アイルランド国教会
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2007年に聖職授任された人数は、カトリックが9人だけであったのに対し、アイルランド聖公会は20人であった[12]
構造

アイルランド聖公会の運営形態は、他の聖公会派と同じく監督制をとっている。教会自体は宗教改革以前のものもそのまま使用しており、地理的な小教区 (parishes) は教区 (dioceses) に内包されている(市と県との関係のようなもの)。教区は12で構成されており、それぞれを主教がまとめている。さらに、南の5区はダブリン大主教がまとめており、北の7区はアーマー大主教がまとめる形となっている。これらは尊敬をこめて前者はアイルランド首座主教(英語版)と呼ばれ、後者は全アイルランド首座主教と呼ばれるが、この呼び方においてはアーマー大主教が上であることが明示されている。しかしこの差はアーマー大主教の方が、ダブリン大主教と比較すればわずかに大きな権限を持っているという程度である。なお、アーマー大主教は教会のトップ、そしてスポークスマンとして尊敬されており、またその選出には他の主教とは別の過程を取っている。

教会法および教会の方針は総会によって決定され、方針の変更には主教院(House of Bishops)と代表院(House of Representatives。司祭と一般信徒からなる)の両方で可決されなければならない。ただし重要な変更(たとえば女性を聖職につけるといったもの)については3分の2の可決が必要とされる。投票について代表院は、慣例的にしばしば公開投票をおこなう一方で、主教院は総会で結果が出る以前に非公開で投票を行う傾向がある。これは過去に1度だけ破られたことがあり、1999年5月18日(この年のキリストの昇天の日)、ポータダウン(英語版)近郊のドラムクリー教会(英語版)において、アーマー主教区と総会の代表者たちが難局を打開しようと試みる中、主教院は「アーマー大主教の努力」[13]を認めるために公開投票において満場一致で可決した。
礼拝と典礼

アイルランド聖公会は主教司祭執事という3つの聖職者階級で構成されている。
聖公会祈祷書「聖公会祈祷書」も参照

祈祷書の最初の翻訳は1606年に出版され、1662年に作られた改訂版は1712年に出版された。
教義と儀式「聖公会」および「en:Anglican doctrine」も参照

アイルランド聖公会の中心教義はイエス・キリストの生死とその復活である。中心的な教義は以下の通り。

イエスは完全に人でありながら完全に神であり、また一度死んだ後に復活した。(Jesus Christ is fully human and fully God in one person. He died and was resurrected from the dead.)

イエスは信じるものに永遠の命を得る方法を与える。(Jesus provides the way of eternal life for those who believe.)

新旧両聖書(神の言葉を記したもの)は人々によって「聖霊感の元で」書かれた。外典については読む物には加えられているが、教義には反映されない。(The Old and New Testaments of the Bible ("God's Word written") were written by people "under the inspiration of the Holy Spirit". The Apocrypha are additional books that are to be read, but not to determine doctrine.)

二つの偉大かつ重要なサクラメント聖奠)は、洗礼聖餐である。(The two great and necessary sacraments are Holy Baptism and The Lord's Supper/Holy Communion/ the Eucharist)

「聖奠的諸式」(通例的に聖奠と呼ばれるが聖書の教義上は聖奠に数えられないもの)としては、堅信叙任(聖職者按手)、聖婚(婚姻)、告解(個人懺悔)、病者の塗油を認める。(Those "Commonly called Sacraments that are not to be counted for Sacraments of the Gospel" are confirmation, ordination, marriage, reconciliation of a penitent, and unction.)

天国地獄、そしてイエスの再臨を信じる。(Belief in heaven, hell, and Jesus's return in glory.)

聖公会の主な3要素は聖書、伝統、理性であり、これら3つは互いに強く擁護し互いに強く批判する関係にある。この3つのバランスは16世紀の神学者リチャード・フッカーの業績に由来している。フッカーの考えにおいて、聖書にはっきりと書いてあるものが教義になりうるものであり、また聖書にはっきりと述べられているものは本当のことであるとする。不確か、不明瞭なものについては伝統に入るものとして、そして以上のものは理性によって監視される[14]
世界との関わり

アイルランド聖公会はほかの聖公会と同様にキリスト教団体のひとつであり世界教会協議会の一員でもある。ほかにアイルランド教会評議会にも参加しており、ポルヴォー・コミュニオンの一員でもある。
脚注^ アイルランドの標準名データベース、Civil parishes項 ⇒アイルランド語版 and ⇒英語版 - "na bparoisti Caitliceacha nua-aimseartha na pharoisti Eaglais na hEireann."
^http://www.ireland.anglican.org/index.php?do=about アイルランド聖公会の公式HP
^http://www.ireland.anglican.org/index.php?do=information&id=23 アイルランド聖公会公式HP、聖公会の範囲について


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