ひも_(映画)
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「夜の青春シリーズ」は、全作ほぼ似通った筋立てで[18]ホステススカウト女衒を生業とする梅宮が、非情で老獪な女性操縦法を駆使して女から金を吸い上げ、ラストは女が自殺したり夜逃げしたりする反社会的な内容[5][18][24]。本シリーズは、女性愚弄ぶりも甚だ酷く、男性王国たる東映にふさわしく、あきれるほどに徹底して男性本位の映画といえる[24]。まだ20代後半ながら既にムチムチな上半身を晒け出した梅宮が、毎回毎回キュートな肉体女優を相手に濃厚なベッドシーンを演じて注目された[16][18][22]。相手をした女優は緑魔子ロミ・山田、大原麗子、中原早苗ら錚々たる面々だが、彼女たちも当時はまだB級女優だった[18][16]。梅宮の無表情で硬直した芝居はえも言われぬ不気味な裏社会のリアリティを感じさせ成功した[18]。前述のようにこれらの作品は全盛期だった「東映任侠映画」との併映で、梅宮はプレイボーイイメージをより印象付けた[18]。梅宮は実生活でもこの頃から女性関係が派手な展開を見せ始め、マスメディアを賑わせている[2][18]。1966年2月17日公開の『四畳半物語 娼婦しの』は本シリーズに入れられていないが「夜の青春シリーズ」5作の脚本を手掛けた成沢昌茂に、岡田茂プロデューサーが『四畳半物語 娼婦しの』に相当際どいセリフがあるため、成沢に監督をやらせれば色っぽいものになると期待して監督に指名して製作されたものである[8]。岡田は本シリーズ以降の梅宮主演による「夜の歌謡シリーズ」「不良番長シリーズ」「帝王シリーズ」でも、梅宮を着流し任?路線裏番組エースとして起用し続けた[10]
評価

二匹の牝犬』や「夜の青春シリーズ」は東映のポルノチックな傾向の始まりとも論じられ[9][25]川本三郎は『二匹の牝犬』や「夜の青春シリーズ」といった路線がエスカレートしていき、石井輝男の東映ポルノ異常性愛路線」になり、他の映画会社にも伝播して日活ロマンポルノになった、などと評している[26]
注釈[脚注の使い方]^ 『ダニ』と『夜の手配師』は梅宮辰夫の単独主演で緑魔子が不出演[4]
^?トルコ風呂』は梅宮辰夫の主演で緑魔子が不出演[19]、『日本映画俳優全集・女優編』では『?トルコ風呂』を大原麗子の初主演作と記載している[20]
^ 『夜の手配師』のみ、1964年のギャング映画『東京ギャング対香港ギャング』のリバイバルとの併映。

出典^ひも - 日本映画情報システム
^ a b c d e f g 梅宮辰夫さん インタビュー 。昭和キネマ横丁 - Part 2(archive)「『昭和キネマ横丁』インタビュー 梅宮辰夫東映アーリーデイズ」『映画秘宝』 2014年11月号、洋泉社、79頁。 
^ a b 『日本映画俳優全集・女優編』キネマ旬報社、1980年、142-143頁。 
^ a b夜の青春シリーズ |一般社団法人日本映画製作者連盟、 ⇒ひも |一般社団法人日本映画製作者連盟


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