アイルランド系
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接頭語 O で始まるアイルランド固有の姓としては、オニール(O'Neill)、オブライエン(O'Brien)、オコナー(O'Connor)、オリアリー(O'Leary)、オショーネシー(O'shaughnessy)、オドネル(O'Donnell)、オトゥール(O'Toole)、オメーラ(O'Meara)、オマリー(O'Malley)、オハラ(O'Hara)、O'Bradaigh、オライリー(O'Reilly)などがある。

同様に Mc、Mac で始まる姓については、マグローイン(McGroyn)、マギンティ(McGuinty)、マクスタフィン(McStiofain)、マクドノー(McDonagh)、マクドナルド(McDonald)、マックィラン(McQuillan)、マッギネス(McGuinness)、マゴニグル(McGonigle)、マッカーサー(MacArthur)、マックイーン(McQueen)、マグワイア(McGuire)、マクマホン(McMahon)などがある。

12世紀後半から13世紀にかけてノルマン人ウェールズ人ブリトン人などがアイルランドを侵略してレンスター王国の一部を占領した。それから300年ほどの間に支配階級のアイルランド種族と通婚を繰り返し、現在「古来のアイルランド人よりもアイルランドらしい」と言及されるような文化を作り上げた。

こうした史実を背景に生じたのが Fitz を冠する家名である。Fitz はノルマン語の子 fis に由来する。Fiz で始まる姓は、フィッツジェラルド(FitzGerald)、フィッツシモンズ(FitzSimmons)、フィッツギボンズ(FitzGibbons)、フィッツパトリック(FitzPatrick)、フィッツヘンリー(FitzHenry)などである。
現代のアイルランド人

北アイルランドではプロテスタントが多数派を占めているが、2001年の調査ではカトリック教徒が43.8%を占めている。1603年にアイルランドがイングランドの支配下に入ってから、ジェームズ1世クロムウェルウィリアム3世などの治世にイングランド人スコットランド人のアイルランドへの入植がアイルランド島北部のアルスター地方を中心として盛んに行われた。彼らはノルマン人とは違い、先住アイルランド人と通婚することが少なく、孤立したコミュニティを形成した。

アイルランドで民族主義運動が盛り上がるにつれ、カトリック教徒のナショナリストとプロテスタントのユニオニスト (Unionism in Ireland) 間の対立が発生したが、現在では多くのアイルランド人はプロテスタント系の先祖が存在するのが一般的である。

1920年のアイルランド統治法と翌年のアイルランド自由国建国により、アルスター地方のうち6州は北アイルランドを構成して、残りのアイルランドと分離した。今日の北アイルランドでは、プロテスタントはイングランドまたはスコットランド系の姓、カトリックはアイルランド固有の姓を持つ傾向にあるが、これには例外も多い。
海外への移住

アイリッシュ・ディアスポラ  (Irish diaspora)  は、アイルランド島外に移住したアイルランド人たちをさす言葉である。ジャガイモ飢饉による食糧事情などの悪化によって移民になる者が急激に現れ、世界各国に移住した。移住先としてはアメリカ合衆国イギリスカナダオーストラリアニュージーランドアルゼンチン南アフリカ共和国、そして西インド諸島などである。これらの国々においてアイルランド系と見なされる人々の数は、合計8000万人にもおよぶ。その成功例がジョン・F・ケネディ大統領らを輩出したケネディ家である。

ヨーロッパ諸国の他にはアメリカ合衆国アイルランド系アメリカ人)、アルゼンチンアイルランド系アルゼンチン人)、チリアイルランド系チリ人)、ブラジルなどにアイルランド人コミュニティが存在する。アメリカにおけるアイルランド系住民の合計は4400万人と見られており、これはドイツ系に次ぐ規模の民族集団である。ラテンアメリカへの移民は18世紀から19世紀にかけて行われた。アルゼンチンには50万人ものアイルランド系の人がいると見られており、チェ・ゲバラベルナルド・オイギンス(チリの建国の父)などもアイルランド系の血をひいている。
歴史上のアイルランド人

Diarmait mac Mail na mBo
- レンスター王 1072年死亡

Echmarcach mac Ragnaill - ダブリン王 アイリッシュ海を支配 1061年以後に死亡

エリウゲナ - 哲学者 877年死亡

Maelruanaidh Mor mac Tadg - Moylurg王国の創始者

Niall of the Nine Hostages - アイルランドの多くの王朝の祖先、450年から455年の間に死亡

その他の人物についてはアイルランド人の一覧を参照
関連項目

アイルランド人の一覧

アイルランドの歴史

アイルランド系アメリカ人

アイルランド系アルゼンチン人

アイルランド系チリ人

ブラックアイリッシュ

脚注[脚注の使い方]^The island history, discoverireland.com
^ American FactFinder, United States Census Bureau. “ ⇒U.S. Census Bureau, 2007”. Factfinder.census.gov. 2010年5月30日閲覧。
^“One in four Britons claim Irish roots”. BBC News. (2001年3月16日). ⇒http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/1224611.stm 2010年3月28日閲覧。 
^ “ ⇒Ethnocultural portrait of Canada”. Statistics Canada (2006年). 2008年7月4日閲覧。
^ The ⇒2006 Australian Census reports 1.9 million people of Irish ancestry in the 2001 Census. Up to two ancestries could be chosen. Recent increases in the number who identify as Australian suggest that this number is an underestimate of the true number with Irish ancestry. With that being said, the number claiming Irish ancestry from the previous census actually more than doubled. One reason, an improved image of what it means to be Irish according to the census experts, making Australians more proud to state their Irish ancestry. Also the Australian Embassy in Dublin states that up to 30 percent of Australians have some degree of Irish ancestry. ⇒[1].
^An Irish Argentine in the Easter Rising[リンク切れ]
^ Bowcott, Owen (2006年9月13日). ⇒“More Britons applying for Irish passports | UK news | guardian.co.uk”. The Guardian (London). ⇒http://www.guardian.co.uk/britain/article/0,,1871753,00.html 2009年12月31日閲覧。


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