アクション俳優
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また同時期に世界で流行となったマカロニ・ウエスタンのニヒルな人物造型は、原作小説を実写化したテレビドラマ『木枯し紋次郎』(1972年)や、劇画を実写化した映画『子連れ狼』(1972年 ? 1974年)、テレビドラマ『子連れ狼』(1973年 ? 1976年)などにも影響を与え[9]、一匹狼の渡世人「紋次郎」役を演じた中村敦夫や、宿敵の柳生一族への復讐を内に秘めながら幼い息子「大五郎」を連れて放浪する寡黙な「拝一刀」を演じた若山富三郎萬屋錦之介が人気となった[1][9]

東映京都の任侠路線が停滞した後は、実録路線の作風の東映東京で製作された『仁義なき戦い』(1973年)が「仁義なき戦い・シリーズ」化するほどヒットし、鶴田浩二や高倉健の役柄とは全く違う冷酷無比なヤクザを演じた菅原文太や、第二部『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973年)で破滅に向って走る悲壮美を体現した北大路欣也が注目された[80]。シリーズの傍系作品『仁義の墓場』(1975年)や『やくざの墓場 くちなしの花』(1976年)では、日活の俳優だった渡哲也が新たなイメージを開拓し不吉で狂気的なヤクザ役を好演した[80]

ブルース・リーが急逝と同時に『燃えよドラゴン』(1974年)が世界的に一世を風靡した1970年代、香港映画会社ショウ・ブラザーズのオーディションに合格して『帰って来たドラゴン』(1974年)などに出演した倉田保昭空手柔道合気道などの鍛錬を積んだ武道家で、その後に凱旋帰国した日本でもアクション俳優として活躍した[81]

テレビドラマ『闘え!ドラゴン』(1974年)などで「和製ドラゴン」として人気者となった倉田は、ヒットドラマ『Gメン'75』(1975年 ? 1985年)にもレギュラー出演し、1975年に「倉田アクションクラブ」を創設した[81]。倉田は亡きブルース・リーとは共演はしていなかったが交遊しており、倉田が沖縄の琉球古武術の武器ヌンチャクをリーにプレゼントしたエピソードもあった[81]。日本でブレイク後も倉田は香港映画で活躍し続け、1990年代以降もジャッキー・チェンジェット・リーらと共演した[81]千葉真一(1961年)

一方、元大部屋俳優スタントマンや『新七色仮面』(1960年)などの変身ヒーロー役をこなしていた千葉真一は、台湾との合作映画『カミカゼ野郎 真昼の決斗』(1966年)やアメリカとの合作映画『海底大戦争』(1966年)などにも主演した(海外ではSonny Chibaの名称)。千葉主演の映画に少年時代のキアヌ・リーブスは夢中になっていたという[29]。テレビ時代になってから千葉は日本のテレビドラマ『キイハンター』(1968年 ? 1973年)のアクションでお茶の間の人気者となった[5]。その後の角川映画戦国自衛隊』(1979年)では千葉自らが日本で初めてアクション監督を務め、1970年に千葉が創設していたアクション団体「JAC」の新人メンバーの真田広之もヘリコプターから飛び降りるという危険な離れ技を披露した[5]ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)での真田広之

真田広之は1980年代には『魔界転生』(1981年)、『里見八犬伝』(1983年)などに出演し人気アクション俳優となったが[5]、その後は次第にアクションから距離を置くようになり一般的なドラマの役が増えた時期もありつつも、海外にも活動の場を広げて『ラスト サムライ』(2003年)ではトム・クルーズ、『ラッシュアワー3』(2007年)ではジャッキー・チェンと共演し、「ジョン・ウィック・シリーズ」4作目の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023年)ではキアヌ・リーブスと共演した[29][5]。その後も真田は世界的に活躍し自身プロデュース・主演の世界配信戦国ドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』(2024年)が好評となった[82][83]

ブルース・リーのカンフー・ブームから、日本の忍者に目をつけたハリウッド映画『燃えよNINJA』(1981年)に出演したショー・コスギは身軽な忍者役を好演し、映画も世界的にヒットして全米などで忍者ブームが起るほどの人気となってシリーズ化した[2]。ショー・コスギの息子でアメリカ育ちのケイン・コスギも「忍者シリーズ」2作目の『ニンジャII/修羅ノ章』(1982年)で子役デビューし、成人後は日本で初主演映画『マッスルヒート』(2002年)でスタントマン無しのアクションを演じた。

2007年には岡田准一主演のテレビドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』が映画化されるなどヒットし、岡田は映画版の『SP 野望篇』(2010年)では、肉体改造と様々な格闘技の訓練を積みノースタントで演じるなどアクション俳優としてブレイクを果たし、以降様々なアクション映画に出演するようになった。

人気漫画を実写化したヒット映画『るろうに剣心』(2012年)に主演した佐藤健は、元々少林寺拳法ブレイクダンスの経験があったが、さらにアクション・トレーニングを東京で3か月、京都で4か月行ない[84]、スタントマン無しでスパイク付きの足袋により斜め走りや壁走りのアクションを演じ主人公「緋村剣心」を好演して注目された[5]。同じく漫画原作の『キングダム』(2019年)主演の山ア賢人も古代中国の武将「李信」を好演した[5]

千葉真一の長男・新田真剣佑は父同様に器械体操や空手などの心得があり、漫画『聖闘士星矢』を題材にしたハリウッド映画『聖闘士星矢 The Beginning』(2023年)では主人公「天馬星座の星矢」役で主演した[5]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 戦争映画は『眼下の敵』(1957年)などの潜水艦ものの古典的傑作も生れた[1]


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