アサルトライフル
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ドイツ語電子辞典(ドイツ語版)では、突撃銃(Sturmgewehr)という語を、Schnellfeuergewehrすなわちフルオート射撃小銃の同義語と位置づけ[5]、Schnellfeuergewehrについては「フルオート射撃を行うための構造を備えた自動装填式小銃(Selbstladegewehr mit einer Vorrichtung fur Schnellfeuer)と説明している[6]

ドイツ民主共和国(東ドイツ)では同種の火器をMaschinenpistole(MPi)、すなわち短機関銃と呼称した。国家人民軍設立当初には、StG44がMPi-44の名称で採用され、後に採用されたAK-47はMPi-Kすなわちカラシニコフ式短機関銃と呼称された。1980年代後期になってから、Sturmgewehrの語を用いるStG940シリーズが開発された。

ドイツ連邦共和国(西ドイツ)で編成されたドイツ連邦軍では、G3G36に見られるように、制式小銃の名称にはSturmgewehr(StG)ではなくGewehr(G)すなわち小銃という表現のみ用いた。銃器を分類する語としては使われており、例えばドイツ連邦陸軍はホームページ上でG36をSturmgewehrと呼び[7]、G3もSturmgewehrとして言及されることがある[8][9]

ドイツの大手銃器メーカーヘッケラー&コッホ社も製品の分類にSturmgewehrを用いている[10]。G36、HK416HK417がここに分類されている。

オーストリア軍では、かつて国産化したFALSturmgewehr 58として採用していたほか、ステアーAUGをSturmgewehr 77の制式名称で採用している[11]スイス軍では、かつてSIG SG510をSturmgewehr 57として採用していたほか[12]SIG SG550をSturmgewehr 90として採用している[13]
アサルトライフル

英語の「Assault Rifle」(アサルトライフル)は、ナチス・ドイツで造語されたシュトゥルム・ゲヴェーア(Sturmgewehr)という用語を英訳したものとされている[14][3]。1980年代には民生市場でアサルトライフルを原型とするスポーツ用小銃が流通し始め、この語は一般にも広く認知されていった[3]

1945年にアメリカ陸軍で作成されたMP43の改称に関する報告書では、ドイツ側が造語したSturmgewehrの訳語として「Assault Rifle」が使われ、機能については従来通りの「machine carbine」であるとしている[15]

1973年の『Small Arms Identification and Operation Guide - Eurasian Communist Countries』の記述に従えば、アメリカ陸軍におけるアサルトライフルの定義は「短機関銃小銃の間の威力の弾薬を用い、短く小型で、セレクティブ・ファイア機能を備え、低反動で、フルオート射撃時の有効射程は300m程度の銃である」と解釈することができる[1]。また、全米ライフル協会(NRA)の立法行動研究所(NRA-ILA)では、アメリカ陸軍によるものとして「中間威力の弾薬を用い、セレクティブ・ファイア機能を備えるライフル」(a selective-fire rifle chambered for a cartridge of intermediate power.)という定義を紹介している[16]

ブリタニカ・オンライン(英語版)では、アサルトライフルという語を次のように説明している[17]。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}アサルトライフルとは、小型化あるいは弱装化された銃弾を使用し、セミ/フルオートの切り替え機能を有する軍用銃である。これらは軽量かつ持ち運びやすく、現代的な戦闘距離すなわち300 - 500m程度の範囲で十分な精度と高い火力を発揮する。そのため、近代的な軍隊における標準歩兵用火器として第二次世界大戦期の高威力なボルトアクション式小銃および自動小銃を置換した。
Assault rifle, military firearm that is chambered for ammunition of reduced size or propellant charge and that has the capacity to switch between semiautomatic and fully automatic fire. Because they are light and portable yet still able to deliver a high volume of fire with reasonable accuracy at modern combat ranges of 300?500 m (1,000?1,600 feet), assault rifles have replaced the high-powered bolt-action and semiautomatic rifles of the World War II era as the standard infantry weapon of modern armies.

アメリカ合衆国では、銃規制の議論に関連して定義の曖昧な「アサルトライフル」という言葉がしばしば問題となり、また規制対象として法的に定義された用語「アサルトウェポン」(Assault weapon)と混同されることも多い[18][3]

西側諸国(主にアメリカ合衆国)においては、M14小銃のような大口径自動小銃を特にアサルトライフルと区別する場合、バトルライフルという表現が用いられることもある[19]
アフタマート

ロシア語で同種の火器を指す「Автомат」(アフタマート)について、現在は1991年に発効したGOST規格28653-90号「小火器・用語と定義」(ГОСТ 28653-90 ≪Оружие стрелковое. Термины и определения≫)の中で定義されている[20]。アフタマートは「自動式カービン」(автоматический карабин)であるとされており、ここで言うカービン(Карабин, カラビン)については「短銃身を備える軽量小銃」(облегчённая винтовка с укороченным стволом)とされる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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