アニメ_(日本のアニメーション作品)
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既に日本製ロボットアニメーションを指す語としてanimeという語が用いられていたが、愛好家たちの隠語か専門用語のようなもので、一般には広まらなかった[28]。1991年、The Society for the Promotion of Japanese Animation(略称SPJA)が発足し、翌1992年から毎年「Anime Expo」が開催されると、OTAKU(おたく)が増加するなど[29]、animeは急速に普及していった[30]。ただし、彼らは対価を払ってから視聴する者よりも無料なファンサブなどの海賊版でアニメを視聴している者の方が多い。
フランスでの普及
日本製アニメーションはanime(アニメ)と呼ばれる。英語から輸出される形で移入される。アニメーション(動画)はdessin anime(デサンナニメ)(動く画) と呼ばれる。
ジャパニメーション(Japanimation)
北米

主に1970-1980年代に使用された日本製アニメーションを指す語。日本で用いられるようになった1990年代には、現地では既にほぼ死語と化しており、日本製アニメーションを指す言葉は「Anime(アニメ)」に取って代わられている。

音節的に Japan-animation から Japanimation の略語であるが、Jap日本人の蔑称)の animation とも読めるため、日本人と文化に対する差別・偏見と、アニメーションへの偏見から、日本製アニメーションを指して「くだらないもの」あるいは「子供の教育上良くないもの」の意味を含めていた可能性もある。

当時、北米に輸出された作品は、文化・習慣・表現規制の違いから大幅に改変され、日本製であることは伏せられて(クレジットも除去)、ストーリーは勧善懲悪、残酷シーンは全部カット、主人公たちはいろんな人種・性別を取り混ぜる、セリフはわかりやすく悪役はダミ声、正義の味方は力強く、放映局ごとに放映本数が違うという米国事情によって一話完結の単純明快ストーリーに改変される、といったようなことが定番だった[31]

長期に渡り連続する複数の作品を1作品として編集し、制作者の意向と掛け離れた独自改変された作品を示すこともあった[31]

2000年代以降の用例としては、一部のアニメーション関連のオンラインショップ[32]で使用される場合もある。
日本

前述の北米での発祥を受け「海外(日本の外)で視聴される、人気を呼び且つ評判になっている日本製のアニメーション」という意味で1990年代に『AKIRA』『攻殻機動隊』の原作漫画出版元である講談社をはじめメディア上で度々使用されていた。

しかし、岡田斗司夫よれば「ジャパニメーション」が日本に紹介された時点ですでに死語化していた。岡田は「この言葉の中に現在のアニメをとりまく環境の不幸と現状が全て凝縮されている」と言い、1995年当時では『らんま1/2』『マクロス』『セーラームーン』『機動戦士Ζガンダム』や自身の関わった『王立宇宙軍』などが当時の北米アニメオタクの人気作品であったにも関わらず、『AKIRA』『トトロ』などの「よそゆき」な作品しか眼中にない日本のメディアを嘆いている[31]。また日本での「ジャパニメーション」の流行には「アニメなんて呼ぶと、オタクと間違えられそうでいやだ、カッコ悪い」「アメリカやヨーロッパで評価されたものはとにかくありがたい」「オタクは暗くてカッコわるい」という動機も見え隠れしていたという[33]

2000年代以降は減っているものの、未だに使用されているケースも見られる。2011年には同名のアメリカの人気テレビドラマをアニメ化したOVAシリーズ『スーパーナチュラル・ジ・アニメーション』において、海外ドラマを日本のアニメ制作会社マッドハウスがアニメ化し世界で発売されたということでジャパニメーションと銘打たれていた(テレビ放送時の宣伝でも使用された)[34][35]。「世界で通用する日本のアニメ」など、世界を意識した視点で作品を紹介する際に使用されている[36]
業界団体
日本動画協会(略称:AJA)

日本におけるアニメーション業界の意思統一、関連団体との連携、アニメーション産業の持続的発展を目的とした一般社団法人
日本芸能マネジメント事業者協会

声優のマネージメントを行うプロダクションなど事業者が加盟する[37]
日本声優事業社協議会

声優事業社で組織[38]
日本アニメーター・演出協会(略称:JAniCA)

2009年12月3日に一般社団法人化した、アニメーター及び演出家の地位向上と技術継承を目的とした一般社団法人。
日本音声製作者連盟(略称:JAPA)

2003年4月1日に設立され、「内外関連文化団体との提携及び交流。映像文化発展のための事業」。「業界の社会的地位の向上のための広報活動および出版事業」。「音声製作物に関連する権利の確立及び擁護」。「再放送使用料」の徴収、分配業務を主な事業内容とした一般社団法人[39]
日本俳優連合

テレビ局や制作会社に対して立場が弱い俳優が、一方的で不利な出演契約を解消を目的として結成された。声優の多くも加盟している[40]
国による振興・保護政策
文化庁メディア芸術祭

メディア芸術の創造と発展を図ることを目的に、文化庁CG-ARTS協会が主催の祭典。1997年以降、毎年実施されている[41]
文化芸術振興基本法

2001年12月7日に施行され、映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術をメディア芸術と定義し、振興を図るための施策を行うようになった。
コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律(コンテンツ法)

2004年5月、アニメーションや漫画など、コンテンツ産業の保護・育成に官民一体で取り組むための法律が成立した。
クールジャパン(Cool Japan)

日本政府が行っている対外文化宣伝・輸出政策で使用されている用語で、クールジャパン戦略担当大臣や海外需要開拓支援機構(通称:クールジャパン機構)が設立されており、アニメ・漫画・ゲーム・J-POP・アイドルなどのポップカルチャーサブカルチャーも含まれている。
若手アニメーター育成プロジェクト(略称:PROJECT A)

文化庁の若手アニメーターなど人材育成事業の委託をうけ、日本アニメーター・演出協会(JAniCA)が2010年(平成22年)より実施しているアニメーターの人材育成事業。
博物館・美術館

漫画やアニメ作品のセル画やフィルム、原画を展示する博物館・美術館。ミュージアムショップを設置したりアニメの様々なイベントや国際アニメーション映画協会公認の映画祭、インディーズのアニメーション映画祭などを開催している所もある。『ドラえもん』の作者が生活していた川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムや、『名探偵コナン』の作者ゆかりの地鳥取県東伯郡北栄町青山剛昌ふるさと館など、著名なアニメ作品やマンガの原作者の生誕地に地域おこしの観光拠点としても整備されることも多い。

ほとんどの博物館は特定の作家、クリエイターに特化した施設になっているが、杉並アニメーションミュージアム秋葉原UDX内の東京アニメセンターでは制作会社や出版社などの垣根を超えた様々な企画展が行われ、アニメーションに使われる原画などの展示やグッズが販売されている。


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