わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線
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第一渡良瀬川橋梁 草木湖


沢入トンネル




黒坂石川橋梁


33.4WK13 沢入駅




名越トンネル


群馬県


笠松トンネル


栃木県




38.7WK14 原向駅


第二渡良瀬川橋梁


有越沢橋梁


通洞橋梁


41.9WK15 通洞駅


渋川橋梁


42.8WK16 足尾駅


第一松木川橋梁


44.1WK17 間藤駅


第二松木川橋梁


下間藤トンネル


向赤倉トンネル


出川橋梁


46.0足尾本山駅 -1989

わたらせ渓谷線は、足尾銅山から産出される鉱石輸送のために私鉄の足尾鉄道が敷設し、のちに国有化された足尾線が由来である。桐生駅から大間々駅までは市街地を走り、大間々駅から北の区間では、路線名の通り渡良瀬川上流の渓谷に沿って沢や支川を渡りながら谷筋を遡る。特に初夏の新緑と秋の紅葉の風景が美しく、臨時運行されるトロッコ列車では、風に当たりながら渓谷美を堪能できる。足尾地区では、本路線の建設目的であった足尾銅山の跡地や関連施設が沿線に残っており、一部が観光・見学施設として開放されている一方、廃止された旧足尾本山駅付近では、過去の歴史的な公害である足尾鉱毒事件の影響によりいまだにはげ山が連なり、異観を呈している。

2008年7月23日に上神梅駅本屋などが、2009年11月19日には神戸駅本屋や城下トンネルなど37件が国の登録有形文化財に登録された。
路線データ

管轄(事業種別):わたらせ渓谷鐡道(
第一種鉄道事業者

路線距離(営業キロ):44.1 km

うち桐生 - 下新田信号場間 1.7 km は、JR東日本両毛線と施設を共用。


軌間:1,067 mm

駅数:17駅(起終点駅含む)

複線区間:なし(全線単線

電化区間:なし(全線非電化(JR両毛線との共用区間を除く))

閉塞方式

単線自動閉塞式(桐生 - 下新田信号場間)

自動閉塞式(特殊)(下新田信号場 - 相老間)

特殊自動閉塞式(電子符号照査式)(相老 - 間藤間)


保安装置:

ATS-P(桐生 - 下新田信号場間)

ATS-SN(下新田信号場 - 間藤間)


最高速度:75 km/h[1]

IC乗車カード対応区間:なし

沿線風景

始発駅の桐生駅は、JR両毛線共用し、駅の業務はJR東日本に委託している。桐生駅を出てからは両毛線と線路を共用(重複区間)し、1.9 km先の下新田信号場で両毛線から分岐し、足尾方面に向かう。分岐して最初の駅、下新田駅は同鉄道の中では一番新しい駅であり、JR高崎支社の職員訓練施設や引き込み線などがある。駅を発車し両毛線から離れると、左側から東武鉄道桐生線と合流し、相老駅に到着する。東京の浅草駅から直通する特急「りょうもう」「リバティりょうもう」の停車駅であり、乗り換え客も多い。また、LIXIL小倉クラッチなどの工業企業もあり、通勤で利用する人もいる。相老駅を出ると桐生線は左へ別れ、上毛電気鉄道上毛線のガード下を潜るとまもなく運動公園駅に至る。同駅は上毛線桐生球場前駅に近く、乗換駅となっている。この先は国道122号線にほぼ沿う形で桐生市相生町の住宅地を通り、北に向きを変えるとわたらせ渓谷鐵道の中心駅である大間々駅に到着する。大間々駅の近くには高津戸峡と呼ばれる渓谷や、歌舞伎舞台のある「ながめ余興場」があり、過去に歌舞伎が行われた時、大勢の見物客が大間々駅を利用した。

大間々駅からは渡良瀬川や国道122号線と並行して北上する。国道122号線は「銅街道」とも呼ばれ、かつての足尾線同様、銅の輸送路であったことが偲ばれる。大間々駅を出発して、「七曲の渓」と呼ばれる渓谷から、わたらせ渓谷線の見どころの沿線風景となる。この渓谷は、国道122号の地点からいえば桐生警察署大間々庁舎(旧大間々警察署)あたりで、福岡大橋の場所から、「対向車注意」など運転者に注意を促す電光掲示板がある辺りまでである。この間に3つトンネルがある(国道にはない)。次の上神梅駅は、国の登録有形文化財に登録された木造駅舎で、旧事務所にカラオケ教室がある。川の対岸の断崖のところに、京都貴船に本社のある貴船神社がある。

上神梅駅を発車して次の本宿駅を過ぎると、紅葉ポイントの一つである古路瀬渓谷と呼ばれる渓谷沿いを通る。国道122号線では城下トンネルあたりで、わたらせ渓谷線にも同名のトンネルがある。

中間の水沼駅には温泉センターが併設されている。畳敷きの広い休憩所があり、近所の人やハイカーがくつろいでいるほか、観光客が訪れることもある。

みどり市東町の最初の駅、花輪駅には、童謡の父「石原和三郎」の出生の地であることから、彼が作詞した童謡「うさぎと亀」の歌に登場するうさぎと亀の石像があり、列車が接近する時には同駅のスピーカーから「うさぎと亀」の曲が流される。列車は渓谷に沿いながら、中野駅小中駅の両駅に停車し、次の神戸駅に到着する。

神戸駅構内には、廃車となった東武鉄道の特急車デラックスロマンスカー1720系2両を利用した列車のレストラン「清流」がある。また、列車利用促進を目的に花桃が植樹されており、春には、わ鐵主催の花桃まつりが開催されている。みどり市営バスが乗り入れており、鉄道利用で国民宿舎サンレイク草木や富弘美術館などへ行く場合の拠点駅ともなっている。

神戸駅を出ると列車は草木トンネルに入る。草木トンネルは草木ダム建設により水没した旧線からの付替のために建設され、わたらせ渓谷線で最も新しく長いトンネルである。付替後の旧線跡は神戸駅側の一部区間が遊歩道として利用されている。草木トンネルを通過した後すぐに草木湖を渡り、右岸から左岸に変わって沢入駅に到着する。沢入駅から原向駅間は、白御影石の天然岩などで景観が形作られる、沿線で最も車窓が美しい区間とされ、トロッコ列車は観賞のため減速・一時停車を行う。坂東カーブをはじめとする急カーブや、急勾配が連続する区間でもあり、普通列車もゆっくりと走る。また、ごく稀に、野生動物が線路の中にいることがあり、緊急停止することもある[2]。沢入駅より3つ目の笠松トンネルで、群馬県から栃木県に入る。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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