映画は1988年にメルボルン郊外のウォールシュ・ストリートで起きた警官2名の射殺事件とペティンギル家に大まかに基づいている[4]。この事件では首謀者のヴィクター・ピアース、トレヴァー・ペティンギルら計4人が無罪判決を受けた。メルボルンの地下社会に興味を持ったミショッドは『J』という脚本を書き、改稿を重ねては業界の様々な人物に脚本を見せてフィードバックを得た。スクリーンNSW
(英語版)の同僚リズ・ワッツ(英語版)は脚本に可能性を見出し、プロデューサーとなって資金を集めた[1]。なお、映画では携帯電話が登場するなど、舞台設定は1990年代半ば以降に変更されている。映画は2010年1月22日に第26回サンダンス映画祭で初上映された。オーストラリアでは2010年6月3日に公開され、2010年に公開された自国映画で3番目に高い500万豪ドルの興行成績を上げた[5]。
アメリカと周辺諸国ではソニー・ピクチャーズ クラシックスによって2010年8月に公開され、北米で104万4,400米ドルを売り上げた[2]。 本作は批評家から絶大な賛辞を集めた。映画のレビューを集積するウェブサイトRotten Tomatoesによると、141個のレビューのうち97%が本作に好意的な評価を下し、段階評価の平均は8/10であった。また同サイトは批評家の総意を「大胆な進行、スマートな脚本、そして一流のキャストを備えた『アニマル・キングダム』は、オーストラリア映画界が提供できる最高を示している」としている[6]。 クエンティン・タランティーノは2010年のトップ20をチョイスし、その中で本作を『トイ・ストーリー3』、『ソーシャル・ネットワーク』に次ぐ第3位に選んだ[7]。 2010年度のオーストラリア映画協会賞で本作は、同賞史上最高となる長編作品が関わる18部門すべてへのノミネートと、同じく同賞史上最高となる10部門での受賞を果たした[8]。ジャッキー・ウィーヴァーは本作で第68回ゴールデングローブ賞助演女優賞と第83回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたほか、数多くの賞を受賞した。 ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は2010年の優秀なインディペンデント映画の一本に本作を挙げた[9]。 賞部門対象結果
評価
批評
映画賞
サンダンス映画祭[10]ドラマ映画世界グランプリ『アニマル・キングダム』受賞
インサイド映画賞[11][12]作品賞『アニマル・キングダム』ノミネート
監督賞デヴィッド・ミショッド受賞
脚本賞デヴィッド・ミショッドノミネート
男優賞ベン・メンデルソーン受賞
女優賞ジャッキー・ウィーヴァーノミネート
編集賞ルーク・ドゥーランノミネート
音響賞ロバート・マッケンジー、フィリップ・デクローサズ、
サム・ペティノミネート
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞[9]助演女優賞ジャッキー・ウィーヴァー受賞