まんが宇宙大作戦
原案ジーン・ロッデンベリー
監督ハル・サザーランド
『まんが宇宙大作戦』(まんがうちゅうだいさくせん、原題:Star Trek: The Animated Series[注 1]、略称:TAS)は、アメリカのSFアニメ番組である。23世紀を舞台に[注 2]、天の川銀河を探索する宇宙船USSエンタープライズ号の冒険とその乗組員たちの活躍を描いている。『スタートレック』メディア・フランチャイズ初のアニメーション作品で、シリーズ第2作目にあたる。
1973年9月8日から1974年10月12日にかけて、2シーズン全22話がNBC系列で放送された。日本では1977年4月10日から9月13日にかけて東京12チャンネルで初回放送されている。
長年にわたりシリーズ作品(いわゆる正史)に含まれず番外編扱いであったが[注 3]、CBSが版権を持つ公式サイトでは、2007年より[2][3]本作をシリーズ内作品に含めている[4]。 1969年に『宇宙大作戦』が終了した後、初めて作られた続編である。時代設定は前作の直後(2269年 - 2270年)となっており、主要キャラクターや航宙艦、異星人など基本的な設定が引き継がれている。また、ヒューマノイドには属さない外見の異星人が新たに登場したり、惑星上で怪獣が現れるなどの、実写では撮影困難なアニメーションならではの描写も多く見られる。 原作者のジーン・ロッデンベリーは、アニメ化に際しても子供向けと意識せず、幅広い年齢層に応えられる内容にすべきとし、スタートレックの持つ作品世界の保持を第一に考えていた[注 4]。そのため、出演者のみならず、スタッフにもスタートレックシリーズに馴染み深い人物が多数参加している[6]。 各エピソードの脚本は、D・C・フォンタナを始め『宇宙大作戦』からの続投が半数を占めているが、それ以外にテレビプロデューサーとして著名なジェームズ・シュメラー
概要
製作はフィルメーションが行っている[注 5]。同社のスタッフには『宇宙大作戦』のファンが多くいたこともあり、上述のようなロッデンベリーの製作意図を尊重し理解を示したという[5]。
本作は高い評価を受けており、第1、第2シーズンともにデイタイム・エミー賞(優秀子供番組部門(英語版))にノミネートされ、第2シーズンには最優秀賞が授与されている。
アラン・ディーン・フォスター執筆によるノベライズ版が存在し、『Star Trek Log』のタイトルで[7]、1974年から1978年にかけて全10巻がバランタイン・ブックス(英語版)より刊行された[8]。1巻から6巻までは1冊につき3話収録の連作短編集となっているが[9]、7巻以降は1冊につき1話の長編となっており、本編の脚本よりも内容が大幅に加筆修正されている[6][9]。 『宇宙大作戦』の第3シーズン(1968年 - 1969年)が放送中だった頃、フィルメーション重役のルー・シェイマー
制作背景
初期の構想
それに伴い、パラマウントのディレクターであったフィリップ・メイヤーと、フィルメーションのライター兼アニメーターのドン・R・クリステンセン(英語版)の両者によって、若い視聴者をターゲットにした新シリーズの企画書が作成された[10]。10代の士官候補生たち[注 6]がエクスカリバーという練習船に搭乗し、エンタープライズの乗員から薫陶を受けるというもので、いわば『宇宙大作戦』の主要キャラクター各々に若手の弟子が付くという内容であった[11][注 7]。
しかし、当時のロッデンベリーとパラマウントの険悪な関係により、シェイマーは両者との契約合意をまとめられず、当初の形でのプロジェクトは徐々に立ち消えとなっていった[10]。