アストロボーイ・鉄腕アトム
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日本アニメというよりカートゥーンに近いレトロフューチャー色の強い作風で、いくつかのエピソードはアメリカ人脚本家によって執筆されている。アメリカ側は『鉄腕アトム』に対してモノクロ版アニメの「明朗快活なアクションアドベンチャー」という認識しか持っておらず、原作のようにシリアスなテーマ性のストーリーに対して疑問を持つなど認識のずれがあったと監督の小中和哉は証言している[1]

天馬博士とアトムの親子ドラマでもあり[1]、また他の親子や擬似親子関係にまつわるエピソードも多い。設定面ではファミリー層向けに大幅に変えた点が多い。天馬博士を演じる大和田伸也は、アトムファンだった。

その他、演出上の特徴として、本編前後(本編前半 - CM間、CM - 本編後半間、本編後編 - エンディング主題歌間)の画像フェードイン効果およびフェードアウト効果について、一般的な他アニメ作品に比べ余裕を持ってやや長めに用いられて編集制作されていたが、中期でのオープニング主題歌変更に合わせ、やや短めに緩和されている。

画面アスペクト比は16:9で制作されているが、テレビ局からの要望により13:9で放送された[1]

監督の小中和哉は実写作品の監督であり、アニメ作品は未経験であったが、実写オリジナルビデオ『ブラック・ジャック』を監督した経緯から起用された[1]。小中はアニメ作品への参加に戸惑いはあったが手塚の代表作品を映像化できるチャンスであることから参加を決め、アニメーションディレクターの望月敬一郎をはじめとする優秀なスタッフに支えられて制作できたと述べている[1]。日本側の脚本家には小中も参加した『平成ウルトラシリーズ』を担当した者が多く参加しているが、小中は手塚作品に思い入れのある世代が自然に集まったものとしており、小林弘利村井さだゆきはウルトラシリーズ以外からの付き合いであると述べている[1]

2004年東京国際アニメフェアでテレビ部門の優秀作品賞を受賞した。

DVDのリリースは、単巻のVol.1?Vol.13と、フィギュアを同梱したDVDボックス形式でソニーピクチャーズより発売。当時は地上デジタル放送は放送されていなかったものの、音声はドルビーデジタルの5.1チャンネルサラウンド形式においてリマスタリング収録されていた為にアニメ作品においては非常に珍しい商品であった。

声優が本業でない芸能人をキャストとして起用しているため、ソニーピクチャーズのアニメ作品[注 1]と、販売リリースを継承したアニプレックス以降も含め権利関係の問題が複雑になっている。
登場人物

いわゆる手塚スターシステムの他、本作完全オリジナルの欧米人キャラクターも多い。また、ほとんどの人間は欧米人風に、ロボットはカートゥーン風のデザインにリメイクされている。

◎は原作キャラクター、☆は他作品の手塚スターである。
アトムと家族
◎アトム
声:
津村まこと本作の主人公。世界最高の人工頭脳を持ち、人間同様の心を備えたロボット。科学省の総力を結集し、莫大な予算と最新技術の全てをかけ、開発された。生みの親である天馬博士の亡き息子、天馬トビオを模しており、記憶も受け継いでいる。お茶の水博士の家に同居。純粋で心優しく、大きな正義感を持つ。ロボットと人間が友達でいられる世界を目指している。本作では、10万馬力のパワーより、むしろ飛行能力やスピードを生かした軽快なアクションが多い(また「力負け」してピンチに陥ることも多い)。
◎お茶の水博士(おちゃのみずはかせ)
声:勝田久ロボット科学者で、科学省長官。進化していくロボットの中に「心の芽生え」をいち早く感じ取り、ロボットにも人権が必要だと考え始める。「ロボットは人間の友達」という理念の持ち主。非常に優しい性格で、運動会にアトムの保護者として参加したり、バーチャル映像で済ます天馬博士と違って実際に田舎での魚釣りを一緒に楽しんだりしている(後者は天馬博士により記憶を消去されるアトムが、彼との記憶として思い出している)。
◎ウラン
声:丸山美紀お茶の水博士によって制作されたアトムの妹ロボット。5万馬力のパワーを持つが、アトムのように飛行能力や武器は持たない。甘えん坊でワガママな性格で時々アトムを困らせるが、心優しい一面も。アトムを兄として慕い誇りに思っているが、兄と比較されることを極端に嫌う。今作では動物とのコミュニケーション能力を持つ。
如月 夕子(きさらぎ ゆうこ)
声:川瀬晶子アニメオリジナルキャラクター。科学省秘書官。


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