アクション俳優
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1995年の『リービング・ラスベガス』で第68回アカデミー賞主演男優賞を受賞をした経験がある演技派のニコラス・ケイジも、往年のスパイ・アクション俳優のショーン・コネリーと共演した『ザ・ロック』(1996年)で好演し、キアヌ・リーブス主演の『スピード』同様に、必ずしも肉体派ではないが絶体絶命のピンチを頭脳戦でも切り抜けていく主人公のアクションが人気となった[1][30]。この作品でアクション俳優として目覚めたニコラス・ケイジは『コン・エアー』(1997年)でも奮闘する主人公を演じ、『フェイス/オフ』(1998年)では共演者のジョン・トラボルタと顔が入れ替わる一人二役(善と悪)を演じ、白い鳩が舞う教会での迫真のガン・アクションで「ジョン・ウー節」を好演した[26]

一方で、1990年代前半には従来型の「ワンマンアーミー」映画もまだまだ根強い人気があり、セガール主演で「沈黙シリーズ」第一弾となった『沈黙の戦艦』(1992年)や、ヴァンダム主演でジョン・ウー監督のハリウッド進出作である『ハード・ターゲット』(1993年)、ジェームズ・キャメロン監督とシュワルツェネッガーが三回目のタッグを組んだ『トゥルーライズ』(1994年)等がヒットしている。

またこの頃、シルヴェスター・スタローンも山岳アクション『クリフハンガー』(1993年)で山岳救助隊員役を好演し、Tシャツ一枚で氷壁をよじ登り、雪山で武装強盗団の一味と勇敢に闘うマッチョ芸の顕在ぶりを見事に披露した[31]。この映画では世界的なクライマーたちがスタントマンで参加した[31]

『沈黙の戦艦』(1992年)でスティーヴン・セガールと共演し、サスペンス・アクション『逃亡者』(1993年)ではハリソン・フォードと共演し助演ながらもハリソン・フォードを追い続ける連邦保安官役で存在感を発揮していたトミー・リー・ジョーンズは、ウィル・スミスとのコンビで主演を果たしたSFアクション・コメディー『メン・イン・ブラック』(1997年)ではMIBエージェント「K」役が当り役となり、「メン・イン・ブラックシリーズ」は人気シリーズとなった。

シルヴェスター・スタローン主演のヒット作『デモリションマン』(1993年)で敵役を演じたウェズリー・スナイプスもアクション俳優として注目を集め、トミー・リー・ジョーンズと共演した『追跡者』(1998年)では無実の罪で逃亡する元CIA特殊工作員を演じて好評となり、同じく1998年公開の『ブレイド』はシリーズ化されるなど人気を博した。

孤独で無口な殺し屋と12歳の少女の交流を描いたフランスのアクション映画『レオン』(1994年)で、クライマックスにアパートを包囲されての壮絶な銃撃戦を見事に演じ、少女「マチルダ」を脱出させた「レオン」役のジャン・レノも注目された[32]。殺し屋が子供を守りながら戦うという設定のモチーフは、ジーナ・ローランズ主演の犯罪映画『グロリア』(1980年)がヒントになっており、さらに『グロリア』の設定は日本の時代劇『子連れ狼』が元ネタとなっていた[32]トム・クルーズ(2014年)

アクション青春映画トップガン』(1986年)の米軍戦闘機パイロット役で出世し青春スター俳優(ブラット・パック)だったトム・クルーズは、『ミッションインポッシブル』(1996年)の主演で秘密機関 IMF(Impossible Mission Force)のエージェント「イーサン・ハント」を演じてスパイ・アクションの復権に成功し、自らが危険なスタントをこなし、迫力のあるシーンを演じていることも話題となった[1][33]

『ミッションインポッシブル』以降も他のアクション映画に多数出演するようになったトム・クルーズだが、派手にバイクを乗り回したり、超高層ビルの外壁をよじ登ったり、飛行機にしがみついて空を飛んだりする独創的で難易度の高い危険なアクションが見物の「ミッション:インポッシブルシリーズ」は2020年代以降の長きにわたる人気シリーズとなって、彼の代名詞的な作品となった[1][33]ジャッキー・チェン(2005年)

同時期には、スタントマン出身の香港のカンフー・スターのジャッキー・チェンが『スネーキーモンキー 蛇拳』(1978年)、『ドランクモンキー 酔拳』(1978年)、『クレージーモンキー 笑拳』(1979年)などの香港映画で見せたコミカルな資質を活かして『レッドブロンクス』(1995年)を全米でヒットさせ、続くハリウッド映画ラッシュアワー』(1998年)でも成功を果たし念願のハリウッドでの地位を確立した[34][35][36]。ジャッキーと『ポリス・ストーリー3』(1992年)で共演した女優のミシェル・ヨーバレエ出身の身体能力の高さを活かした見事なアクションで注目され、007シリーズの『トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997年)でハリウッド・デビューを果たした[3]ジェット・リー(2006年)

香港映画では中国武術界の神童と呼ばれ、デビュー作『少林寺』(1982年)で一世を風靡していたリー・リンチェイ(ジェット・リー)が一時停滞期を経て武侠映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』(1991年)から始まるシリーズで「黄飛鴻」を演じ再び人気となった[37][38][3]。名をジェット・リーにしてハリウッドに進出してからは、メル・ギブソン主演の『リーサル・ウェポン4』(1998年)での悪役の殺し屋のアクションが注目されオファーが殺到し、2000年代以降『ロミオ・マスト・ダイ』(2000年)、『キス・オブ・ザ・ドラゴン』(2001年)などの主演で成功を収めた[37][38][3][19][注釈 7]


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