1928年にアーチボルドと離婚するが、1930年の中東旅行で出会った、14歳年下の考古学者のマックス・マローワン(1904年5月6日 - 1978年8月19日)とその年の9月11日に再婚する。この結婚について「クリスティはなぜ彼と結婚したかと問われて『だって考古学者なら、古いものほど価値を見出してくれるから』と答えた」という逸話がある。一説によるとそれは誰かが流した心ないジョークで、アガサはジョークの作者を殺してやるといきまいていたとも言われるが(ハヤカワ・ミステリの解説より)、孫のマシュー・プリチャードはアガサ自身が冗談めかしてこのように語ったとしている(『オリエント急行殺人事件』DVD特典インタビューより)。
1943年に『カーテン』および『スリーピング・マーダー』を執筆。死後出版の契約を結ぶ。私生活では孫マシュー・プリチャード
が誕生している。1973年に『運命の裏木戸(英語版)』を発表。これが最後に執筆されたミステリー作品となった。
死去アガサ・クリスティの墓標
オックスフォードシャーのチョルシーにあるセント・メアリ教会にて。
1976年1月12日、静養先のイギリス、ウォリングフォードの自宅で、高齢のため風邪をこじらせ死去(満85歳没)。死後『スリーピング・マーダー』が発表される。遺骸は、イギリスのチョルシーにあるセント・メアリ教会の墓地に埋葬された。
略歴グリーンウェイ・ハウス
1890年9月15日 イギリスの保養地デヴォンシャーのトーキーにて、フレデリック・アルヴァ・ミラーと妻クララの次女、アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラーとして生まれる。正規の学校教育は受けず母から教育を受ける。
1901年 父が死去。この頃から詩や短編小説を投稿し始める。なお、詩や小説を書くことになった理由は、インフルエンザにかかった際、読む本がなかったからだという。
1909年 自身初の長編小説『砂漠の雪』を書き、作家イーデン・フィルポッツの指導を受ける。
1914年 アーチボルド・クリスティ大尉と結婚。第一次世界大戦中には薬剤師の助手として勤務し、そこで毒薬の知識を得る。
1919年 娘ロザリンド・ヒックスが誕生。
1920年 数々の出版社で不採用にされたのち、ようやく『スタイルズ荘の怪事件』を出版、ミステリー作家としてデビューする。
1924年 『茶色の服の男』で初めてまとまった収入を得る。サニングデールに家を買い「スタイルズ荘」と命名する。
1926年 『アクロイド殺し』を発表。大胆なトリックと意外な真犯人をめぐって、フェアかアンフェアかの大論争がミステリー・ファンの間で起き、一躍有名に。また、母が死去する。この年アガサは謎の失踪事件を起こす。
1927年 スタイルズ荘を売却する。
1928年 アーチボルドと離婚。アーチボルドは愛人と再婚。
1930年 中東に旅行した折に、14歳年下の考古学者のマックス・マローワン(1904年5月6日 - 1978年8月19日)と出会い、9月11日再婚する。
1933年 夫とともにエジプトへ旅行。道中で乗船したナイル川のクルーズ船に触発され、旅行から4年後に『ナイルに死す』を上梓[8]。
1938年 グリーンウェイの別荘を購入。以後、毎年夏の休暇をここで過ごす。
1943年 『カーテン』および『スリーピング・マーダー』を執筆。死後出版の契約を結ぶ。孫マシュー・プリチャードが誕生。
1952年 書き下ろしの戯曲『ねずみとり』の世界最長ロングラン公演(1952年11月25日 - )始まる。
1955年 MWA賞巨匠賞 受賞。
1956年 大英勲章第3位(CBE)叙勲。
1971年 大英勲章第2位(DBE)叙勲。
1973年 『運命の裏木戸(英語版)』を発表。最後に執筆されたミステリ作品となる。
1975年 『カーテン』の発表を許可する。
1976年1月12日 高齢のため風邪をこじらせ静養先のイギリス、ウォリングフォードの自宅で死去。死後『スリーピング・マーダー』が発表される。遺骸は、イギリスのチョルシーにあるセント・メアリ教会の墓地に埋葬された。
2009年には『犬のボール』など未発表短編2篇が発見され、創作ノート『アガサ・クリスティの秘密ノート(上・下)』とともに公刊された。
作品詳細は「アガサ・クリスティの著作一覧」を参照
1920年のデビューから85歳で亡くなるまで長編小説66作、中短編を156作、戯曲15作、メアリ・ウェストマコット (Mary Westmacott) 名義の小説6作、アガサ・クリスティ・マローワン名義の作品2作、その他3作を執筆。ほとんどが生前に発表されている。中でも『アクロイド殺し』(1926年)・『オリエント急行の殺人』(1934年)・『ABC殺人事件』(1936年)・『そして誰もいなくなった』(1939年)等は世紀をまたいで版を重ねており、世界的知名度も高い。また生前中に刊行されなかった作品や死後に見つかった未発表作、小説作品の戯曲化、あるいはその逆など細かい物を含めればまだ数点増える[注釈 3]。