2010年代の女性アイドルグループは一部を除き、そのほとんどが握手券を封入させたCDの売上や、チェキ券などの物販の売上で収益を得ており、2000年代までは珍しかった接触イベント重視のアイドルが一般的になった。
一方で、供給過多とも言えるアイドルグループの数や、ファンとの距離が近いビジネスにより、2014年のAKB48握手会傷害事件や、2016年の小金井ストーカー殺人未遂事件、2019年のNGT暴行事件等、女性アイドルがトラブルや事件に巻き込まれるケースが相次いで発生するようになった。
2010年代終盤では、新たにでんぱ組.incやBiSHなどがコンサート・ライブでの成果を見せたが、従来のコンセプトを抜け出せない量産型アイドルが増えており、ほとんどが小規模のライブや握手会などのいわゆる接触イベントといったマイナーアイドルの活動方式に従うので、大衆的にアピールするのが難しい状況である。
大量の女性アイドルグループがデビューし、一定の人気を獲得するようになった一方で、ソロ女性アイドルに関しては、ハロプロや秋元系グループからソロデビューする極一部の者等を除くと、メジャーシーンではほぼ存在しなくなった時代でもあった。
また、この頃から「推し」という言葉が一般化した。 2020年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、アイドルの収入源であるライブ公演やグッズ販売が困難となり、大きな支障をきたしている。この問題はアイドルだけでなく芸能界全体にも関係するが、特に握手会などで利益を出していた昨今のアイドルは打撃が大きく、2022年には秋元康が運営参画したラストアイドルが解散した(その後、グループ名を引き継ぎ再デビュー)。坂道シリーズやPerfume、AKB48グループ、ハロー!プロジェクト、STARDUST PLANETといった既に人気のあるグループを除いた場合、アイドルたちの活躍はほとんどテレビでは見られない。また、2020年大晦日の『第71回NHK紅白歌合戦』ではAKB48が落選し[67]、2022年の『第64回日本レコード大賞』でも、坂道シリーズとAKBグループが選出されなかった。 アイドル全体で見た時にマスメディアで常時取り上げられるほどの人気を獲得するアイドルは極めて例外的であり、それ以外はライブアイドルとして街頭でのチラシ配布やライブハウスにおける公演の他に、SNSや動画共有サイトなどでの情報発信によって集客を行っており、収益が不足し短命に終わるアイドルも非常に多い。 コロナ不況のなかで若い世代に華やかな1980年代が再発見され、1980年代女性アイドルのリバイバルが起きた[68]。 また、2020年以降では、テレビ出演でアイドルとしてデビューするケースではなく、YouTubeやTikTok等のSNSでの情報発信を通して、クリエイターとしての人気や収入源を確立してから、アイドルとして成功するケースが増えている。2020年以降、各テレビ局が視聴率の指標を、世帯視聴率からより若年層がターゲットである個人・コア視聴率へと変更したことにより、なえなのや景井ひなといったインフルエンサー・TikTokerや、古川優奈や生見愛瑠等といったモデルがテレビでも活動するようになったが、写真集を出したり男性雑誌へのグラビアも行うなど、事実上アイドルのような活動を行っている者も多い(いわゆるモグラ女子)。一方で、平成期に全盛を極めた専業グラビアアイドルはテレビから殆ど姿を消し、一部の者が深夜番組やトーク番組にゲストで登場する程度にまで活動が減っている。 さらに、YouTubeへの動画投稿を中心に活動するアイドル、いわゆる「アイドルYouTuber」も登場した。例えば、おこさまぷれ?と。は、クリエイターとしてYouTubeチャンネルへの毎日投稿を中心に行いながら、音楽レーベルに所属して自身のMV制作やライブイベントを実施することでアイドル活動を行っている。 韓流ブームにおける東方神起やBIGBANGといった韓流アイドルや、チャン・ドンゴンや『冬のソナタ』でブレイクしたペ・ヨンジュンといった俳優を足掛かりに日本に進出し、2000年代後半からKARAや少女時代が日本でも人気になった。実力派アイドルの空席を埋める形でTWICEをはじめとするK-POPアイドルグループが日本に進出し、需要を満たしているのではないかという見方もある。さらにAKB48グループと韓国のCJ ENMによる日韓合同アイドルグループIZ*ONEに宮脇咲良(当時HKT48)らも参加した。 K-POP人気を受けて日本のソニーミュージックと韓国のJYPエンターテインメントによる共同ガールズグループプロジェクトであるNizi ProjectからNiziUが2020年12月2日にデビューした。 一方で、2011年のフジテレビ騒動など2010年代前半に日韓の政治的関係が急激に悪化して以降、K-POPグループを大々的に日本のテレビ番組などに出演させることが困難となった(特に徴兵制の影響で政治軍事と関係の深い男性アイドル)。 この他、中国では2021年に大衆文化芸術全般への整風運動として、K-POP的な男性アイドル(女性アイドルも含む)の容姿や活動を規制し[69]、アイドル育成番組を「低俗で下品な娯楽」として放送を禁止した[70]。 50年代にはアネット、ボビー・ライデル、ファビアン、コニー・フランシスらが、また60年代にはモンキーズやシルヴィ・バルタンらフレンチ・ポップスのアイドル、イタリアのジリオラ・チンクエッティ、ボビー・ソロらが人気となった。大阪万博の開催などを契機に世界の音楽への関心が高まり、テレビ局や音楽産業が開催した世界歌謡祭、東京音楽祭からも大ヒットが生まれ、とりわけ1974年の第3回東京音楽祭でグランプリに輝いた当時13歳のルネ・シマールは一躍人気者となった。70年代に於いては、俳優ではジョン・モルダー・ブラウン、レナード・ホワイティング、レイモンド・ラブロック(レイ・ラブロック)、ビョルン・アンドレセンらが日本でも人気になっている。他にマーク・ハミル、マーク・レスター、ジャン・マイケル・ヴィンセント、ジャック・ワイルドなどの人気俳優も、欧米や日本のティーンエイジャーの間で人気だった。
2020年代
日本における韓国アイドル詳細は「K-POP」および「韓流」を参照
洋楽アイドル