また若手俳優からは「桜坂」でダブルミリオンを記録した福山雅治を初め、織田裕二、1980年代後半にジャニーズ事務所所属の経歴を持つ反町隆史、いしだ壱成、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」出身の武田真治、柏原崇は歌手としても一定の成功を収めた。
お笑い界からは吉本印天然素材、グレートチキンパワーズ、ナインティナイン、猿岩石、ネプチューン、ロンドンブーツ1号2号などがアイドル的な人気を博す。特に吉本印天然素材は最初から「ダンスもできるアイドル芸人ユニット」というコンセプトで売り出され、イベントで後楽園ホールを満員にするなど若い女性を中心に絶大な人気を獲得。彼らの人気に便乗して他のお笑い系事務所からユニットが結成されるなど、「お笑い芸人のアイドル化」が一般的となった。 この時代には男性アイドル事務所のライバルとして、特撮出身者が台頭した。90年代後半から00年代前半にかけて昭和特撮リバイバルの影響でイケメンヒーローブームが発生し、スーパー戦隊シリーズ・仮面ライダーシリーズといったニチアサ特撮番組に出演していたオダギリジョー、要潤、水嶋ヒロ、佐藤健、永井大、玉山鉄二、松坂桃李、ウルトラシリーズ出身の杉浦太陽、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを獲得してデビューした小池徹平や溝端淳平などの若手俳優陣たちの活躍が目立つようになる。以後、ジャニーズの対抗馬は男性アイドルではなく、いわゆるイケメン俳優たちに取って代わることとなった。また俳優業界からは「俳優集団」を称するD-BOYSのメンバーが登場した。 ライジングプロは2000年代に入ると脱税事件や沖縄アクターズスクールとの関係が断絶してしまうなどの状況であったが、そんな中、沖縄以外のアクターズスクール出身者で編成された男性アイドルのプロデュースにも力を入れた。 w-inds.は「少年的&中性的なイメージ」・「ボーカル1人にダンサー2人という特異構成」・「3角形になってパフォーマンスを行う」・「アイドルらしい楽曲」でジャニーズとの差別化に成功し、1stアルバム『w-inds.?1st message?』が初登場で1位獲得。NHK紅白歌合戦にも2002年から2007年まで6年連続で出場した。また日本のみならず中国、香港、台湾、韓国でも活動するなど人気を集めた。FLAMEやLeadといった後輩ユニットも「男性版SPEED」として結成され事務所の危機的な状況に貢献し、人気を繋げたがこちらはヒット曲などに恵まれずあまり良い成果が残せなかった。 1990年代にZOOのメンバーだったHIROを中心に結成されたEXILEも、ボーカルとダンスの分かれた構成と他の男性アイドルとは違った音楽・コンセプトで人気を獲得し、活躍の場を広げる。以降、アイドルグループは歌やダンスの実力にも重点を置くようになり、ダンスグループまたはダンス&ボーカルグループといった表現が使われる事が多くなった(女性アイドルも同様)。2005年デビューのWaTはギターを持ち、アイドルではなくあくまでフォークデュオとして売り出していた。嵐 ジャニーズ事務所からは嵐、タッキー&翼、NEWS、KAT-TUN、Hey! Say! JUMPらが台頭し、テレビ界と男性アイドルシーンにおけるジャニーズの寡占が続いた。中でもKAT-TUNは「不良」や「ギラギラ」などのイメージを持った従来のジャニーズアイドルとは異なったコンセプトで売り出され、デビュー前から東京ドーム公演を開催し、デビューシングル『Real Face』もミリオンセラーを記録するなど大ブレイクした。それに加えて亀梨和也(KAT-TUN)と山下智久(NEWS)による期間限定ユニット・修二と彰のシングル「青春アミーゴ」がヒットした。
2000年代