アクション俳優
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第二次世界大戦後になると戦争映画が多く作られ、20世紀以降の近代戦を題材に、軍人などが少人数で架空の戦闘行為を演じる映画がアクション映画のカテゴリーとして言及されるようになったが[注釈 1]、戦前と同様に西部劇もハリウッドで変わらぬ人気が続いて、『荒野の決闘』(1946年)、『アパッチ砦』(1948年)、『赤い河』(1948年)、『真昼の決闘』(1952年)、『捜索者』(1956年)、『OK牧場の決斗』(1957年)、『リオ・ブラボー』(1959年)などのヒット作が次々と製作され、それらに主演したヘンリー・フォンダジョン・ウェインゲイリー・クーパーなどが大スターとして人気を誇った[1]

1950年代後半から1960年代前半には、元ボディビルダースティーヴ・リーヴスが『ヘラクレス』(1958年)などのソード&サンダル映画で主演を務め人気を博した。スティーヴ・リーヴスは、のちに活躍するアクション俳優に影響を与え、シルヴェスター・スタローンアーノルド・シュワルツェネッガードウェイン・ジョンソンは幼少期に同作を観賞していたことがアクション・スターを目指すきっかけとなった[注釈 2]七人の侍』(1954年)での三船敏郎荒野の七人』(1960年)の主演者(左からユル・ブリンナースティーブ・マックイーンホルスト・ブッフホルツチャールズ・ブロンソンロバート・ヴォーンブラッド・デクスタージェームズ・コバーン

日本映画では敗戦によるGHQ占領時代が終った後、時代劇チャンバラ映画が復活・解禁されて『羅生門』(1950年)や、時代劇アクション『七人の侍』(1954年)がヒットし、それらに主演した三船敏郎が世界的にも注目された[4][5]。三船が豪快で子供っぽい偽侍「菊千代」を魅力的に好演した『七人の侍』は、様々な形でのちの多くのアクション映画の原型にもなり[4][6]、ハリウッドでは西部劇『荒野の七人』(1960年)にリメイクされて、ユル・ブリンナースティーブ・マックイーンチャールズ・ブロンソンジェームズ・コバーンなどがガン・アクションを演じた[5][6]。なお、『七人の侍』と同年には、日本の特撮怪獣映画の嚆矢となった『ゴジラ』(1954年)が製作され人気シリーズ化し、「ゴジラ」(Godzilla)はのちに海外でも人気キャラクターとなっていった[4]荒野の用心棒』(1964年)でのクリント・イーストウッド

1960年代では、公民権運動の高まりもあり、白人を善とする勧善懲悪の古典的なハリウッドの西部劇が後退し、イタリア産の西部劇マカロニ・ウェスタンが台頭し始め、三船敏郎主演でリアルな殺陣が注目された日本の時代劇映画『用心棒』(1961年)の影響を受けた『荒野の用心棒』(1964年)や、『夕陽のガンマン』(1965年)などの過激な暴力描写の映画に主演したクリント・イーストウッドが、「モンコ」というニヒルなアウトローの主人公として人気を博した[1]。三船主演の『用心棒』(1961年)は、のちの香港武侠映画にも影響を与えた[7]007 ダイヤモンドは永遠に』(1971年)でのショーン・コネリー

この時期にはスパイ映画も全盛期となり、東西冷戦を背景にしたイギリス映画の「007シリーズ」の1作目『007は殺しの番号』(1962年)から主人公のスパイ「ジェームズ・ボンド」の荒唐無稽で大胆なアクションを演じたショーン・コネリーが世界的な人気を博して一世を風靡した[1][8]。ショーン・コネリー主演の「007シリーズ」はスパイ・アクションの走りとなった[1]

1960年代の最後には、ウィリアム・ホールデンが強盗団のリーダーを演じ、本家の西部劇の終焉的なヒット作『ワイルドバンチ』(1969年)でのスローモーション撮影を多用した暴力描写が注目され、のちのアクション映画の表現方法に影響を与えた[1]。また『ワイルドバンチ』は三船敏郎主演の日本映画『椿三十郎』(1962年)の影響を受け、ハリウッドの西部劇で初めて血しぶきの描写を取り入れた[9][注釈 3]

フランス映画では、『リオの男』(1963年)などで危険なアクションシーンをスタントマン無しで演じたジャン=ポール・ベルモンドが人気を博した。
1970年代から1990年代
ブルース・リー登場の時代

1970年代には、クリント・イーストウッドが『ダーティハリー』(1971年)の刑事でも当り役となり人気シリーズ化した[1]。同じくアクションを多く盛り込んだ刑事ドラマでは、歴史的なカー・チェイスを演じたジーン・ハックマン主演の『フレンチ・コネクション』(1971年)が大ヒットし、ジーン・ハックマンは第44回アカデミー賞主演男優賞を受賞した[1][10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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