アジアゾウ
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模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)はスリランカ[4][5]。以前は中華人民共和国北部から、西アジア(メソポタミア地方)にかけて分布していた[6]
形態「ゾウ#アフリカゾウとアジアゾウの違い」も参照

頭胴長(体長)5.5 - 6.5メートル[5]。尾長1.2 - 1.5メートル[5][7]。体高2.5 - 3.2メートル[7]。最大体重6,700キログラム(オス平均5,400キログラム、メス平均2,720キログラム)[7]。背中が丸く、最も高い位置にある[6][7]

鼻の皺はあまり隆起しない[7]。鼻の先端には、突起が上部に1つだけある[6]。耳介は小型[7]。前肢の蹄は5本、後肢の蹄は4本[6][7]。肋骨は最大20対、尾椎は最大34個[5]

出産直後の幼獣は体重50 - 150キログラム[7]。メスは上顎の門歯(牙)が口外に出ない[6][7]

側面

骨格



分類

以下の絶滅亜種を除いた分類はShoshani & Eisenberg(1982)およびShoshani(2005)、和名・英名はBarnes 犬塚訳(1986)に従う[5][4][6]
Elephas maximus maximus Linnaeus, 1758 セイロンゾウ Ceylon elephant
スリランカ[3]体重2,000 - 5,500キログラム[8]。耳介はもっとも大型[8]。体色は亜種内では暗色[8]。肋骨が19対[8]。オスでも多くの個体(約90 %)で牙が口外に出ない[6]
Elephas maximus indicus Cuvier, 1798 インドゾウ Indian elephant
体重2,000 - 5,000キログラム[8]。肋骨が19対[5][8]。亜種E. m. bengalensisや亜種マレーゾウE. m. hirsutusはシノニムとされる
Elephas maximus sumatranus Temminck, 1847 スマトラゾウ Sumatran elephant
スマトラ島[3]体重2,000 - 4,000キログラム[8]。体色は亜種内では明色[8]。肋骨が20対[5][8]
Elephas maximus borneensis Deraniyagala, 1950 ボルネオゾウ Borneo elephant

生態アジアゾウの群れ

主に森林に生息する[6][7]。食物を求めて放浪するが、近年では生息地の破壊により季節的な移動でも30 - 40キロメートルに限られる[6][7]。メスと幼獣からなる群れを形成し、群れに発情したメスがいる場合はオスも加わる[7]

植物食で、主にを食べるが、木の枝や、樹皮、根、果実なども食べる[7]

繁殖様式は胎生。5 - 8年(食物が豊富な場合は2 - 4年)に1回繁殖する[7]。妊娠期間は615 - 668日[7]。1回に1頭の幼獣を産む[7]。授乳期間は2年[7]。オスは生後14 - 15年で、性成熟する[5]。メスは生後9年で性成熟した例もあるが[5]、生後17 - 18年で初産を迎える個体が多い[7]。寿命は60 - 80年と考えられている[7]



歩行

水飲み

幼獣と成獣


人間との関係旗に描かれた白象乗り物としての利用

アフリカゾウと比較すると人間に懐きやすく、動物園サーカスで親しまれるほか、宗教的儀式において利用されることもある[6]。地域によっては、白変個体が神聖化されることもある[7]

一方、品種改良せずに野生種そのままの遺伝子で人間と共存しているため、家畜化されているとは言い難い。

約4,000年前から、牙が象牙細工の原料として利用されている[7]。中華人民共和国では、骨灰が漢方薬になると信じられている[7]。約5500年前には、インダス川流域で運搬などに使役された[6]。約3,000年前から、戦争の道具として利用されることもあった[6][7]。「戦象」も参照。

スリランカにおける個体数は、20世紀初頭には約12000頭だったが、現在は約7000頭に減少している。

農地を荒らす害獣とみなされることもある[3]。インド・スリランカなどでは、野生個体に襲われる事故により死者も出ている[7]。スリランカでは2010年?17年の間に平均して年240頭のゾウが殺され、2019年には405頭が殺され、ゾウとの衝突によって死亡した人も121人と、ともに過去最高だった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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