アジ・ダハーカ
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悪神アンラ・マンユに創造され[9]、その配下であり[1]、あらゆる悪の根源を成すものとして恐れられた。

神話においては、千の魔法などを駆使して敵対する勢力を苦しめ[9][11]アフラ・マズダー配下の火の神アータルなどとも激しく戦った[1][11]。讃歌『ザムヤード・ヤシュト(英語版)』においては、アジ・ダハーカはアータルと光輪(クワルナフ)を奪い合った。アジ・ダハーカは光輪を奪い取るべく罵詈雑言を吐きながらアータルに迫ったが、アータルから「自分がアジ・ダハーカの体の中に入って口の中で燃え上がり、アジ・ダハーカが地上に来られないように、決して世界を破壊できないようにする」と言われると、萎縮して退いたという[12][13]

その後、アジ・ダハーカは英雄スラエータオナによって討伐された[9]。戦いにおいては、アジ・ダハーカの体に剣を刺してもそこから爬虫類などの邪悪な生き物が這い出すため、スラエータオナはアジ・ダハーカを殺すことができなかった。そのため最終手段としてダマーヴァンド山の地下深くに幽閉したといわれている。そして、終末の時に解き放たれて人や動物の3分の1を貪ることも、最終的には神話的英雄であるクルサースパ(英語版)に殺されることも、すでに決まっているとされている[7][14]
『シャー・ナーメ』詳細は「ザッハーク」を参照

時代が下ると、アジ・ダハーカの姿は竜から人間に変わっていく。そして、イスラム教化後のイランでは、フェルドウスィーの『シャー・ナーメ』に、両肩から蛇を生やした悪王ザッハークという名前で登場し[1]フェリドゥーン(ゾロアスター教におけるスラエータオナのこと)に退治される。
脚注
注釈^ブンダヒシュン』によれば、アズダハーグ (Azdah?g) はバーベール(バビロン)にクラング・ドゥシト (Kulang Du?it) という城を建てたという[10]

出典^ a b c d 青木 (2013)、31頁。
^ カーティス,薩摩訳 (2002)、38頁。
^ Martin Schwartz, 1980, Manfred Mayrhofer, Iranisches Personennamenbuch. Band I... (review article), Orientalia (n.s.) 49(1):123-26.
^ G. Azarpay, 1991, The Snake-Man in the Art of Bronze Age Bactria, Bulletin of the Asia Institute(n.s.) 5: 1-10.
^ a b 伊藤訳 (1967)、385頁。(「ホーム・ヤシュト 1(ヤスナ第9章)」第7節の注釈11)
^ 竹原 (1998)、119頁。
^ a b c d e ローズ, 松村訳 (2004)、12頁。
^ 竹原 (1998)、118頁。
^ a b c d 伊藤訳 (1967)、386頁。(「ホーム・ヤシュト 1(ヤスナ第9章)」第8節) "...ダハーカ竜...は三口あり、三頭あり、六眼あり、千術あり、...いとも強きこと第一なるドゥルジは...アンラ・マンユがつくり出したものであった。"
^ 野田 (2011)、209頁。
^ a b 久保田ら (2002)、114頁。
^ カーティス,薩摩訳 (2002)、24頁。


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