アサヒスーパードライ
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甘さを少なくしたことでそれまで主流であったアルコール度数4.5%と比べて0.5%高い5.0%となっている[8][9][注 3]。また、苦くてコクがあるビールよりも、キレのあるビールを目指して開発された[9][10]。使用する麦芽をぎりぎりまで減らし(約70%)[注 4]、副原料(スターチ)の比率を高めることですっきりした味を実現[11]。アサヒビールはこの味を「ドライ」という言葉で表現した[10][注 5]。また、アサヒスーパードライは、アサヒビールのもつそれまでの経験に頼らず、ゼロから開発されたビールであった[12]。以上は、概ねアサヒビールからの情報発信に基づいた成書・記事による。

発売当初から2013年12月時点において、基本的な味・パッケージの変更は一切行っていない[13]。ただし、細部の小変更としてメインラベルは1989年1月に「SUPER DRY」の上部と「生」の周囲の英文表記を現在のものに変更し、1992年4月に「生」の下の表記を現在の「スーパードライ 生ビール(非熱処理)」に変更し、その際に缶の背景を無地から薄い横縞が入るように変更している[14]。また、瓶のラベル外周部、ネックラベルや裏ラベル、缶のラベル上部や側面の表記についても数年ごとに変更され、2012年2月頃には缶の右下に「お酒」マークが入っている。なおスリムボトル缶は、他の製品とは異なるデザインを採用し、1年毎にデザインをリニューアルしている。2014年2月には製法の年次改良が実施され、「生」の上に「洗練されたクリアな味、辛口。」と表記されるようになった。2019年4月(令和元年)にも製法の改良が実施され、ラベルの意匠が若干変更され、ラベル内に「ザ・ジャパンブランド」の表記が追加されたほか、ラベル最上部の「“KARAKUCHI”」から「KARA 辛口 KUCHI」に表記を変更した。

ビール商品としては麦芽の使用率が低いため、日本で低税率系発泡酒が再度展開され始めた1990年代中盤頃の発泡酒商品の味に類似する面があり[11]、自社製品同士の競合が懸念され[15]、それが影響してアサヒビールは発泡酒市場への参入を躊躇したり難色を示したとされる[11][15]

なおアサヒビールは、沖縄県のオリオンビールを実質的に傘下に置いており、県内・奄美消費分の350mLと500mLの缶製品並びに10Lと20Lの樽製品は同社の名護工場で作り供給している[3]
ヒットの理由

日本では、景気浮揚期には新しいものを受け入れる消費者行動が顕著となり、大型のヒット商品が誕生する傾向にある[5]。また、それは新しいライフスタイルを形成していく[5]。アサヒスーパードライは景気浮揚期に販売されたことがヒットに繋がった[5][注 6]。1987年は、団塊の世代が30代後半?40代前半に踏み入れた時節だであり、団塊の世代が戦前・戦中世代(具体的には焼け跡世代以前の世代)に抵抗した消費形態であったとも考えられる。
商品ラインナップ2012年2月頃に「お酒」マークが入る前の350ml缶

スーパードライは容器のバリエーションについても業界一を誇る。他社の撤退した大型容器(ミニ樽や1L缶)も展開されている。派生商品以外の中身はどの容器でも基本的に共通であるが、容器・ラベル・パッケージの限定デザイン、出荷時期や提供方法の違いによる限定バリエーションもある。

スーパードライは、2013年12月下旬(Cロット)製造分より初の年次改良を行い、アサヒビール独自の酵母管理技術「S-3(Super Screening System)」を導入することにより、厳選された優良な酵母は発酵力に優れ、泡を分解する酵素の溶出量が少なくなり、辛口のうまさはそのままに、キレと泡のきめ細かさをそれぞれ1割向上させることを実現した[16]

2014年12月下旬(Cロット)製造分には厳選優良ドライ酵母の活性度を高めるクオリティアップを行い、新仕込み技術により、時間経過による味の変化を抑制し飲みごたえとキレがそれぞれ1割向上した[17]

2018年4月上旬(Aロット)製造分には脂質酸化物を低減するクオリティアップが行われ、泡持ちとキレ味がさらに向上した。

2018年11月中旬(Zロット)製造分には品質基準を高めるクオリティアップが行われ、中長期のブランドテーマをザ・ジャパンブランドと設定するなどの印象的なデザインとなった。

2021年4月6日より缶のフタがフルオープンする生ジョッキ缶をコンビニエンスストアで先行発売(その他業態は20日発売)[18]。飲料でのフルオープン缶の採用は日本初となる[18]

2022年2月中旬(Zロット)以降の出荷分より1987年2月の発売開始以来、初めて原料のレシピの変更を伴う全面改良が行われた。レイトホッピング製法を採用し、キレのよさを維持しながら飲みごたえが向上したのに合わせ、シンプルで洗練されたデザイン缶となった[19](例・30年ぶりに缶の背景から横縞が消え、ラベルから麦のイラストとザ・ジャパンブランドの文字、お酒マークの左側の内容量の表示が消える)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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