アナルセックス
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インターネットの普及により、アダルトビデオや性的な動画コンテンツにおいては誤った情報が溢れているため、科学的な観点から危険性を認識する必要がある[6]

肛門は、消化管の最終部分にして排泄を行うための臓器として生物に備わっている。直腸につながっており、性器や異物を入れることは、特異な感染症(例:アメーバ赤痢エイズ)や身体機能に障害をきたすことがあるため推奨されない[7]

肛門の2つの役割「便をだす」「おなら(ガス)をだす」を内側にある「内肛門括約筋」の、高度な感覚で判別しており、この判別が不能になる危険性がある[8]

肛門は異物の挿入によって裂傷や擦過傷とそれによる出血、裂肛(切れ痔)直腸脱炎症性腸疾患までを引き起こすことがある。また、挿入側にも様々な性感染症B型肝炎HIV感染を含む)、腸内の大腸菌などの細菌による尿道炎等の尿路感染症を引き起こす恐れがある。大きな異物や鋭利なものを挿入した場合は、直腸穿孔を合併することがある。またビンペットボトル、大人の玩具を挿入した場合などに、抜去不可能となり、医療機関にて腰椎麻酔の上、肛門鏡やワインのコルク抜きの様なミオームボーラーを使用して摘出したり、腹を切る手術が必要になることもある。最悪の場合には、人工肛門になる[9]

そして、肛門括約筋には自らの意思で収縮弛緩させることのできる(随意筋)外括約筋と、意図的に弛緩させることのできない(不随意筋)内括約筋とがあり、十分な準備をせずに肛門性交を行ったり、本人の意に反する形(場合によってはレイプなど)で行うと、表皮のみならず皮下組織、筋肉組織をも損傷し、甚だしい場合には便失禁に至ることもある。

そのため、肛門性交する前には、浣腸などによる腸の洗浄、大量の潤滑剤の使用などの対応をする必要がある。挿入する側は挿入される側の体調に配慮し、挿入される側の意思をできる限り尊重することが望ましい。直腸内に射精しても妊娠しないことからコンドームなしで性交しても何ら問題はないという情報もあるが、これは間違いである。肛門は多くの細菌が存在し、直腸は消化器官であり、感染症予防の観点からはコンドームの着用が高く求められる[10]

肛門性交における性感染症は基本的に膣性交における性感染症と同じであるが、診療にあたる医師の念頭に肛門性交の可能性がない場合、しばしば診断の遅れや誤診に繋がる危険性がある。適切な治療を受けるためには、肛門性交の有無を医師にも伝えることが望ましい。
歴史と文化

肛門性交はその体位が動物的な場合が多いこと・子孫繁栄とは無関係の性行為であること・排泄を行う箇所を性交に使うことへの抵抗など、宗教文化や習俗と合わせて行為に不快感を抱く者が現在でも存在する。

特に男性同士の同性愛行為をソドミーと呼び、中東などのイスラム圏、アフリカ諸国、中央アジアなど、世界のいくつかの地域、文化圏ではいまだにタブー視したり、法により禁止しているところさえ残っている。

男性同性愛者の間においても、女性との性行為の模倣に過ぎないという考えや、痛みや出血を伴うことや準備や片付けに手間を要することから肛門性交を嫌う者も多い。

マルキ・ド・サド(サディストの語源)の著書には、自分が捕らえられた時、妻へ差し入れを頼んだ際に自分の肛門に入れる張り型を持って来るように指示し、これを独房内で自慰のために使用した記録がある。
欧米およびキリスト教文化圏

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出典検索?: "肛門性交" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2011年7月)
男性同士の肛門性交(ハドリアヌスアンティノウスエドゥアール=アンリ・アヴリル画)

キリスト教が広まる前のヨーロッパや地中海世界では、キリスト教の教義による禁令がなかったため、男性同士及び異性間の肛門性交は普遍的に行われていた。

基本的にはカトリックでは子供を作る目的以外の性行為は認めておらず、快楽の追求のための性行為は否定されているため、肛門性交も禁じている。

また法律での禁止例として、アメリカ合衆国で施行されていた、いわゆる「ソドミー法」がある。この法律は同性愛を禁じるための法律であるが、頭の中を規制することは出来ないため、その行為である肛門性交を禁じるものである(異性同士の肛門性交も含まれる)。これは、かつては50州すべてに存在していたが、2004年現在では13州までに減少している。また、テキサス州の法律は、2003年6月26日にアメリカ最高裁により違憲との判決を下された。
イスラム教文化圏詳しくは「イスラーム世界の少年愛」を参照19世紀のオスマン帝国時代の絵画
日本

肛門のことを性的な俗語やゲイのスラングで、菊門・菊座という他、女性の名器になぞらえて男性の場合のこれを名門と呼ぶ。また江戸時代にはおいどおかまともいい、男色家の間では後庭華・牛蒡(ゴボウ)の切り口ということもあった。

肛門性交はおかまを掘る(略して「掘られる」「掘る」と表現することがある)とも言い、転じて交通事故での後部への追突を表すスラングとしても用いられる。江戸時代には「おかまを割る」とも言った。

江戸時代の呼称には上記のものの他にも「けつ取り」や「大悦」などがある。大悦は主に僧侶が用いた隠語で、通常の性交を「天悦」とも呼び、これは「天」という漢字を分解すると「二人」となり2人で悦楽が得られることを表すのに対して、大は分解すると「一人」となり、挿入される側は痛みを伴って悦楽が得られないことが多く、挿入する側1人のみが悦楽を得られる事を表している。なお、大悦は自慰の隠語でもあった。

日本の強姦罪は男性器を女性器に挿入する事を前提としているため肛門性交でのレイプは強姦罪にあたらず、傷害罪猥褻物陳列罪等が適用されていた。しかし肛門性交、口腔性交等の準性交も強姦罪の対象となるよう法改正が検討され、2017年(平成29年)7月13日に、男性が被害者の場合を含む強制性交等罪の規定が設けられたことに伴い、強姦罪は廃止され強制性交等罪がその役割を引き継ぐとともに準性交も法の対象となった。
女色における肛門性交

江戸時代の性の指南書では、女性器が怪我などで使用できないときの為の肛門性交の方法を指南したものがある。遊女屋の客の中には遊女と「尻取り」(けつとり)をしたがる人もいるため、遊女たちは肛門での受け入れ準備もしていた[11]陰間の盛りが短かったことから、陰間茶屋は高額なため[12][13]、自分の妻や遊女で試そうという好色家も存在した。

現在の売春防止法は男性器を女性器に挿入する事を前提としているため、法律上は肛門性交は売春行為にはあたらない。そのためデリバリーヘルス等の男性器を女性器に挿入する行為(いわゆる「本番」)が禁止されている風俗業でも特別料金を払って行えるプレイとして提示されていることがある。しかし風俗嬢が個人として行えない行為に肛門性交を掲示している場合が多く、店側としては行えるプレイとして提示されていても勤務している風俗嬢全員が行っていない場合も珍しくない。逆に肛門性交が可能な女性を集めた専門店も存在する。

この節の加筆が望まれています。

男色における肛門性交「日本における同性愛」も参照袋井宿を描いた春画(1840年代)

日本でも、僧侶と稚児の男色武士の世界の衆道陰間茶屋など男色文化の歴史が存在する。奈良時代平安時代頃からは、天台宗などでは僧と稚児の初夜の直前に行われる「稚児灌頂(ちごかんじょう)」という儀式があり、稲垣足穂『少年愛の美学』にはそのやり方が詳しく書かれている。灌頂を受けた稚児は観音菩薩の化身とされ、僧は灌頂を受けた稚児とのみ性交が許された。

衆道においては先述の「大悦」の字が示すように若衆が自身は痛みに耐え、年長者や主君の為に身を捧げるという意味合いも持つ。相手が僧侶の場合は功徳になるとされた。

江戸時代には、夢中庵魯鈍作の『男色四十八手指南』(文化6年)などに男色(肛門性交)のやり方が指南されていて、挿入する時には「通和散」または「練(り)木」と称したトロロアオイの根・ふのりなどで製した白い粉の粘滑剤[14]が市販されており、それを用いた。江戸時代には性に関して多くの指南書が出版されたが、中には男色相手の少年や陰間を肛門のヒダの数で品評した本も出版されている。

また江戸時代には「小僧は脚気の薬」と言われ、若い男児と肛門性交をすると脚気の治癒に効果があるという俗信が存在し、「お住持の脚気は治り小僧は痔」といった川柳も残されている[15]


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