アイザック・ニュートン
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1672年: ロバート・フックと光の分散干渉の理論に関して論争になった[1][注 39]

1680年: ジョン・フラムスティードと彗星をめぐって論争になった。これは1か月の間隔をあけて現れた彗星が同一のものか別のものかという論争で、フラムスティードが観測データにもとづいて同一だとしたのに対して、ニュートンが別のものだと主張し譲らなかった[1]。論争は一応ニュートンが自説の誤りを認めて収束したものの、自尊心を傷つけられる形になったニュートンは感情的には根に持つことになり、のちに王立協会の会長の地位についたときなどは、その地位を利用してフラムスティードを蹴落とそうとした[1]。また、プリンキピアの執筆時に必要となった天文データを要求するに際して、フラムスティードに対して高慢な態度をとったり、嫌がらせをしたりした[1]。さらには、フラムスティードの長年の観測業績の集大成となる著作『天球図譜』が作られるにあたっては、それを形式的にはハリーの本とし、フラムスティードの名を冠されないよう仕向けるなどという仕返しも行った[1]

1686年: プリンキピアの出版の際、ロバート・フックとのあいだで万有引力のアイディアの先取権をめぐって対立した[1]。フックを憎むあまりニュートンは、王立科学協会で実権を握った際に、当時の協会にあったフックの肖像画をこっそり処分したともされる。

評価・論評
存命時

師のバローからは高く評価され、ルーカス教授職のポストを譲られるなど、科学者としては高い地位を得た。一方で、ニュートンの講義を聴講する学生は少なく、ついには出席する学生がいなくなってしまう事態にも陥った。教育者として講義の内容について学生からの評価はよいものではなかったとされる[25]。また、アカデミーでニュートンと友人であった自然哲学者のロバート・フックは、後年に、万有引力に関する自らの説をニュートンに盗用されたとして、彼を憎むようになった。ニュートンもフックを憎んだとされる。

イギリス国内における政治や世俗の評価としては、ケンブリッジ大学教授職、下院議員職、行政官職に就き、存命中にサーに任じられ、国葬をもって葬られるなど、多くの栄誉に浴している。

他方、同時代のヨーロッパ大陸側の知識人らは、ニュートンを高くは評価していなかった。ニュートンの学説は当時の大陸側の自然哲学(デカルトに端を発した合理主義哲学など)とは相いれず、大陸側からは異様なものとみなされていた。ライプニッツなどの大陸派自然哲学者らからは、ニュートンの提唱した力学体系は「目に見えない要素」を多く前提としておりオカルト的なものだとみなされ否定された(⇒#ニュートンによる科学革命)。また数学の分野で、ライプニッツから積分法のアイデアなどを剽窃したと非難された(⇒#論争・先取権争い・感情的確執)。
後世ウィリアム・ブレイクによるニュートン。「万能の幾何学者」として描かれている

芸術分野の文化人からの評価については、19世紀にはロマン主義の立場からニュートンの業績が非難されるようになった。特に、ジョン・キーツウィリアム・ブレイクウィリアム・バトラー・イェイツらは、ニュートンを「文学の詩情の破壊者」と公言してはばからなかった。

19世紀から20世紀初頭の科学者らによる科学史では、ニュートンは天才的な自然科学者、自然科学界の一種の英雄といったイメージで語られた。経済学者のケインズもそうした英雄的イメージを聞かされて育ったが、長年の研究の結果、ニュートンを「最後の魔術師」や「片足は中世におき片足は近代科学への途を踏んでいる」と評するようになった。(⇒その他の業績
現代

20世紀においては、1978年から1988年にかけて用いられた1イギリスポンド紙幣の肖像として、ニュートンが登場した。21世紀には、BBCに「100名の最も偉大な英国人」において「6位」とされている。以下に、そのほかの各個人(主に学者)のニュートンの評を示した。

マイケル・ハート(英語版): イギリスの天体物理学者である彼は、1978年の自著『歴史を創った100人』 (The 100: A Ranking of the Most Influential Persons in History) で、歴史への影響度の観点から、ムハンマドを1位、アイザック・ニュートンを2位、イエス・キリストを3位、仏陀を4位とした。

リチャード・ドーキンス: 19世紀にロマン主義者らからニュートンが「文学の詩情の破壊者」とされたことを取り上げ、1998年の自著『虹の解体(Unweave the rainbow)』で「スペクトルの発見に代表されるニュートンの研究こそは人類の知見を大きく広げることに貢献したのであり、結果として宇宙へのセンス・オブ・ワンダーを生み出し、詩情の源泉となる」と述べた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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