アイルランド系
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次いで高いのがクロマニョン人由来(第1の民族由来)のハプログループIであり、14.86%(33/222)である[8]
アイルランド人の人名

19世紀から20世紀にかけてアメリカへと移住したアイルランド人の間で、アイルランド語で書かれ発音されていた人名を英語化することが行われた。今日でもアイルランド語、英語両方の名を持つ人々が存在する。

ゲール由来の家名には O’ および Mc(少数は Mac または Ma)で始まる場合があるが、これはそれぞれ○○の孫、子孫を示す接頭語である。例えばアイルランド上王のブライアン・ボル(Brian Boru)の子孫はオブライエン(O'Brien)という具合である。Mc については高地スコットランドの家名と同様に○○の子といった意味である。接頭語 O で始まるアイルランド固有の姓としては、オニール(O'Neill)、オブライエン(O'Brien)、オコナー(O'Connor)、オリアリー(O'Leary)、オショーネシー(O'shaughnessy)、オドネル(O'Donnell)、オトゥール(O'Toole)、オメーラ(O'Meara)、オマリー(O'Malley)、オハラ(O'Hara)、O'Bradaigh、オライリー(O'Reilly)などがある。

同様に Mc、Mac で始まる姓については、マグローイン(McGroyn)、マギンティ(McGuinty)、マクスタフィン(McStiofain)、マクドノー(McDonagh)、マクドナルド(McDonald)、マックィラン(McQuillan)、マッギネス(McGuinness)、マゴニグル(McGonigle)、マッカーサー(MacArthur)、マックイーン(McQueen)、マグワイア(McGuire)、マクマホン(McMahon)などがある。

12世紀後半から13世紀にかけてノルマン人ウェールズ人ブリトン人などがアイルランドを侵略してレンスター王国の一部を占領した。それから300年ほどの間に支配階級のアイルランド種族と通婚を繰り返し、現在「古来のアイルランド人よりもアイルランドらしい」と言及されるような文化を作り上げた。

こうした史実を背景に生じたのが Fitz を冠する家名である。Fitz はノルマン語の子 fis に由来する。Fiz で始まる姓は、フィッツジェラルド(FitzGerald)、フィッツシモンズ(FitzSimmons)、フィッツギボンズ(FitzGibbons)、フィッツパトリック(FitzPatrick)、フィッツヘンリー(FitzHenry)などである。
現代のアイルランド人

北アイルランドではプロテスタントが多数派を占めているが、2001年の調査ではカトリック教徒が43.8%を占めている。1603年にアイルランドがイングランドの支配下に入ってから、ジェームズ1世クロムウェルウィリアム3世などの治世にイングランド人スコットランド人のアイルランドへの入植がアイルランド島北部のアルスター地方を中心として盛んに行われた。彼らはノルマン人とは違い、先住アイルランド人と通婚することが少なく、孤立したコミュニティを形成した。

アイルランドで民族主義運動が盛り上がるにつれ、カトリック教徒のナショナリストとプロテスタントのユニオニスト (Unionism in Ireland) 間の対立が発生したが、現在では多くのアイルランド人はプロテスタント系の先祖が存在するのが一般的である。

1920年のアイルランド統治法と翌年のアイルランド自由国建国により、アルスター地方のうち6州は北アイルランドを構成して、残りのアイルランドと分離した。今日の北アイルランドでは、プロテスタントはイングランドまたはスコットランド系の姓、カトリックはアイルランド固有の姓を持つ傾向にあるが、これには例外も多い。
海外への移住

アイリッシュ・ディアスポラ  (Irish diaspora)  は、アイルランド島外に移住したアイルランド人たちをさす言葉である。ジャガイモ飢饉による食糧事情などの悪化によって移民になる者が急激に現れ、世界各国に移住した。移住先としてはアメリカ合衆国イギリスカナダオーストラリアニュージーランドアルゼンチン南アフリカ共和国、そして西インド諸島などである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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