANFLでは存在感が際立っている(NBA選手の約85%、NFL選手の約70%を占める)[21]。中でもバスケットボールに関しては、ヒップホップなどと並んで黒人文化の一端を担っている。「バスケットボールの神様」と呼ばれたマイケル・ジョーダンの登場後、ますます密接に結びついていった。バスケットボールは全ポジションにおいてアフリカ系選手の比率が高いが、アメリカンフットボールの場合はポジションによって比率が大きく異なってくる。NFLNCAAカレッジフットボールのような高いレベルにおいては、アフリカ系選手が優れているとされる脚力や瞬発力が要求されるポジション(RBWRCBなど)は、そのほとんどがアフリカ系選手で占められている。中でもRBはアフリカ系選手にとって花形ポジションであり、ラダニアン・トムリンソンのようなスター選手は、アフリカ系コミュニティの間で憧れの存在となっている。一方、QBキッカーパンターなどのポジションにおいてはアフリカ系選手の比率は比較的少ない。しかし、近年はマイケル・ヴィックヴィンス・ヤングに代表されるように、RB並みの脚力を武器にパスプレーよりもランプレーを持ち味として活躍するアフリカ系QB(モバイルQB)が増えつつある。

最古参であるMLBは、ジャッキー・ロビンソンの登場までアフリカ系選手を締め出していた。20世紀中頃までは、アフリカ系選手のみで構成されるニグロリーグが隆盛を誇り、黎明期は人種差別に苦しみながらも結果を残し続け、やがてMLBに不可欠となっていく。フランク・ロビンソンが初のアフリカ系監督になったものの、近年はアフリカ系アメリカ人の減少が目立っている。1995年頃から減少し続け、2006年には8.4%まで下がった。2009年には久々に増加に転じて10.2%となったものの[22]、危機感を抱いたMLBはアフリカ系選手の開拓に乗り出している[23]。また、カーティス・グランダーソン[24]トリー・ハンター[25]リッキー・ウィークスビル・ホール[26] らのように、多くの現役選手がアフリカ系コミュニティへの普及活動を積極的に行っている。アフリカ系アメリカ人の野球選手は、ケン・グリフィー・ジュニアバリー・ボンズに代表される走攻守揃った5ツールプレイヤーや、リッキー・ヘンダーソンケニー・ロフトンのような盗塁数を積み重ねる俊足選手が多い。ポジション別では外野手がずば抜けて多く、とりわけ中堅手が大半を占める。

同じく一角であるアイスホッケーは、アフリカ系選手の数が極めて少ない。2009年4月の時点では、NHL全体でアフリカ系アメリカ人選手は7人しかいない[† 5]。アイスホッケーだけに限らず、ウインタースポーツには「白人のスポーツ」という偏見が未だに根強く存在し、アフリカ系選手の進出は進んでいない。それでも2006年には、トリノ五輪スピードスケート男子1000mでシャニー・デービスがアフリカ系として初の冬季五輪金メダリストになったりもしている[27]

陸上競技では、特に短距離走の分野でアフリカ系選手の活躍が目ざましい。カール・ルイスを筆頭に、数多くの五輪金メダリストを輩出している。一方、重量挙げにおいてはアフリカ系選手が活躍することは少ない。

ボクシングなどの世界でも、アフリカ系アメリカ人は無くてはならない存在になっている。モハメド・アリを筆頭に輩出している。一方総合格闘技においてはアフリカ系選手の活躍は少なく、特に柔道などの組技系格闘技においてはアフリカ系選手の占める割合は非常に少ない。

水泳においては、ウインタースポーツと同様に偏見によりアフリカ系選手の進出が進んでいないが、2000年シドニー五輪アンソニー・アービンがアフリカ系アメリカ人として初めて米国水泳代表に選ばれ、男子50m自由形で金メダルを獲得した。

競馬においても、かつてはアイザック・マーフィージミー・ウィンクフィールドらに代表されるアフリカ系の騎手の活躍している時代が存在していた。奴隷時代に牧童として使役されていた若年者が、奴隷解放宣言後に騎手として転向した例が多く、10代前半からデビューするのが一般的であった。19世紀末は特に顕著で、1875年の第1回ケンタッキーダービーでは出走馬15頭のうち14頭がアフリカ系騎手を背にしていたほどである。しかし1920年代に入るとアフリカ系騎手はほとんど消え失せ、現在ではほぼ見かけることがない。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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