アフリカ系アメリカ人
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また2010年代においても、前述と類似した事件や騒動が発生しており、近年でもこの差別感情が根強く残り続けている事実を反映している[9][10][11][12]

しかし訴訟大国アメリカでは黒人差別で訴えられる事例があり、例えばアフリカ系の消防士の食事にドッグフードを混入する人種差別的な行為で3億円余の賠償金を支払う判決があったために、黒人差別は社会的にタブー視されている。
他人種との対立

近年は、従来の「白人 対 黒人」という対立だけでなく、アフリカ系アメリカ人と他マイノリティとの対立が表面化することも少なくない。
アジア系アメリカ人との対立

黒人とアジア系アメリカ人の対立は、1992年のロサンゼルス暴動での韓国系アメリカ人との対立に始まり、現在も断続的に発生している。

黒人ボクサーのフロイド・メイウェザー・ジュニアは、フィリピンの国民的英雄マニー・パッキャオに対し人種差別的な挑発をしたとして話題となった[13]。メイウェザーは過去にも、台湾系アメリカ人のNBAスター、ジェレミー・リンへの差別発言で物議を醸している[14]

黒人コメディアンのクリス・ロック第88回アカデミー賞授賞式で、アジア系アメリカ人をステレオタイプに描写した差別的パフォーマンスを行い、各方面から非難を浴びた[15]

2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、中国系を中心とするアジア系アメリカ人へのヘイトクライムの被害が相次いで発生したが[16]、新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけにしたアジア系アメリカ人に対するヘイトクライムは、黒人が加害者となってしまうケースも目立っていた[17]
ヒスパニックとの対立

黒人とヒスパニックの対立も年々深まっており、米調査機関ギャラップによる世論調査では、「黒人とヒスパニックの関係」を「良い」とした回答はわずか60%にとどまった[18]。これは「白人とアジア系の関係」を「良い」とする回答が87%であることを考えると、かなり低い数値であることが分かる。

黒人ボクサーのエイドリアン・ブローナーは、メキシコ人ボクサーのカルロス・モリーナを差別的に侮辱したとして、主催団体のWBCから出場停止処分を受けた[19]

2012年12月20日にはマイケル・ブラウン射殺事件エリック・ガーナー窒息死事件への報復として、ヒスパニックと中国系アメリカ人の警官が黒人男性に襲撃され、そのまま犠牲となった[20]
評価と反応パレード中に車から降りて歩くオバマ大統領と、ファーストレディーのミシェル・オバマ

アフリカ系アメリカ人で有名になった者はアフリカからは尊敬されており、例えばバラク・オバマは父の故郷ケニアでは英雄視され、その夫人のミシェル・オバマは黒人奴隷の子孫である影響で奴隷貿易の拠点のケープ・コースト城の訪問では熱烈に歓迎を受けており、さらにケニアやアメリカで「オバマ」「ミシェル」と子供に命名する親が急増した。

アフリカ系アメリカ人は世界一の経済大国で育った影響に加えて、奴隷制時代の歴史的経緯から白人との混血も少なくないことから白人扱いされる例がある。例えばアパルトヘイトを行っていた南アフリカ共和国では名誉白人と扱われていた事があった。また白人社会で育った影響でアフリカ本土の黒人とは摩擦が起きており、黒人奴隷のために建国したリベリアに移住した者、つまりアメリコ・ライベリアンは1847年の独立から1980年までリベリアの政治・経済を支配し原住民を見下した事でリベリア国内の対立の火種となった。

一方アメリカを敵視する反米思想の持ち主からは『白人に媚びる黒人』『裏切り者』として軽蔑の対象とされている。例えば反白人感情をあおったロバート・ムガベは自国を批判したライスを「白人の奴隷」「アンクル・トムの娘」と揶揄し、反ブッシュ的なハリー・ベラフォンテはブッシュ政権の黒人閣僚を「白人に媚る奴隷」と揶揄し、反米組織のアルカーイダのナンバー2であるアイマン・ザワーヒリーはオバマとライスとパウエルを「ハウス・ニグロ」と呼んだ。
他国のアフリカ系国民との比較バラク・オバマ大統領とミカエル・ジャン総督(カナダ訪問にて)


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