アイアンマン3
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視覚効果にはスキャンラインVFXデジタル・ドメインWETAデジタルなど17社が参加した。

ポストプロダクション時にステレオDによる3D変換され[9]、2013年4月14日にフランス・パリのグラン・レックス(英語版)でプレミア上映が行われた[10]。国際市場では4月25日[11]、北米では5月3日に封切られた。日本では4月26日と全米の一般公開日よりも早く封切られた。マーベル・シネマティック・ユニバースの映像作品で、このような措置が取られたのは本作が初である(二作目は2016年公開の『シビル・ウォー』)。日本でのキャッチコピーは「さらば、アイアンマン」となっている。
あらすじ

トニー・スタークは、1999年の大晦日にスイスのパーティーに訪れていた。パーティーで知り合った植物学者のマヤ・ハンセンに興味を持って彼女の部屋に向かうが、“アドバンスド・アイデア・メカニックス(英語版)(A.I.M.)”の創設者である若き科学者、アルドリッチ・キリアンの熱烈な交渉を受ける。トニーはキリアンに屋上で商談する約束をするが、それを反故にして「生物の遺伝子の未使用領域を活用して能力を向上させる」という研究についてマヤと一夜を過ごしながら話し合った。キリアンは寒空の下で一晩中トニーを待ち続けたが結局現れず、屈辱を与えられる。

2012年12月。ニューヨークにおけるアベンジャーズロキ率いるチタウリ軍団の戦いから7ヶ月後。トニーはスターク・インダストリーズを恋人ペッパーに任せ、アーマーを次々と開発していた。遠隔操作と自動装着を可能にする新型アーマー“マーク42”まで開発したものの、かつての戦いで不眠症パニック障害を患ったトニーは、悪夢や発作に悩まされ、どこに行くにもアーマーを持ち歩く“アーマー依存症”とも言うべき状態に陥っていた。

その頃アメリカ国内では、爆破テロを行っては電波ジャックによる犯行声明を出す“マンダリン(英語版)”率いるテロリスト組織“テン・リングス”の活動が問題視されていた。トニーの親友であるジェームズ・“ローディ”・ローズ大佐は大統領の命を受け、“ウォーマシン”を改良した新型アーマー“アイアン・パトリオット”を着て捜査を行っていたが、周囲に全く爆弾の痕跡を残さないことから、実行犯を特定できずにいた。

そんなある日、ペッパーの元にキリアンが現れる。かつては小さな研究所だったA.I.Mは、今や政府に認可されるほどの大きなシンクタンクとなっていた。キリアンはペッパーに、人間の脳の未使用領域を利用して人の能力を向上させる細胞“エクストリミス”の研究を行っていることを打ち明け、その研究開発を共同で行おうと提案するが、研究結果が軍事利用されるかもしれないと考えたペッパーは断る。一方、警備主任となっていたハッピーはキリアンとその同行者を不審に思い、彼らを尾行して、チャイニーズ・シアターで同行者が謎のスーツケースを浮浪者に渡す現場を押さえる。が、そのスーツケースに入っていた薬品を浮浪者が摂取した直後、高熱を発しながら爆発を起こす。周囲の民間人数名が犠牲になり、ハッピーも重傷を負って昏睡状態となってしまった。

事件を知ったトニーは、マスコミを通じて「お前の命はここまでと思え。いつでも受けて立つ」と、自宅の住所を公表してマンダリンに宣戦布告。情報収集を行い、テネシー州のある町で酷似した爆発事件が起きていたことを知る。その直後、マヤがエクストリミスの件で相談があると言ってトニーの家を訪れるが、マスコミのヘリに偽装したテロリストのヘリが襲撃してくる。まだ武装の配備や調整が万全でない“マーク42”の最新機能を何とか使いこなし、自宅を破壊されながらもペッパーとマヤの2人を逃し、自身も空を飛んで危機を脱するが、テネシー州に不時着したところでスーツは故障してしまう。トニーは現地で偶然出会った科学好きの少年・ハーレーの協力を得ながら爆発事件の現場や関係者を調べるうちに、爆発を起こした人間がキリアンの属しているA.I.Mに関わっていることを知る。

ローディの協力を得ながらマンダリンのアジトを突き止めたトニーは、マンダリン本人を尋問するが、マンダリンという人物は実在せず、本人とされていたのは金で雇われた売れない俳優のトレヴァー・スラッタリーであり、裏で糸を引いていたのはキリアンであるという事実を知る。キリアンはテン・リングスの紋章を利用すると共にマンダリンという架空のテロリストを作り上げてテロを起こさせ、それに乗じて各国の政府や軍に武器を売るというマッチポンプを行い、世界を裏で操ろうと画策していたのだ。その直後にトニーはローディと共にキリアンに囚われ、マヤと再会し、彼女がキリアンの手先だったことを知る。トニーはそこで、マヤはエクストリミスを平和利用の目的で広めるために止む無くキリアンに接触したこと、ペッパーもキリアンに捕まり、エクストリミスを投与されて拷問されていることを知らされる。トニーの説得でマヤはキリアンから離反するが彼の手で殺されてしまい、トニーもまた命の危機に瀕するが、J.A.R.V.I.S.とハーレーが修理したマーク42が飛来、これを装着したトニーはローディと共に反撃に転ずる。

クリスマスの夜、ペッパーが囚われた巨大タンカーに潜入したトニーとローディは、これまで開発したアーマーを全機召喚して“エクストリミス・ソルジャー”群に総攻撃をかけ、現場に捕らわれていた大統領を救出。続いてペッパーを発見するが、投薬で自らもエクストリミス・ソルジャーとなったキリアンの妨害にあい、トニーの奮闘むなしくペッパーは火災の炎の中に転落してしまう。怒りに燃えるトニーはキリアンとの一騎討ちの末、マーク42をキリアンに着せて自爆させるという奇策で重傷を負わせる。それでもなお立ち上がるキリアンだったが、同じくエクストリミスの作用で超人と化し、炎の中でも生き延びていたペッパーの反撃で死亡した。こうして一連の事件は決着し、ペッパーとトニーはお互いの愛を確かめ合うと、アーマー依存症の克服を宣言し、総攻撃で破壊されなかったアーマーを全てクリスマスの花火代わりに自爆させる。その後、ペッパーはトニーの開発した解毒剤で常人に戻り、トニーもアーク・リアクターを胸から外して心臓手術を受け、ミサイルの破片を胸から除去されて普通の人間に戻った。こうしてヒーローではなくなったトニーだが、「アーマーは私にとって繭だった。それを破って私は生まれ変わった」と述懐、新たな人生を歩むことを決意する。

(エンドロール後)全てを語り終えたトニーは傍らで聞いていたブルーズ・バナーに感想を求めるが、ブルースは話のほとんどを居眠りをしていて聞いていなかった。仕方なく、さらに幼少期に遡って語り始めたトニーにブルースが閉口する場面で物語は終わる。
登場人物・キャスト
主要人物
トニー・スターク / アイアンマン
演 - ロバート・ダウニー・Jr[2]、日本語吹替 - 藤原啓治パワードスーツを身に纏ったヒーロー“アイアンマン”である、大富豪の天才発明家にして慈善家。“アベンジャーズ”の中心的メンバーでもある。本作では、2012年5月のニューヨーク決戦の際の経験で、当時の戦いに関連する単語を聞くとパニック発作を発症するほど深刻なPTSDと不眠症を抱え込み、その不安を払拭するためにアイアンマン・アーマーの増産に没頭し、外出時にもアーマーを持参するなど“アーマー依存症”といっても過言でない状態にまで陥ってしまった。そんな悩みを引きずったまま新たな幾多の受難に襲われ、孤立無援の戦いに赴くこととなる。
ヴァージニア・“ペッパー”・ポッツ
演 - グウィネス・パルトロー、日本語吹替 - 岡寛恵スターク・インダストリーズCEOにして、トニーの恋人。本作では、トニーと寝室を共にするほどの関係となったが、アーマーに依存する彼に危惧を抱き、互いの距離を不安に思うと共に、元同僚のキリアンから仕事を持ちかけられたことがきっかけで、これまで以上の危機に瀕してしまう。


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