アクション俳優
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『マッドマックス』(1979年)、『マッドマックス2』(1981年)、『マッドマックス/サンダードーム』(1985年)で成功したメル・ギブソンは、拠点をアメリカに移した『リーサル・ウェポン』(1987年)の刑事「リッグス」役でも人気を博し、1990年代にわたって人気シリーズ化した[1][19]。『マッドマックス』の「マックス」では孤独な主人公であったが、『リーサル・ウェポン』ではベテラン刑事の相棒役のダニー・グローヴァーと共演した[19]。刑事が二人組バディ、相棒)で活躍する設定は、『48時間』(1982年)のエディ・マーフィニック・ノルティのコンビでも見られた[1][注釈 4]
肉体派アクション・ヒーローの隆盛ランボー3/怒りのアフガン』(1988年)でのシルヴェスター・スタローン

マッチョ系では、前述の『ロッキー』(1976年)のボクサー「ロッキー・バルボア」役で第49回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど俳優として成功していたイタリア系シルヴェスター・スタローンが、さらに単独で多勢を相手に闘う『ランボー』(1982年)の主人公「ジョン・ランボー」でもはまり役となり世界的なアクション俳優の地位を確立した[1][21][17]ベトナム戦争の影を引きずる元グリーンベレー兵士「ランボー」役は当初はスティーヴ・マックイーンなどに打診されていたが、誰も受ける俳優がなく7年間も経過し、スタローンがしぶしぶ引受ける運びとなったが、スタローンの代名詞となった「ランボー・シリーズ」は大人気となり2000年代以降も続くことになった[21]

『ランボー』と同年、一部のワンシーンを除く全てのスタント・アクションを主演のシュワルツェネッガー自らが行った『コナン・ザ・グレート』(1982年)が登場しヒットした。この作品でシュワルツェネッガーの起用の決め手となったのが、スタッフが観賞していた先のドキュメンタリー映画『パンピング・アイアン』(1977年)であった。この『コナン・ザ・グレート』と、スタローン主演の『ランボー』はどちらも新種のアクション・ヒーローを確立した。肉体的に有能で堂々とした彼らは、1950年代の比較的華奢な俳優とは別世界の存在であった。1960年代から1970年代前半に注目されたジョン・ウェインやクリント・イーストウッドが体現したヒーローであれば、敵を先に銃で撃ち、質問は後回しにしたかもしれないが、この新種のヒーローはそもそも質問などしない主人公像だった[22]ターミネーター2』でのアーノルド・シュワルツェネッガーの蝋人形

スタローンが「ワンマン・アーミー」(1人対多勢の戦闘物)の『ランボー』(1982年)でブレイクした同時期には、オーストリアからアメリカに移住し、「ミスター・オリンピア」のチャンピオンから俳優に転身したアーノルド・シュワルツェネッガーも前述の英雄ファンタジー『コナン・ザ・グレート』(1982年)のヒットを経て、出世作のSFアクション『ターミネーター』(1984年)のアンドロイドT-800」役でブレイクした[23][17]。続いてヒットした「ターミネーターシリーズ」の2作目『ターミネーター2』(1991年)では守る側のヒーロー・アンドロイド役となり、ロバート・パトリックが好演した最新型アンドロイド「T-1000」との死闘を繰り広げた[23]。シュワルツェネッガーは「ワンマン・アーミー」の『コマンドー』(1985年)での単独ヒーローでも人気者となった[1][17]

シュワルツェネッガーは、ハリウッド映画界に本格的な肉体改造や筋肉トレーニングを持ち込み、「肉体派俳優」という存在価値をスクリーン上で認識させ、見た目の説得力を付加することで人間離れした無敵の強さを持つ新たな超人ヒーロー像を数多くのアクション映画で演じて、ライバルの「ランボー・シリーズ」のスタローンとともに、1980年代を代表する二大アクション俳優となった[1][17]デルタ・フォース』(1986年)でのチャック・ノリスジャン・クロード・ヴァンダムスティーヴン・セガール(2011年)

同時期には空手のチャンピオンで、ブルース・リーの敵役を演じたこともあるチャック・ノリスも主演作『地獄のヒーロー』(1984年)がヒットし「地獄のヒーローシリーズ」が人気シリーズとなった。

1980年代後半には同じくマーシャルアーツ(武術)のたしなみのある格闘家武道家の俳優が多く登場し、『レッド・スコルピオン』(1989年)などに主演したドルフ・ラングレンや、『キックボクサー』(1989年)などがシリーズ化したジャン・クロード・ヴァンダムが人気となり、『刑事ニコ/法の死角』(1988年)がヒットした合気道家のスティーブン・セガールも活躍した[13]

この1980年代から1990年代前半には、一般俳優が格闘やアクションに挑戦することはあまりなく、アスリート武道・格闘経験のある体育会系出身者が“アクション俳優”として主役を演じることが多かった[1]。ドルフ・ラングレンも「昔(1980年代)は実際のアスリートや格闘家でなければアクションを演じられなかった」と答えている[24]
一般俳優によるアクション演技への参入ブルース・ウィリス(2007年)


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