アメリカ合衆国では西部劇や刑事ドラマ、イタリアではいわゆるマカロニ・ウェスタン、イギリスではスパイ・アクション、日本では時代劇(チャンバラ)、ヤクザ映画、B級アクション映画などを量産した歴史がある。 映画の分類としては西部劇[4]・ヤクザ映画・時代劇・スパイ映画・ギャング映画・冒険映画などを含めたくくりでアクション映画とする見方もある。製作した国名や地名をつけた「香港アクション」といった呼び方もある。 ドラマとしての構造はアクション映画も他のドラマと変わる点はない。時代や場所が明確であり、導入部から解決部までのシークエンス(段落)で主人公とその内面に葛藤を引き起こす多くの環境(敵)の対比が説明され、最後のクライマックス(山場)で最終目標が達成される。正義感や職業的倫理観からなる主人公の行動原理は「現実離れしている」場合も多く、観客に分かりやすいキャラクターである。 このため設定や人間関係にテーマとしての味付けをする。前述の『アクション・ムービー究極大鑑』はアクション映画を「ポリス・アクション」「ミリタリー・アクション」「ライド・アクション」「エスケープ・アクション」「SF・アクション」「クライム・アクション」「カンフー・アクション」「アドベンチャー・アクション」「チャンバラ・アクション」「ガン・アクション」に分けている。 ポリス・アクションであれば法治国家や人権尊重の建前から犯罪者を充分取り締まることができず、警官としての職務を遂行したい主人公を阻む管理社会との対決(『ダーティー・ハリー』など)があげられる。また、クライム・アクションの場合は主人公が犯罪者の場合最後に死ぬか、生き延びても「観客の不当な抗議」が原因で未来に暗雲がたちこめる文字解説が後でつけられる(『ゲッタウェイ』)のが製作側の不文律として長く存在していた。男同士の友情(『さらば友よ』、『ストリートファイター』1975年)や大義への献身もアクションのテーマとして存在してきた。 シリーズが長期化するにつれてアクション要素が強くなり、本来のジャンルとはかけ離れた作品となっていくシリーズも多い。例として初代『エイリアン』はホラー要素の強いSF映画であったが、続編の『エイリアン2』ではホラー要素が排除されミリタリーSFアクション映画となり、「ワイルドスピードシリーズ」は当初は車やストリートレースが題材のカーアクション映画だったが現在では車やレース要素はほとんど排除されて一般的なアクション映画となっている。 1930年代から1960年代には西部劇が流行し、多数のヒット作が生まれた。 1960年代のアメリカンニューシネマの登場により勧善懲悪の娯楽作品は色あせたが、そのニューシネマが1970年代の半ばから1970年代末には終焉を迎え、『スター・ウォーズ』や『ロッキー』などといった娯楽映画が増加し、CG、SFX、VFXを導入したアクション映画を大規模な予算で製作するようになった。 西部劇が衰退した1970年代には、『ダーティハリー』シリーズや『フレンチ・コネクション』等のアクション要素のある刑事ドラマがヒットした。同時期にはブルース・リーによるカンフー映画もヒットしている。 1982年に『コナン・ザ・グレート』がヒットすると、「ソード&サンダル」映画が復活し、大剣を持った上半身裸の主人公が活躍するコナンのZ級亜流コピー映画が多数作られた。 1980年代の中盤に入ると、シルベスター・スタローンの『ランボー』、アーノルド・シュワルツェネッガーの『コマンドー』、チャック・ノリスの『地獄のヒーロー』等といった、「ワンマンアーミー」と呼ばれるスタイルの主人公が活躍するアクション映画が多数ヒットするようになった。
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