まとめサイト
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インターネットにおけるキュレーションは、これを応用したコンセプトである[15]。ウェブ上、ソーシャルメディア上の情報は爆発的に増えており、それは消費者の情報処理能力を超えるだろうと考えられた[15]

このような状況で、インターネットに「キュレーション」というコンセプトが現れた[15]。スティーブン・ローゼンバウムは、2011年に「もはやアルゴリズム分析に頼るだけでは探しているものを見つけ出すことはできない」「これ以上コンテンツを作りだすよりも、他人が作った全てのコンテンツを、意味あるものにしていく人が必要となる」「この役割を担うことを選択する人々は、コンテンツ・キュレーターと呼ばれ(中略)ソーシャルネットワーク・ウェブを牽引していく原動力となるだろう」と述べた[15]

2010年に日本経済新聞は、キュレーションサービスについて「Googleに代表されるロボット型の検索サービス全盛のいま、にわかに存在感を強めているキュレーション。ロボットに対する『人力検索』の逆襲とも言える」と評しており、島村武志は「NAVERまとめ」を「一般参加型のディレクトリ型検索サービスとも言える」と説明している[11]

2010年ごろから、キュレーション関連のサービスに力を入れる会社が増え、大韓民国検索サイト最大手の日本法人ネイバージャパン(東京都品川区)が、2009年7月に開始したユーザー参加型の情報集約・共有サービス「NAVERまとめ」はその急先鋒とみられており、2010年11月には、リンク集や画像集などのまとめページを作ったユーザーに広告収入を還元する「インセンティブプログラム」を始めた[11]
日本の「まとめサイト」

キュレーションという概念が日本に入ってくる以前から、「まとめサイト」は日本で独自に発展した。「まとめサイト」は、掲示板の書き込みをまとめたもの、運営は個人もしくは少人数で、法人は関与しないまたは法人が関与していないように見えるものを指すこともある。
2ちゃんねるまとめ

1999年に始まった「2ちゃんねる」(後の5ちゃんねる並びに2ちゃんねる.sc)は、インターネット黎明期からコアユーザーに支えられ、独特のアングラ的な空気感のある場だった。2ちゃんねるの任意のスレッドを選択し、特定のテーマで書き込みをまとめたサイトは多くある。この編集とは、書き込みやレスを取捨選択して編集する、順序を読みやすく入れ替える、フォントのサイズや色で強調する、URLで張られた画像や動画の埋め込みなどである[25]。記事作成者が意見や解説を追加したり、スレッドとは異なるタイトルを付けることもある[25]。巨大な掲示板である2ちゃんねるに直接アクセスしなくてもまとまった情報が得られるため人気が高く、2ちゃんねるのユーザー以外にも広く読まれている[26]

Twitter経由で記事に触れる人も多く、ブログ運営者にもTwitterアカウントを作り宣伝するものもいる[27]。商用サイト並みのアクセスがあるブログもあり、一説によると月額300万円にも上るという成功報酬型広告による収益を得ていたものもあるという[26]

電通天野彬は「『2ちゃんねるまとめサイト』になることで、女子高生すらも読むような一般的なメディアへと質を変えていったことからも、「まとめ」という形式が新興ネットユーザーへの親和性があったことが示唆される」と述べている[28]

「2ちゃんねるまとめサイト」「2ちゃんねる系ブログ」「まとめブログ」「コピペブログ」「アフィブログ」など様々に呼ばれる[29]。まとめブログの中でも、2ちゃんねるの雑多な情報から面白いスレッドをまとめ、再構築して掲載するスレ紹介系ブログ[26]、スレまとめブログは膨大な数が存在する。2ちゃんねるのスレッドのスレを編集したものは「コピペブログ」、その中でもアフィリエイト広告を設置しているものは「アフィブログ」等と呼ばれ[30]、どちらも揶揄的なニュアンスを有する[31][29]。2ちゃんねるまとめブログをサービス上の人気コンテンツとして持つ企業としては、LINE(livedoor Blog[32])があり、2011年時点でlivedoor Blogの上位30位全てがちゃんねるスレまとめブログだった[33]。FC2は2012年に2ちゃんねるから「2chの著作物を転載しているページに、一切の広告を載せない措置をお願いしたい」と要請されるなど、2ちゃんねるまとめブログが多くあった[34]。2011年時点で、FC2ブログ上位30位のうち22が2ちゃんねるスレまとめブログであり、『やらおん!』『ニュース2ちゃんねる』などがあった[33]

『痛いニュース(ノ∀`)』など、ニュース記事に関するやり取りが行われる人気スレッド「ニュース速報版」を素材にしたニュース系ブログにも人気の高いものがあり、2ちゃんねるスレまとめを通して政治や社会に関するニュースに触れることも少なくない[35]。多くの場合は元になる既存のニュースがあるが、マスメディアより先にまとめサイトを通じて拡散した尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件のように、既存のニュースがなくてもスレッドを立てさえすれば、2ちゃんねると2ちゃんねるスレまとめがニュース・メディアとして機能することもある[36]。柏原勤は、アクセスを集める理由として「ニュースの読み解き」の機能があり、ニュースを巡るコミュニケーションの場となっていることを指摘している[37]。そのほかの理由としては、企業や公共施設では2ちゃんねるの閲覧は制限されていることが多いが、まとめブログは閲覧できること[38]、情報の一覧性の高さ[39]などが挙げられる。

問題点は2ちゃんねるまとめブログ関連を参照のこと。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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