アテネの気候はケッペンの気候区分では高温ステップ気候(BSh)に当たる。従来は亜熱帯西岸気候の地中海性気候(ケッペンの気候区分ではCsa)に属していたが、1981年-2010年の平年値ではステップ気候に変わった[30]。いずれにしても数値の変化はわずかで、温帯と乾燥帯の境界線上に位置していると言える。アテネの気候の特徴は長く続く暑くて乾燥した夏の気候から穏やかで湿気がある冬である[31]。年平均降水量は414.1mmで、これはほとんどが10月から4月にかけて記録されるものである。7月や8月は乾燥した月で雷雨が月に1、2回、ときたま発生する。冬は冷涼で、雨が降り1月の平均気温はアテネ北郊のネア・フィラデルフィア
(英語版)(Ν?α Φιλαδ?λφεια)で8.9℃、エリニコン(英語版)で 10.3℃である。アテネで吹雪は滅多に起こらないが、発生した場合は大きな混乱に陥る。降雪はアテネ北郊では良く見られる[32]。パルニサ山はアテネの街に雨蔭を作り、その結果他のバルカン地域よりも降水量が少ない状況を作り出す。例えばアルバニアのティラナではアテネの3倍、シュコドラでは5倍以上の降水量がある。7月の日々の平均最高気温(1955?2004)は観測所があるネア・フィラデルフィアでは33.7℃であるが[33]、他の市内ではこれよりも暑くとくに西側の地区は産業化や主にいくつかの自然的な理由により暑い[34][35][36]。気温はしばしば、38℃を超えアテネは熱波で知られる[27][37]。
アテネは都市活動によりヒートアイランド現象の影響を多くの地区で受け[38][39]、気温は周辺の田園地域とは異なり[40][41][42][43] 冷却のために必要なエネルギーの使用や[44][45] 健康に悪影響がある[39]。都市のヒートアイランドには特定のアテネの気象観測所の気候学的な気温の時系列変化の一部に原因が見い出せる[46][47][48][49][50]。一方で、国立庭園やシセイオ気象観測所などの特定の観測所では若干かまったくヒートアイランド現象の影響が見られない[40][51]。
アテネは世界気象機関のヨーロッパでの最高気温の記録を保持しており48℃を1977年7月10日にエレウシスとタトイの観測所で記録している[52]。
アテネ国立気象台 (Thiseio), 海抜107 m (1971?2000 気温; 1961?1990 降雨量)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
平均最高気温 °C (°F)13.3
(55.9)12.7
(54.9)14.4
(57.9)18.3
(64.9)22.7
(72.9)30.6
(87.1)33.1
(91.6)32.8
(91)30.5
(86.9)25.5
(77.9)20.0
(68)16.1
(61)22.5
(72.5)
日平均気温 °C (°F)10.0
(50)9.4
(48.9)11.1
(52)13.8
(56.8)17.7
(63.9)25.5
(77.9)28.0
(82.4)27.7
(81.9)25.0
(77)20.5
(68.9)16.1
(61)12.7
(54.9)18.12
(64.63)
平均最低気温 °C (°F)6.7
(44.1)6.8
(44.2)8.2
(46.8)11.6
(52.9)16.0
(60.8)20.4
(68.7)22.8
(73)22.5
(72.5)19.4
(66.9)15.1
(59.2)11.2
(52.2)8.2
(46.8)14.07
(57.34)
雨量 mm (inch)44.6
(1.756)48.3
(1.902)42.6
(1.677)28.2
(1.11)17.2
(0.677)9.7
(0.382)4.2
(0.165)4.6
(0.181)11.9
(0.469)47.7
(1.878)50.6
(1.992)66.6
(2.622)376.2
(14.811)
出典:National Observatory of Athens[53]
下段はアテネ北郊のネア・フィラデルフィアの観測所のデータである。
アテネの気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
平均最高気温 °C (°F)12.5
(54.5)13.5
(56.3)15.7
(60.3)20.2
(68.4)26.0
(78.8)31.1
(88)33.5
(92.3)33.2
(91.8)29.2
(84.6)23.3
(73.9)18.1
(64.6)14.1
(57.4)22.5
(72.5)