アニメーション
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日本においては毎年制作されるアニメーションのほとんどがセルアニメに分類される[11]。他はその使用する素材によって区分され、人形アニメ、ペーパーアニメ、切り抜きアニメ、シルエット(影絵)アニメ、千代紙アニメ、ピンボードアニメ、クレイ(粘土)アニメ、CGアニメなどがある[11]。なお現在セルアニメは制作工程のデジタル化により同様の映像効果を得るのにセルを使用せずに制作されている[11]
平面素材
セルアニメーション
動かない背景画の上に、セルと呼ばれる透明なフィルムシート上に部分的な描写を変化させて動きを描いた絵を重ねて撮影する(多重合成する場合はマルチプレーン・カメラを使用する)。動かない部分を描く必要はなく、分業化が容易なため、商業用アニメーションの主要な制作手法となった。一般にアニメといえばこのセルアニメのことを指している場合が多く、3DCGをメインとしたアニメでセルアニメのような構図や演出で構成されたものをセルルックという。セルと呼ばれるのは、かつては実際にセルロイドを用いたため。1990年代以降は、パソコンなどコンピュータの発展・普及に伴い、紙上に描かれた原画をスキャナーに取り込んで、セルアニメーションの彩色と背景画の合成の過程をコンピュータで行うデジタルアニメ化している。液晶タブレットが普及し始めると、紙上ではなく直接パソコン内の制作ソフトで描くデジタル作画の環境が登場する。また後述のCGアニメーションと併用されることもある。パソコンと制作・管理用ソフトの性能向上で、アニメ制作が容易になっている。
切り紙アニメーション
キャラクターの切り絵を用いて背景画の上に置いてコマ撮りする。影絵アニメーションはバリエーションの1つ。動きに応じてキャラクターごと絵を1つ1つ描く場合と、キャラクターの絵をあらかじめ関節など各パーツに分けて動かしながらコマ撮りする場合がある。セルアニメーションが登場する以前は盛んに用いられ、日本では1923年前後から使われ始めた。1930年代半ばにアメリカでは、セルアニメーションに移行していたが、セルが高価だったため、日本では安価な切り絵アニメーションが主流であり技術も高度に発達した。セルアニメーションが普及した後もユーリ・ノルシュテインルネ・ラルーなどのアニメーション作家が用いている。
ペーパーアニメーション
紙に描く、俗に言う
パラパラマンガで、重ね合わせが使えないため、動かない背景やキャラクターまで全て1枚ずつ描く必要がある。アニメーションの歴史では最初期に使われたが、分業が困難なため、多人数による量産に向かず、商業的にはセルアニメーションに取って代わられる。画材を自由に選べる利点から、アート性の強いアニメーション作家の作品に使われたり、紙と画材さえあればいいというハードルの低さから、個人制作のアマチュアアニメで使われる技法である。
ピンスクリーン
数万本の針に照明を当て、その影の明暗で作られた白黒の絵をコマ撮りしていく。ピンボードとも言う。特殊な技法で、アレクサンドル・アレクセイエフジャック・ドゥルーアンなど使う作家は限られている。

上記のほか、油絵黒板チョークで描いた絵、岩に描いた絵などをコマ撮りするなどの様々な手法がある。
立体素材
人形アニメ
人形など立体物を少しずつ動かしながらコマ撮りする。パペットアニメーションとも呼ばれる。人形の材質の種類は木、布、粘土など多種多様。陶器の人形の焼き物に関節をつけて動かすセラミックドール・アニメーション等もある。
クレイアニメ
粘土を用いて作られた造形物をコマ撮りしていく。素材が粘土質なため、コマごとに自由に造形物のポーズを変化させることもできる。
ピクシレーション
実写で人間などをコマ撮りする。

上記のほか、砂絵や毛糸を置いて作った絵や、平面に貼り付けた粘土をコマ撮りするなど、様々な技法が存在する。
カメラを用いない手法
カメラレス・アニメーション
投射フィルムに直接絵を描く。そのうち、現像済みの真っ黒のフィルムを引っかいて絵を描くものはシネカリグラフ、透明なフィルムに直接絵を描くものをフィルム・ペインティングという。
CGアニメーション
CG(コンピュータグラフィックス)により、撮影のプロセスを経ることなく、各コマの静止画像を順番に作成して、一連の動画に仕上げる手法。上記のサンプル画像も、パソコン上で作成したCGアニメーションと言える。
出典[脚注の使い方]^ 『大人も知らない?続ふしぎ現象事典』2023年、マイクロマガジン社、p.96
^ アニメ・マンガで地域振興 P.230


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