アサヒビール
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同年11月には販売目標を1200万箱と更に上方修正し、1987年の販売数量実績は1350万箱を達成[4]。スーパードライは1987年12月26日の日経流通新聞「62年ヒット商品番付」[12] で東横綱に選ばれる程のヒット商品となった[4]。1988年には同業他社がドライビールで挑んできたドライ戦争にも勝利を収め、売上高と市場占有率を劇的に回復し、同年のシェアはサッポロを抜き2位に回復[4]。1989年と1990年には積極的な設備投資を行い、1990年代からスーパードライに経営資源を集中し、それに特化した販売戦略と鮮度管理の強化を進める経営戦略が功を奏し[6]1998年平成10年)に日本国内でビールは市場占有率で1位となった(発泡酒を含めたビール類の市場占有率では当時2位)[4]

1990年代後半以降、他社が価格の安さと品質改良で発泡酒の売り上げを伸ばす中、アサヒは「アサヒはドライ一本、ビールのみで勝負します。発泡酒は発売しません」と宣言したこともあった[9][13]。理由として、スーパードライが順調に推移していたことや、発泡酒の開発初期段階で問題点の解消に手間取り、市場に出せる品質に中々達していなかった事情がある[9]。だが、デフレの流れで発泡酒のシェアが伸びる中、その間毎年のように同社が新発売したビールの新製品が不振であったことや、看板商品のスーパードライも売り上げに翳りが見え始めたこと、発泡酒開発当初の試作品が抱えていた特有の匂いと雑味の問題点を大麦エキスと海洋深層水を使用することで解消した。品質を満たした商品が出来上がったことで方針転換し「発泡酒カテゴリーが成立したから」と理由を説明して2001年(平成13年)2月に「本生」で発泡酒市場に参入した[9][13]。本生が好調だったことで2001年の発泡酒シェアにおいて同社は2位となり、日本の2001年ビール類(当時はビールと発泡酒が該当)シェアにおいてキリンを抜き1953年以来48年ぶりに首位に返り咲いた[5][9][14]

その後は発泡酒の増税もあり、2005年(平成17年)からいわゆる第三のビール市場にも参入。ただ、シェア競争の結果、2006年(平成18年)1-6月期にて6年ぶりにキリンビールに市場占有率首位を譲る形となったが、下半期に巻き返し、年間では僅差で首位を維持した。

鳥居薬品を1987年(昭和62年)に子会社化したが、1998年(平成10年)にJTへ保有株式を譲渡。

2001年(平成13年)、かねてから資本関係があったニッカウヰスキーの全株式を取得した上で同社を完全子会社化し、ウイスキーブランデーなどの洋酒事業に本格参入した。また、2002年(平成14年)には協和発酵(現:協和キリン)旭化成の酒類事業(清酒を除く)を引き継ぎ、焼酎などの分野にも参入している。

大手ビール4社の中では唯一最後まで事業持株会社制度を堅持していたが、社会情勢の変化もあり、2011年(平成23年)7月1日付で事業会社を分離新設し、純粋持株会社制度に移行した。
沿革

1889年 - 鳥井駒吉大阪府大阪市で「大阪麦酒会社」設立。

1891年 - 大阪府島下郡吹田村(現・吹田市)に「吹田村醸造所」竣工。

1892年 - 「アサヒビール」発売。

1900年 - 日本初のビン入り生ビール「アサヒ生ビール」発売。

1906年 - 大阪麦酒(アサヒビール)、札幌麦酒(サッポロビール)、日本麦酒(エビスビール)の3社合同で「大日本麦酒株式会社」を設立。

1949年 - 過度経済力集中排除法により大日本麦酒を分割、「朝日麦酒株式会社」を設立。

1957年 - ビン入りラガービール「アサヒゴールド」発売。

1958年 - 日本初の缶入りビール「アサヒゴールド(缶)」発売。

1971年 - 日本初のオールアルミ缶ビールを発売。その缶を製造した昭和アルミニウム缶に素材開発・供給の面で協力。

1981年 - 医療法人十全会[注釈 1]が株式を買い占める。直後に株を放出し、その株を旭化成が買い取って同社が筆頭株主となり、業務提携も行う。

1986年1月21日 - CI活動「ニューセンチュリー計画」の発表と新シンボルマーク導入。永井一正がロゴデザインを担当、右上がりで勢いとキレのあるイメージとした[15]

1987年3月17日 - 日本初の辛口生ビール「アサヒスーパードライ」発売。

1989年

「アサヒビール株式会社」に商号を変更。創業時から販売されてきた熱処理されたラガータイプのビール「アサヒビール(オリジナル)」販売終了。

東京都墨田区吾妻橋の旧吾妻橋工場跡地に「アサヒビールタワー」完成。


1996年 - 清涼飲料水部門が「アサヒ飲料」として分社独立。

2001年

発泡酒「アサヒ本生」(現本生ドラフト)発売、発泡酒事業に参入。


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