アパート
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建築基準法上はマンションと同じ共同住宅に区分されるもののほか、2階建以上でも長屋住宅に区分されるものがあり、両者は共有通路の有無で異なる(共有通路を経なければ各戸に入れないのが共同住宅)[注釈 2]

やや高級な集合住宅を「コーポラス」、略して「コーポ」と称し差別化することもあるが、近年では使い分けが曖昧になっている[2]

関西地方では、水まわりの独立したアパートのことを文化住宅とも呼称する。

近年では、いわゆる「マンション」について「コンドミニアム」(略称「コンド」)という用語が用いられることも増えている。また、アパートにIoTを搭載した「スマートホーム」も話題になっており、アパートの先進化が進んでいる。
下宿・風呂なしアパート

最近はあまり見かけないが、かつて学生に多く利用された下宿屋という住居の形態がある。原則として管理者である大家との同居であり、個室として貸した部屋に下宿人が住む形式である。一般にトイレ風呂台所などの水まわりは共同で、賄いとして食事の提供が行われることもある。家賃は総じて安価である傾向が強い。

なお下宿営業は、旅館業法に規定される宿泊施設であり、施設を設け、14日以上宿泊すると状況に応じて宿泊料が付加価値を持ってしまう場合もある。人を宿泊させるためには行政等からしっかりした許可がなければならない。(旅館業法第2条第5項)。

初期のアパートは、こうした宿所の各部屋に玄関を設け、独立した住居へと発展させたものと考えられる。1950年代から1960年代に多く建てられた玄関共有、内廊下、風呂なし(銭湯を利用)、共同トイレ、台所、洗濯場という形態である。このような形態は「木賃(もくちん)アパート」と称される(本来は単に「木造賃貸」の略だが、現代では設備が乏しい、あるいは老朽化しているものを指すことが多い[3][4]。安宿を木賃宿と呼んだことからの連想とも[5])。古いものでは郵便箱なども共同で、各々の部屋はあくまでも個人が寝たりくつろぐ場所に過ぎない傾向も見られた。

こうした古いタイプの共同住宅に関しては、漫画では松本零士の大四畳半シリーズ(『男おいどん』など)にも登場する。福谷たかしの『独身アパートどくだみ荘』は、まさにこのアパートが舞台となっている。昭和中期より活躍している漫画家には、当時の漫画はあまり儲からなかったため、下宿やアパート生活経験者も少なくない( → トキワ荘)。昭和末期でありながら漫画「陽あたり良好!」に登場する「ひだまり荘」のような描写もあった。

また、日雇い労働者たちの寄せ場のある地区にはドヤと呼ばれる簡易宿所も多く見られる。そのほとんどは2 - 3畳程度の個室で、かつてのアパートの特徴を備えているところも多い。

2005年に前後して、地方から手ぶらで首都圏に仕事にやってくる人が安価に泊まれるところとして、ふたたびこうした宿が注目を浴びている。ネットカフェ個室ビデオ店の延長として、レストボックスと呼ばれるビルの一室をゲストハウスに改造した施設もある。「あくまでも事務所貸し」として宿泊を認めないところもあるが、朝日新聞が2005年7月11日に報じたところによると、従来よりオフィス街でブルーカラー労働者の通勤範囲外で労働者空白地帯だった所に、ビル清掃・解体工事など一定の労働力確保を必要とする業者が、自社で管理する空きビルのフロアに多段式ベッドを入れるなどして簡易宿泊施設に改装、労働力の獲得に成功している。
アパート人種

この節の加筆が望まれています。

アパートに住居する人は戦前よりアパート人種とも呼ばれていた[6]

1933年時点ではアパート人種の多くは文化的に活躍する知識階級の人で構成されていたと報道され[7]、東京府では1934年末より東京府社会課がアパートの詳細な調査を開始した[8]が、1936年時点の東京府のアパート人種は無職 10,773人、学生 4,440人、会社員 3,667人、女給 842人、官吏 803人、店員 700人、事務員 696人、自動車運転手 444人で構成されていたとされる[8]。あるアパートにおける警察の調査によれば無職の女性はいわゆる第二号夫人であり、その旦那(小父さん)は商人が多かったとされる[9]
英国のアパートメントヨーロッパのアパートメント

ヨーロッパでは地盤が磐石で、また19世紀より産業革命で都市部への人口集中がおこったため、これらの労働者へ住居を貸し出すためにアパートメントが発達し、また当時の建物が改築されてはいる事が多いがそのまま現存・利用されている。

イギリスでは、このアパートメントは通りに沿って建てられた2 - 3階建ての建物が横方向には隣家と接しており、必然的に建て増しは垂直方向にのみ行われた。この結果、木造・モルタル壁などの4、5階建ての集合住宅がロンドン市内には普遍的に見られ、これらは幾度もの所有者の変更により、住宅・商店・宿泊施設(B&B(Bed & Breakfastの略)と呼ばれる安宿など)に利用されている建物もある。

中にはかつての複数戸の横の壁を打ち抜いて連結し、番地的には複数戸から成る一軒の建物や、逆に従来の建物を中で仕切って二軒に分割した物もある。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 朝鮮語にも、和製英語のアパートが元になったアパトゥ(???)という言葉があるが、日本と違い、むしろマンションに近い意味で使われる。ko:???


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