北海道や千島、樺太の開発と学術調査が本格化した明治以降、国内外の民族学者や考古学者らが、アイヌを含む北方先住民族の墓地を盗掘して、遺骨を乱雑に扱ったり、国外に持ち出したりした例があった。北海道大学では1995年に「北大人骨事件」が発覚。北大は学内で保管するアイヌの遺骨(16人分)を、日本政府のガイドラインに沿って子孫ら祭祀継承者へ渡す「アイヌ遺骨等返還室」を2015年4月に設置した[112]。またドイツの学術団体「ベルリン人類学・民族学・先史学協会」(BGAEU)は2017年7月31日、ドイツ人旅行者のゲオルク・シュレジンガーが1879年に札幌市内のアイヌ墓地から持ち出したアイヌの遺骨1体を、在ベルリン日本大使館で北海道アイヌ協会へ返還した。この遺骨は8月2日に北海道大学のアイヌ納骨堂に納められた後、同月4日に慰霊祭(イチャルパ)で供養される予定である[113]。
画像
アイヌの狩人を描いたアイヌ絵
アイヌの漁師を描いた絵(1843年)
ブロニスワフ・ピウスツキが撮影したアイヌ
アイヌの暮らしを復元した人形
アイヌの伝統衣装、「アットゥシ」。
鳥の皮で作られた外套「チカ??ウ?」。
木綿を多用した晴れ着「ルウンペ」
北海道日高地方に伝承される晴れ着「カパ?ミ??」
イザベラ・バードによるチセの外観
白老町のアイヌ民族博物館に復元されたアイヌの村の風景
伝統的なアイヌの結婚
博物館、資料館
北海道立アイヌ総合センター(札幌)
札幌市アイヌ文化交流センター (サッポロピリカコタン)
旭川市博物館
釧路市立博物館
北海道博物館
二風谷アイヌ文化博物館
萱野茂二風谷アイヌ資料館
新ひだか町アイヌ民俗資料館
弟子屈町屈斜路コタンアイヌ民俗資料館
川村カ子トアイヌ記念館 (旭川)
ウポポイ(民族共生象徴空間)(旧名:アイヌ民族博物館)
関連団体
北海道アイヌ協会
アイヌ民族党
関連作品『コタンの口笛』(1959年)
鶴田知也『コシャマイン記』(小説)(1936年)第3回芥川龍之介賞受賞
菊田一夫作詞、古関裕而作曲『イヨマンテの夜』(曲)(1949年)
つげ義春『熊祭の乙女』(コミック)(1956年)[114]
石森延男『コタンの口笛』(小説、映画)(1957年、1959年)未明文学賞、産経児童出版文化賞受賞
武田泰淳『森と湖のまつり』(小説、映画)(1958年)
佐藤さとる『だれも知らない小さな国』(小説)(1959年)毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞受賞 アイヌの伝承に由来する小人コロポックルをモデルとした「コロボックル」が登場する。続編を含め『コロボックル物語』シリーズを形成。
渡辺邦男監督『水戸黄門海を渡る』(映画)(1961年)
つのだじろう『あかね雲のうた』(コミック)[115] [116](1964年)
安藤美紀夫『ポイヤウンベ物語』(小説)(1966年)サンケイ児童出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞受賞
高畑勲監督『太陽の王子 ホルスの大冒険』(アニメーション)(東映動画、1968年) 原作がアイヌの叙事詩を題材にした人形劇。
前川康男『魔神の海』(小説)(1969年)日本児童文学者協会賞受賞
矢野徹『カムイの剣』(小説、アニメーション)(1970年、1985年)
手塚治虫『シュマリ』(コミック)(小学館ビッグコミック 1974-1976) 明治初期の北海道を舞台にした漫画作品。主人公の名前がアイヌ由来[116]。
石坂啓『ハルコロ』(コミック)(潮出版社1992,1993)ISBN 978-4267902420, ISBN 978-4267902482
サムライスピリッツ(格闘ゲーム)(1993- ) メインキャラクターのひとりがアイヌの少女ナコルル。
船戸与一『蝦夷地別件』(小説)(1995年)1995年『このミステリーがすごい! '96年版』第3位、同年『週刊文春ミステリーベスト10』第7位、1996年第14回日本冒険小説協会大賞(国内部門)。