権利擁護としてのアドボカシーについては、(あまり組織的でなく、適度な)権利の代弁、擁護のことを指すとされ、その場合の例として、自ら自己の権利を充分に行使することのできない、終末期の患者、障害者、アルツハイマー病、意識喪失の患者などの権利を代弁することなどがあげられる。また、患者会やSHG(自助グループ)などがある程度組織的にアドボカシーを行う場合もある。 一方、政策提言としてのアドボカシーについては、特定の問題について政治的な提言を行うことと定義され、日本でも保健医療や、雇用における性差撤廃、地球温暖化防止などの環境問題、公共事業問題など広範な分野で活発な政策提言活動が行われている。特にNGO/NPOなどが行う市民活動の分野では、アドボカシーは反政府、反企業といった対立の構図ではなく、論理的・科学的な政策を代替案を示して提言する活動[6]であり、最もNGO/NPOらしい活動と定義する学者や専門家は多い。 また、ロビイング活動そのものや、そこにいたる代弁・弁護活動までも含めたものをアドボカシーとする考え方もある。最近では成年後見制度などとも関係して、超高齢社会の中で話題になることも多くなっている。また、日本の政府がNGO/NPOによる政策提言能力の向上を目的とした表彰制度を行っているが、そもそも提言を受ける側である国が提言する側を表彰することについては、NGO/NPOの中に疑問の声もある。
政策提言としてのアドボカシー
その他のアドボカシー
事例
Linux等のフリーソフトウェア運動。フリーソフトウェアとコピーレフトのライセンスの啓蒙と普及促進を目的とした社会運動。
関連項目
アドボケイト
利益団体・圧力団体
ロビイスト
市民団体
シンクタンク
参考文献^ “Lobbying Versus Advocacy: Legal Definitions
^ 「アドボカシーは看護者の役割か
^ UNICEF (2010). ⇒Advocacy toolkit - A guide to influencing decisions that improve children's lives. UNICEF. pp. 144. ⇒http://www.unicef.org/evaluation/files/Advocacy_Toolkit.pdf 2016年2月11日閲覧。
^ “ ⇒Table of contents for Social issues in America”. loc.gov. 2019年5月20日閲覧。
^ “ ⇒介護用語集”. 全国介護者支援協議会. 2019年5月25日閲覧。 “自己の権利を表明することが困難な寝たきりの高齢者や、認知症の高齢者、障がい者の権利擁護やニーズ表明を支援し代弁すること。”
^ “ ⇒アドボカシー(チャイルド・ライツ・センター)”. 公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン. 2019年5月25日閲覧。 “アドボカシーとは:具体的な政策目標を実現するために、政策決定者および同決定プロセスに影響力を持つ個人、組織に働きかけること。”
外部リンク
⇒カレッジボードアドボカシー&ポリシーセンター
⇒PRワールド - ロビー活動をテーマにしたニュースと情報サイト