ウィリアム・シャトナーを始め『宇宙大作戦』で役を演じた俳優本人が声を当てているが、制作予定の段階では、前作のレギュラーだったウフーラ役のニシェル・ニコルズ、カトー(スールー)役のジョージ・タケイ、チェコフ役のウォルター・ケーニッヒらは出演から外されていた。劇中にウフーラとカトーは登場するものの、それぞれチャペル役のメイジェル・バレットとスコット役のジェームズ・ドゥーアンが兼任して声を当て、チェコフは降板となっていた[6]。
しかし、これに対してスポック役のレナード・ニモイが、彼らを参加させないなら自分も出演しないと抗議し、特にウフーラとカトーは23世紀の多様性を証明するキャラクターであるため、絶対に声優を変えてはならないと主張した[16]。また、『宇宙大作戦』の終了後、共演者の多くが経済的に困窮していることをニモイは把握しており、敢えて厳しい注文を付けることで彼らに配慮を施した[16]。この件に際しルー・シェイマーは、ニモイの指摘がなければマイノリティ系俳優の除外に気付けなかったため、「自分たちの行動に恐怖を感じ、意図しない軽視に愕然とした」と語っている[10]。
結果的にニコルズとタケイの出演が実現し[16]、予算の限界からケーニッヒのみ出演は適わなかったものの[2][注 9]、スタッフとして「惑星ファイロスの巨人」の脚本を手がけることとなった[16][注 10]。また、チェコフが登場しない代わりに、レス[18]とアレックス[19]というオリジナルキャラクターが新たに加えられ、それぞれの声をバレットとドゥーアンが務めている。
大半のゲストキャラクターの声は、ドゥーアン[注 11]、バレット、ニコルズ、タケイが各々に応じて兼任しているが[2]、『宇宙大作戦』から再登場となるゲストキャラクターのいくつかは、演じた俳優本人が吹き込んでいる[21]。サレク役のマーク・レナード
(英語版)やハリー・マッド役のロジャー・C・カーメル、シラノ・ジョーンズ役のスタンリー・アダムズ(英語版)がそれに当てはまる[注 12]。1973年6月よりレコーディングが開始され、初日は出演者一同がスタジオに会し3話分の収録が行われた[10]。それ以降のエピソードでは、俳優たちのスケジュールに合わせて個別に収録しては編集でまとめる手法が採られている[注 13]。 本作では、アレキサンダー・カレッジ
音楽
実際の作曲者はレイ・エリス(英語版)であったが、エリスは印税報酬や出版社との兼ね合いから、妻の旧姓を取り入れたイベット・ブレイスというペンネームを使っていた。一方のジェフ・マイケルはプロデューサーのノーム・プレスコット(英語版)のペンネームであり、自身の息子たち(ジェフとマイケル)の名が由来となっている。プレスコットは、当時の標準的な契約の一環として、ペンネームでのクレジットとフィルメーション作品に関わる全音楽の印税分配を受けていた[10]。
『宇宙大作戦』のテーマ曲が使用されなかった理由として、カレッジとロッデンベリーの間に曲をめぐるトラブルがあったとされる[24]。カレッジがテーマ曲を提出した際、ロッデンベリーが無断で歌詞を書き加えて共同作品にしたため、カレッジにとっては印税の折半を不意に強いられる形となった[25]。