この項目では、野菜について説明しています。アスパラガスビスケットについては「ギンビス」をご覧ください。
アスパラガス
アスパラガス
分類
アスパラガス(石?柏[1][4]、竜鬚菜[4]、英: asparagus、学名 : Asparagus officinalis)は、キジカクシ科(クサスギカズラ科)クサスギカズラ属(キジカクシ属)に属する多年生草本の単子葉植物で、野菜として食用にされる。和名はオランダキジカクシ[1][2]。クサスギカズラ属の別種を指してアスパラガスと呼ぶこともある[1]。特に園芸方面ではオオミドリボウキを指すことが多い。
クロンキスト体系ではユリ科に含まれていたが、APG分類体系ではユリ科は5目に分割され[5]、そのうちのキジカクシ目 Asparagales に属する[2]。雌雄異株である[1]。若い茎(シュート)が食用にされ、アスパラギンを含む[1]。アスパラギンの名はアスパラガスから初めて発見されたことに由来する[1]。栽培方法の違いにより、日光に当てたグリーンアスパラガスと、日光を遮断して軟白にしたホワイトアスパラガスがある[3]。成熟した植物体の緑色の葉のように見える器官は、実際は極端にほそく細かく分枝した茎であり、本来の葉は袴(はかま)とよばれ鱗片状に退化している[1]。 英名の asparagus は野菜としての本種のほかに、クサスギカズラ属 Asparagus のこと、またクサスギカズラ属に含む種の総称を指す[6]。英語の asparagus は ラテン語の asparagus、更にはギリシア語の ?σπ?ραγο? (asparagos)[注釈 1]に由来する[6]。 ギリシア語のアスパラゴス ?σπ?ραγο? の意味は「甚だしく裂ける」で、植物学上の枝で葉のように見える部分が細かく裂けているようにみえることから名付けられたとする説[7]と、新芽を意味するという説もある[8]。 アスパラガスが日本に渡来したのは江戸時代で、このときに名付けられた和名はオランダキジカクシ(阿蘭陀雉隠、和蘭雉隠)といい、オランダ船で渡来してきたことと、日本に自生するキジカクシ科の多年草キジカクシ
名称
フランス語名は asperge (アスペルジュ)[9]、イタリア語名は asparago (アスパーラゴ/アスパラゴ)[9]。漢名を石?柏(せきちょうはく[1])といい、石勺柏や石刀柏と表記するのは誤りである[注釈 2]。また、アスパラガスはアスパラと略称される。
歴史ドイツのシュトゥッテンゼー(ドイツ語版)で栽培されるアスパラガス
原産地はヨーロッパ地中海沿岸[10][3]、南ヨーロッパからウクライナ・ロシア南部[11][8]、イギリスを含むヨーロッパの原産ともいわれる[7]。自生地では、古くから野生アスパラガスを採取して食用にしていたと考えられ、ローマ時代の紀元前2000年ごろには栽培されていた記録がある[11][8]。その後ヨーロッパ各地で栽培が広がった[8]。北米には1620年の移民とともにもたらされ、東部地区やカリフォルニアで栽培されるようになり、一大産地となった[8]。
日本へは江戸時代(1781年以降)にオランダ船によって渡来し、観賞用として栽培されたが[10][11]、食用としては明治時代(1871年)に北海道開拓使よって導入されてからである[7][8]。